古道七曲峠 建長五年石龕仏は受取り地蔵

昨日の叔母の家から持ち出したものは地頭方の処理場や電気店での引き取りを断られた物たちいろいろ。

よって地元のリサイクル業者に持ち込みました。

そちらは断られたものの引き取りの最後の砦になります。

 

この世の中には新規の販売に関してはすこぶる良い顔をして「売りさばく」という風はお目にかかりますが、イザそれを廃却しようとする際になってどちらも引き取り手がなく苦悶させられることが多いものです。コストも思わぬ出費となること多し。

 

その手の事で思い出すのはかつての私のボロ車の処分(上記とは相当離れますが「受取り」に関して)。

最近は国内トップのTOYOTAが新車を売るは売ったで車検の手間を省くためインチキの車検飛ばしをやっていたことがバレて大変のようですが、私の場合はかつては車の譲渡人として困ったというか酷くビビらされたことがあります。

 

それは沖縄で使用していたセドリックのステーションワゴンを本堂の裏手に放置していたことがありましたが、そろそろ廃却しようと考えていたところ小田原の「後輩の知り合い」(名前は忘れました)が後輩経由で「欲しい」と言ってきました。

かつて小田原でそのような話をした覚えがありました。

これ幸いと、「1万円と言いたいところだが」名義変更を確実にしてくれることを約束して「そのまま持ってけ・・・」というと早速小田原くんだりから車を取りに来ていました。

 

肩の荷が降りて「ハイさようなら」とばかりに安堵していましたが約半年後に神奈川県警から電話が入りました。

その車が「箱根の山中の崖下に落ちている」とのことでした。

こうこうしかじか・・・と事情を説明すると「貴方が何とかするのがスジ」とというか私を疑っていました。

「そりゃ当然だ」と思いつつ真っ青になってその「下手人」にあたりました。

私の後輩の「知り合いの後輩」でしたが「やっぱイラネから捨てた」ということを後輩から聞きましたので私は血相を変えて「何とかしぃや!!」と落とし前を付けるように言ったことを思い出します。

 

当然ながらその怒りはその実行者に伝わって何とか対応したようですがレッカーまでチャーターして廃棄コストは数倍に膨れ上がったよう。

その者は「ナンバープレートと車両ナンバーは削ったのに・・・」とボヤいていたそう。

警察は事故と事件の存在を気にしていましたがそれは不法投棄というアホさ加減だったことに呆れていました。

 

車の譲渡の際は名義変更は自分の手で行うか相手の信用度によって対応していかないと酷い目にあうということを勉強させていただいた例です。

そして「後輩の知り合い・・・」「知り合いの知り合い」は一番信じてはイケないパターンでした。

もしその者が消えてしまったとすれば私がその経費を見なくてはならなかったのですからね。社会的信用失墜に至る可能性までありました。

 

面倒なものは山谷海川に捨てるというのはあまりにも短絡的で、ほとほと肝を冷やさせられた件でした。

 

叔母宅の廃棄物のうち今回受取りを拒絶されているものは業務用カラオケのセットとブラウン管モニターそして電動機付き自転車に空気洗浄機。液晶テレビの映らないものも数点ありました。捨てることを小まめにしてこなかった咎です。

 

カラオケ用のブラウン管モニターは量販店でも受取り拒否されたものです。業務用はダメだとのこと。

これは叔母夫婦がその手の店を開いていた名残で趣味で残しておいたよう。

 

また通常の自転車ならば処理場で受取っていただけますが電動機付き自転車は月1回の特別受取日以外は拒否されるということも知りました。

空気洗浄機も機種によっては拒絶されます。

ということで前述した地元の処理業者に持ち込みました。殆どダメ元で。

 

テレビ系とカラオケセットは値が張りましたが(合計15000円)自転車、アルミ門扉、ガスレンジ、ガスヒーター、ミシン、電子レンジは無料で引き取っていただきました。

何より懸案の空気洗浄機が無料だったのは驚き。これは数万円の引き取り料が発生するかも・・・と言われて処理場で拒絶された物でした。

 

あとで気づきましたが洗濯機と冷蔵庫も量販店ではなくこちらに持ち込んだ方が格安に済んだかもしれません。

引き取り料を聞くのを忘れましたが・・・。

また次回、当家の洗濯機を持ち込む予定があります。

何しろ処分、受取り料金は高額です。

捨てることを頭に入れて購入しなくてはね。

あとになってから苦労すること、縁者に思わぬ困難を招きかねないことを承知のうえで。

 

さて、私ども自身の「その時」ですが、地方によっては「受取り」をお願いするというのは地蔵であるということは拙ブログでも幾度か記しています。

それを「受取地蔵」と呼びますが奈良福住周辺といえばつい数年前まで土葬が行われていた地でその土葬前の儀式として地蔵前に棺を置いて読経があげられるというのがその流れです。

よって墓地の入口近くの空間には、錫杖と宝珠のスタイルで他とは明らかに大振りの地蔵が控えているものです。

墓地の主役たる石造仏となります。

個人的には数ある地蔵の中にあってこちらの森の醸し出す雰囲気もありますが好みの石仏の一つになります。

掲示板④の通り古道七曲り峠道のスグ脇に立っています。

 

以下奈良県史より。

「花崗岩製H216㎝W185㎝の切り石で作った石龕の中に収まるH190㎝W74㎝の壺型光背(二重円光背)を背負って二重蓮華座に立つ像高148㎝の肉彫りの地蔵。

力強い面相と両肩の張った体躯をもつ豪快な作風の地蔵で、鎌倉彫刻の特色をよく示す石仏である。

光背面左右に刻銘。

 

建長五年(1253)癸丑十一月七日

造立之□(中)巨勢国弘也

 

七曲り峠道へは「下の坊」の前を走っています(場所はこちら)。

下の坊婆羅門杉が(またはこちら こちら こちら)。