一本の草さえ 生きねばならぬ 使命をもっている

昨晩のNHK「ミッシングワーカー 働くことをあきらめて・・・」

なる番組を視聴。

思うことは勿論「辛くて切ない」もありますがよくもまぁこのような社会の致命的状況をお国が放置していたものだと。

いかに政治が遊んでいたかを物語っていますね。

それは『独身中高年と「ミッシングワーカー」103万人』の件です(番組サイト)。

 

昨日記した(人口減少まっしぐら・・・)「尻に火が付いている」どころではない惨憺たる日本の影の部分です。

思いのほか深刻で暗くなりました。

「ミッシング」と記されている通りそれは「社会から消えている」ことを表していますがこれはお国が算出する雇用統計の「失業者」という部類にはあたらず、労働市場から“消えた”「ノーカウント状態」になっているということです。

 

「失業率」は景気の指標になりますが、それがその数値に反映されていないことは、きっと今の「景気が良さげなのに実感がない」というところ合点がいきます。

「103万人が無職」でそれを「失業」のカテゴリーに入れていない・・・色々と不思議なことばかりです。

 

その「働かない」(働けない)ということは生産性がゼロということ。それではいったい何で食い繋いでいるかといえばまずは「親の年金」というところ。もはやこの国はぶっ壊れているのか・・・とも思える数字ですね。

そういえば周囲を見てそのパターンは世にありふれていました。

 

番組を視聴していると「仕事をしない」理由は「働くことをあきらめた」ということ。

病気等により仕事をあきらめなくてはならない状況はあるものですが、彼らの殆どは「親の介護のため」に離職せざるを得なかったという切実でした。

先日は「孤独」を謳歌するような人生を囃す書籍が出回っていることに「わかっちゃいない」風嫌悪を記しましたが番組に登場したどなたを見ても「孤独」を楽しむなどという感じは受け取れませんね。みんな寂しそうなのです。

 

ミッシングワーカーに陥るに3つのリスクがあるとのこと。

それが「非正規・独身・介護」だそうです。

中には両親の介護のために正社員をやめて非正規雇用、そして当然の如く伴侶には恵まれることはないでしょうしその親の不遇に子が付きあっていかなくてはならないという現実。

不遇と記しましたが仏教でいう「四苦(生老病死)」の「老と病」は絶対に歩んでいかなくてはならない道ですからね。

 

ここでも「お前はどうなんだ」という阿弥陀さんからの問いが頭をよぎってきますが「オレは絶対に施設など行かない」「この家で死ぬのだ」と施設に入る事を頑なに拒む方がありました。大いに気持ちはわかりますね。

しかしその子供はそのために非正規のままを余儀なくされて介護という重圧がのしかかるのでした。

よろこんで施設に入るという心の準備をしておかなくては・・・

 

選択肢は狭まれる中どう進んだとしても明るい未来は描けないとの声がありましたが、本当に辛い番組でした。

こうなるとお前は「いつ免許証を返上するのだ」は甘っちょろいですね。「いつから施設に厄介になるのだ」を考えなくてはなりません。

究極のところは早いところリタイアして息子に任せることですが、健康状態だけは何とか維持して子供の世話になることをできるだけ「入所」の子の判断に従いその時期も「その時」(お浄土に迎えられること)に近づける努力をしなくてはなりません。

 

浄土といっても子供を道連れにするのでは「気持ちは地獄」ですからね。

まずは親の年金で子供が生活するということにそもそも常軌を逸しているのだということを考えなくては。

 

表記と画像①は大谷祖廟の掲示板から。

「死にたい」という気持ちを吐露されていた方がいらっしゃいました。しかしその(電車に飛び込む)勇気が無くて踏切で立ち止まってしまうと。

みんないつまでも若くはないし、何時でも「寝たきり」状態になり得ることは知っているのでしょう・・・。

寝たきりや判断不能に陥る前に身の振り方を考えておかなくては。笑って浄土に行くにはそれしかありませんね。

「無常」は受け入れなくてはなりませんがとりあえずは「健康」「無事」が目標です。

 

②③神の使いと言われている鹿もなかなか大変のよう。

日本人は鹿など完全無視しています。奈良公園の鹿など珍しくも何ともありませんからね。

ただあちらの鹿世界は今のところうまく回っていて餌やり担当は殆どが外国人観光客。

本当は鹿せんべいを売るオバさんが一番に助かっているのでしょうが。

 

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コメント: 2
  • #1

    omachi (月曜日, 04 6月 2018 19:40)

    歴史探偵の気分になれるウェブ小説を知ってますか。 グーグルやスマホで「北円堂の秘密」とネット検索するとヒットし、小一時間で読めます。北円堂は古都奈良・興福寺の八角円堂です。 その1からラストまで無料です。夢殿と同じ八角形の北円堂を知らない人が多いですね。順に読めば歴史の扉が開き感動に包まれます。重複、 既読ならご免なさい。お仕事のリフレッシュや脳トレにも最適です。物語が観光地に絡むと興味が倍増します。平城京遷都を主導した聖武天皇の外祖父が登場します。古代の政治家の小説です。気が向いたらお読み下さいませ。(奈良のはじまりの歴史は面白いです。日本史の要ですね。)

    読み通すには一頑張りが必要かも。
    読めば日本史の盲点に気付くでしょう。
    ネット小説も面白いです。

    富国強兵で兵隊さんを増産したつけが、人口増加に続く少子高齢化と繋がっていますね。江戸時代は2800万人が上限だったそうです。それでも江戸時代を通じて各藩は新田開発を進めたそうです。実は明治になっても直ぐには人間を食べさせられないので、奈良でも多くの溜池が作られています。奈良ホテルの新池も明治の産物です。

  • #2

    今井 一光 (月曜日, 04 6月 2018 23:02)

    「北円堂の秘密」のご紹介ありがとうございます。
    先日もその辺りをブラつきましたが修学旅行生も外国人も興福寺は五重塔と南円堂周辺でごった返しているものの三重塔や北円堂周辺は「殆ど人無し」でしたね。
    ウェブ小説、拝読させていただきます。