4年振りの景観  静岡のお宝  高根城  九頭竜伝説

「全国的にイイ天気」と予報で豪語していたワリには当地は「それほどでもない」といった天気。

 

そもそも「温かくない」のです。午前中は半袖で表に飛び出てみれば風のひんやりさに仰天、慌てて一枚着こみに戻った次第です。東京から墓参にいらした方も東京はもっと暖かく、つい薄着で出てきてしまったと少々悔やんでいたようです。

ホントに煮え切らないような天気が続く、探せばまだソメイヨシノが残っているような遠州です。

 

また、23時前の地震、震度2は結構久し振りで驚かされました。

ネコどもは各自走り回っていました。震源は遠州西部の山の中のよう。

瞬時に状況をネットにて調べますが相当発表が遅れていましたね。震度2以下だとそのようです。その程度でお許しいただければありがたいことです。

 

 

 

さて昨日ブログで記した井伊直親の墓はあの日の「花見行脚」のスタートでした。

ではその日の最終目的はといえば高根城(久頭合・九頭郷~くずごう~城)でした。

私が「静岡人なら知っていて損はない」「一度は行くべき」ということで同乗者の了解も得ずに連れまわした挙句の場所でした。

 

途中「水窪」であることを告げると少々「引いた」という感が見受けられました。

「水窪」は現在は浜松市(天竜区)に編入されていますが、その浜松の市街からは想像を絶した地といった感じ。

居住者には大変失礼ではありますが、そちらに行くには相当難儀するのです。

要は天竜川沿いに長野県境に向かってひたすら北上していくというところ。ハッキリ言ってなかなか着かない・・・お気軽さは全くないといっていい場所で、よく聞く形容では静岡県内の「豪雪地帯」と。

半世紀以上の間たとえ1cmの降雪でさえ見たことも聞いたこともない相良波津地区に住まう身としては、驚異的形容です。

 

その日は長篠城から直接こちらを目指しましたので浜松市街経由ではありませんでした。初めての山道道程であって観たものがすべて新鮮で飽きが来ないというところもグッド。

そういうことから三河・信濃との国境の地ということがわかります。

 

以前高根城に(またはこちら)向かったのは4年前。

その際は大井川沿いを上がって千頭駅の対岸にある小長井城から遠州の奥深い山々を無意味といっていいほど時間をかけて向かいました。今回もひねくれものの行脚でした(場所はこちら)。

「水窪」の語源は「水久保」とのことで、どちらにしろ「水が溜まる場所」が意識されてかねてより居住そのものに難儀したことを示唆する名称です。

 

高根城のもう一つの名称である「九頭郷城」の「九頭」などは勿論「九頭竜」からであることはピンときます。

九頭竜伝説といえばかつて水上スキー遊びの先生にお世話になったフィールド、芦ノ湖が身近にありましたが、そもそもその九頭竜の登場は「タダの災難」を象徴するものではありませんね。

庶民の生活を無茶苦茶にする龍神が×九ということですから。

子供の頃に見たゴジラ映画に登場した無茶苦茶に強かったイメージの「キングギドラ」でさえ頭は3つでしたからね。

 

芦ノ湖の場合は周囲の外輪山の「火山活動を含む崩壊」の事をそう形容したことが窺えるとのこと。この件は先週の「ブラタモリ」の箱根編にて。

 

人々はその龍神をなだめるために、人身御供をしたという歴史は各地に残っています。

そういうことからこの地の自然災害の脅威が歴史的名称として残存することは奇特なことと思います。

 

4年前に立ち寄った若子城の標識を横目に旧「奥領家村」→「奥山村」といった意味深地名変遷の地へ向かいます。

意味深とは領主が「奥山氏」でその系の城ということですが「奥」と「領家」について解釈の仕方はありましょうが、「領家」とすれば中央の荘園領主の存在と奥山氏の開発領主として国人化したことが推測されますね。そのあたり詳細については次の課題です。

 

以前も記しましたが、現大河ドラマ直虎の井伊谷城として画面に登場する城です。

吉田町の小山城は最悪のモニュメントと言っていい代物ですが、こちら高根城に関しては厳密な発掘調査としっかりした専門家の考証を基に復元がなされているということからも「必見」なのです。

 

ここの復元大手門(薬医門)を参考にして先日記した諏訪原城の門が復元されたのでしょう。小振りな薬医門の教科書といっていいものですね。

 

ただし、前回の様子からかなり木材の痛みが進行しているところが見えました。メンテは大変そうです。⑫は武田方二重堀切がよくわかる図。

 

水窪町九頭郷城付近には「中央構造線」が走りますが、地殻が動く場所。昨晩の地震は龍の頭1匹分程度が動いたのかも。

 

下記画像は龍谷大学史学科を出て城郭考古学の一人者中井均さんについての標。そういった研究者を招いて、実地調査の上の評価を得ずしての構造物の建造など・・・イケません。

 

最後の地図はウィキから拝借。

赤線が中央構造線、青線に囲まれたオレンジ色の部分はフォッサマグナと。こういう図を目にすれば「地震大国日本」をまざまざと感じます。

まともな頭の人ならこの「赤と青」には「龍が出没」することはわかるはず。特に「原発はダメでしょ」と再認識。

九頭竜怖い。高根城は赤い線の上にあたります。赤いラインの歪みは伊豆半島がぶつかって富士山が絞られた時期に作られたのでしょうか・・・。

地殻が交錯する「断層と地殻変動のデパート」を思います。