雑兵ならぬ雑草としての生き方を想う

今年の干支は酉ということで年賀状のイラストとしては鶏です。昨年は若冲ブームということで美術館に向かうなど「鶏」たちに親しんできましたので今年の返信用年賀状はその作品からパクリました。

若冲はニワトリがお好きのようで、それを描いた作品は多いですから。

 

また頂いた年賀状の中で、「キレイだな」と思ったのが「甲斐信枝」さんの草花の絵をあしらったもの。色味がいいのですね。そして繊細ながら素朴でシンプル。

私は11月にNHKで放送された甲斐さんのドキュメントをたまたま視て知りましたが、年賀状のその方は甲斐さんの世界の虜となって夫婦で本屋さんに向かったとのこと。

 

番組を拝聴して、ただただ驚きと少々の後ろめたさを覚えたものでした。

絵の上手、年齢の多さ(八十五歳)は勿論、嵌まり込む世界が違うとこうも、それに対する見方、愛着、思いというものが変わってくることを知りました。

後ろめたさとは彼女が対象とする植物とは野山や空き地のどうともない雑草ばかりだからで、私からすれば毎度の「敵役」、特に目の敵の如く壊滅すべきものたちだったからです。

 

「ため息と辟易」以外の感情を抱いたことのないものたちでしたから。

それをあれだけの「愛しさ」をもって接する人が「実はいた」ということも逆に新鮮なことでしたね。

 

人は生き方として若いうちは「可憐や華やかな美」を描きながら過ごし、いずれは「図太く雑草のよう」とシフトしていくものですが本当のところその雑草の力強さ(心)こそが生き方としてはふさわしいのでしょうね、それも最初のうちから。

 

踏みつけられて刈り取られても再びまた芽を出す。

そういうがむしゃらな人間が古来から日本に居たのでしょう。

今となればその前者・・・華やかさ・・の方ばかり追いかけている私たち、そのおかげで簡単に心は砕け落ちているような・・・。

基本にかえってやはり植物、特にどこにでも生える雑草の心を持ち続けていきたいですね。

その生き方とは・・・あのたくましい私たちのご先祖さんの生きざまを表した「雑兵物語」をまた思い出しました。

 

とか言いながらも冬の拙寺庫裏の陽当りのイイ場所はハイビスカスの避難所になっていますが。

 

画像①②は甲斐さんの書籍。

③④はハガキではありません、私のスマホの待ち受け画面の図。すべて若冲からです。

 

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コメント: 2
  • #1

    小山昭治 (水曜日, 04 1月 2017 16:59)

    除夕の鐘は盛況だったようでよかったです。
    私は風邪気味のため大晦日から大事を取って家で静かに過ごしました。
    30Kハイクも欠席、朝のウォーキングもしないで夜7時に寝て、朝7時に起きる。
    3日間ゆっくりしました。

     雑草をいいと言う人がいる。ハイビスカスがいいという人もいる。人それぞれ。
    今年もそれなりに仕事をし、生活をしていきます。
    何か欲が無くなりつつある。先が見えてきたからかな。
    それなりに。
    今年もよろしくお願いします。

  • #2

    今井一光 (水曜日, 04 1月 2017 21:52)

    ありがとうございます。
    今年もよろしくお願いいたします。

    風邪でしたか・・・お待ちしていましたが残念でした。
    それにしても相良にも風邪は蔓延していますね。
    法事がありましたが狭くて乾燥した部屋の中、ゴホゴホの音は「ヤバイ・・・」の感。
    心なしか喉が痛い。
    2件の葬儀に加えて相良仏教会内御寺院の葬儀もあるとのことで
    正月気分は吹っ飛んでいます。

    本当にこの時期は体調を壊しやすいので大事にしてください。
    坊さんらしくないですが「あとは運だけ」。