右翼尾根の石垣と不思議な構造物 酒呑城②

世話人さんから、閉店した製餡業のお宅に不要となった石臼があって頂戴できるという情報を得てWBC決勝戦開始前にお伺いしました。

これまでの中で一番デカイ代物でしたが午後から据え付け完了(最後の画像)。

数日前の予報とは違い好天、まさに夏・・・につき長袖ツナギ上部を脱いで袖を腰に巻いて作業したほどでした。

もっと軽装でよかったのですが・・・その選択を誤りました。

 

扨、酒呑城散策で下山道の選択を誤り、山中錯誤(昨日ブログ)となりましたが、よくあるその手の最悪のパターンに繋がるのがその「下山道」での迷子の件。

「最悪」とは滑落によって負傷し動けなくなってしまうことです。その誤りについて修正することは念頭にありますが「早く下りたい」という気持ちが勝って、昨日も記した通り、目の前の「ラクそうな」(安易な)道を選びがちになり却ってドツボにハマる結果を招くこと多々ありますね。

 

特に酒呑城は巴川に沿った断崖の尾根上にある城①ですからそちらへの方向に進むことは死をイメージします。

よって最悪のことだけは免れようと「太陽を背にして」下りることのみを心がけました。

それさえ間違いなければ大丈夫だろうと高をくくっていましたがね。

 

私は見知らぬ山城へはスマホとパッドをバックに詰めて上がりますが、パッドには地図ソフトが入っていて現在位置をピンポイントに提示してくれます。

ただし私は吝嗇家系の性質か(通信料がかかる)常時それをオンにはしていません。

「こりゃあマズイな」と思った時のみに立ち止まって確認するわけですが、この山では3回ほど「なんでこんな場所に・・・それもこれだけの距離を・・・」と唖然としつつこの目とその機械を疑ったものでした。電波が届いてくれて良かったというわけですが・・・

 

段丘状に、また泥質の竹藪に嵌まり込んでしまったことにより前後不覚に陥ったのでした。

土呂の竹藪」にて記しましたが竹藪でも人の手が入っていないそれは最悪なのです。

竹の檻の中に居る感覚になり、早く出たいと焦って方向を誤ってしまうのです。それはそこいらじゅうに伸びる竹と数多の倒竹によってついついオカシな方向に誘導されてしまうのでした。

そして竹藪はその独特の雰囲気と音に人を錯乱させるのかも知れません。

 

この竹の倒れているものは支えにならないことはわかりますが、段差のある場所を下りようとする際に何の気なしに茶に変色したそれを掴めば「それ程に脆い物か」と思うほどバキッと音を立てて折れてしまいます。

私は数メートルの高さの段の斜面を下る際、うっかり体重を支えるために朽ちた竹を掴んでしまい、それが易々と折れて滑り落ちました。

「ショルダーでなくてリュックにすれば良かった」と思いつつ右肩に掛けたカメラも気遣いながら、この竹藪の斜面をずり落ちましたがカメラもジャージもドロドロ。

 

うんざりするほどの後悔(「行かない方がイイ」の忠告)がありましたが、こういう判断ミスは「案外とイイ出会いがあるものだ」と自身言い聞かせ、行きがけに聞こえていたチェーンソーの音を目指しました。

 

竹藪で確認しずらいものがありますが、昨日の酒呑城主郭方向には段状に3つほど曲輪らしき削平地が見えましたが②、この竹藪にもそういった段々状に削平されたと思われる場所がありました。

家臣団の屋敷、いわゆる根古屋として、その鶴翼(昨日)、あるいは一城別郭の如くの城だったのではないか・・・などと竹藪にて七転八倒しながら想像を膨らませていました。

 

以前記したやはり冬季限定の箱柳城も酷い竹藪で難儀しましたが、いつの時代からのものかわからない石垣があってそれはこの地区の城好きの人ならば誰もが知っているところです。

冬場ならばかなりお気楽な城址ですし。

ところがこの酒呑城に関しては一切それらは見逃されているよう。

 

私は元来た道を下ることができず、その右翼の尾根を下ったのでしたが、石垣が各所にあって「それらしさ」を醸し出す遺物(いつの時代か不詳)との遭遇は「間違ったおかげ・・・」と納得したのでした。

⑧は石積みをコの字型に囲った何か・・・井戸の遺構にも感じました。明らかに人為的構造物。

特にこれまで見たことの無いような石の構造物と出くわしましたがそれが⑨⑩。

段上の削平地と石垣、かつて人が住まっていた形跡ということは違いないところですが。

奥方は、「転んでもタダでは起きない」と以前からその私の性質(たち)を嗤いますが、まさに楽しい方向に転んだケースでした。

 

前述のチェーンソーの音に向って斜面を降りてきたわけですが、その民家裏で作業中の方の前に降り立った際、突然の私の出現に仰天の様子。当然でしょうね。

事情を説明してそちらを通行させていただきました。

 

その方に⑨⑩について伺うも「まったくわからない」とのことで何らかの調査の手も入っていないとのこと。

古墳の石室か・・・とも思いますが、それはその手の石組みではなくもっと巨大な石を重ねますからね。

 

⑯は皆福寺下の地蔵堂から。

⑰は「失敗こそ必要な材料」の皆福寺にあった言葉。

ヘマをしでかしても笑って誤魔化せるようその尻腰を押してくれます。