夢の浮橋 源氏物語の情景 恵心僧都も登場

昨日23日は沖縄の慰霊の日。

例年梅雨あけと同時期に開催される沖縄の一大イベントですが、あの女子高生の口から発せられたあの詩は感動しました。私たち大人が平和を忘れたら・・・悲惨は子供達が味わうことになりましょう。

そして夜はNHKの番組、「歴史秘話・・・」の演出はコント交じりでお笑いの要素十分。一昨日の議員さんと秘書の「コント」は呆れた爆笑の躰でしたが、この番組アナウンサーと関西系役者さんの扮する小野篁のそれは微笑ましくも大笑いしてしまいました。

 

番組は「極楽と浄土」がテーマになっていてその両方を繋いで話を進める題材が「往生要集」。ついでに作者の源信(恵心僧都)を取り上げていました。

その方については当ブログにても何度か記していますが開祖親鸞さんご指名善知識「ベスト7」のお一人です。

当然の如く源信さんの「観想念仏」の語が出てきて、「極楽」のお話では阿弥陀さんが主役でした。

 

「コント」の方はアナウンサーが六道珍皇寺の井戸から地獄と現世を往来している小野篁のいる地獄の入口に堕ちてから。

その関西弁の篁が八大地獄の恐ろしさについてアナウンサーを案内するという設定でした。そのうち阿鼻地獄に等活地獄のほか特に「衆合地獄」に力を入れたコントの如くの解説に爆笑してしまいました。

まぁ、よりによってその地獄かよと思いましたが、通常その手の「解説書」による「そこに堕ちる人」の罪というのが、「殺生・ ・偸盗・邪淫」という語でさらっと流しているものですからね。

 

それを番組では「不倫をした人が堕ちる地獄」と。

なるほどわかりやすくてイイのですが、するとアナウンサーが「是非に見たい」という設定になっていて、その代表的な「罰」に「立ち会った」アナウンサーは「当然のこと」の如くのお怒りぶりとなったのでした。

「小野篁」から「何かあった~?」とのツッコミがあって思わず当家奥方に向かって「この人何かあったの?」と聞いてしまいました。

 

ちなみに「衆合地獄」の罰というのは美女が木の上で待っている状況に罪人は美女目がけてその木を登ろうとするのですが、その木というものの「葉」は文字違いで「刃」。木を登ればザクザクに体が切り刻まれることになります。

欲望を抑えきれないその罪人はそれでも木にすがりつきながら美女を目指しますが気が付くとその美女は地上にいるのです。今度は同じように血だらけになって肉を削がれながらも木を降りるのですが、地上に降りてみればまた美女は木の上。

その永遠の繰り返しとなるという地獄です。

 

さて、番組ではアナウンサーが番組冒頭に登場したのはたしか宇治川に架る朝霧橋だったような・・・。

平等院の近くの浮島のさらに向こう側の宇治神社方向から歩いてくる構図のようでした。

 

その宇治神社の近くには源氏物語ミュージアムがありますが、このエリアをその古跡として(源氏物語は創作)設定しているようです。

画像は神社側の川渕のモニュメント⑧⑨⑩⑪⑫(場所はこちら周辺)。①②~は紫式部像。宇治川西詰交差点を平等院方向に曲がってスグ。交通量も人の波も激しい場所。どちらにしろ京都でも人気のスポットです。

 

「夢の浮橋」は源氏のクライマックスですね。

この段には源信さんを示唆する横川(よかわ)の僧都が登場します。

当流では「帰敬式」でお馴染みの

「流転三界中 恩愛不能断」の語も登場していました。