新緑の森林浴日光浴  「イイご身分」伊藤若冲展

最近では滅多になかった3連続降雨が開けた12日は清々しい快晴。朝5時に起きて上野に向かいました。

前回まごまごしていて「糸巻きの聖母」を拝むことができませんでしたので、この機会を逃してはと、一気に走りました。

 

相当の混雑という情報がありましたので平日狙いです。

ただし天候不順が続いての晴れということである程度の出足は致し方なしと「覚悟の東京行き」ではありました。

ところが川崎料金所を出てからの大渋滞が躓きの始まり。

東名高速からそのまま首都高3号渋谷線から環状線に入って上野線1号に廻るルートですが、渋谷まではあの伊勢道よりも酷い大渋滞。これも滅多にないイライラものでした。

 

ということで予定到着時刻より大幅に遅延してしまいました。

駐車場から早歩きでまた、おそるおそる東京都美術館に向かって眼にしたものというと・・・驚愕空前絶後の行列の様子でした。

動物園入口が変更されていたせいか、通路が重なってしまって双方の入館待ちで森の中はごった返していました。

 

係員の絶叫するかの如くの捌きの声が聞こえてきます。

精神的に良くなかったですね。

まず、チケット持ちとチケット無しの人たちの列がありました。

こういう場合私は、前売り券の購入についてはいつも悩んでは結局購入せずに直接赴いて、窓口購入というパターンが多いのですが、こういった人気の企画についてはその件酷くまずかったですね。チケットの購入だけで30分以上の時間を費やしてしまいました。

それを握りしめた者が初めて、入館の列に並ぶことができるのですが、その私が並んだ最後尾で係員が「180分」と叫んでいました。

 

高をくくっていた私が悪かったのですが、これまで私の美術館巡りの中で最長蛇の列を更新体験しました。

つくづく日本人の行列好きとその忍耐力には感服させられましたがこういう時は私は開き直って割り切ります。それが表記の森林浴と日光浴ですね。まぁこれもあれだけの好天であったからこその割り切りですが・・・。

 

客層は圧倒的に年配者。若年層では男子は皆無でした。

よってこの行列の主たるメンバーは体力的に不安がありそうな方々であることは一目瞭然。それを「よくもまぁ」という感じにはなりますが、あきらかに「体調不良」を思わせる方がしゃがみこんでいる場面を見ました。

私がイラっとくるのは、3人に1人くらいの方が使用する日傘。

気持ちはわかりますが周囲にも注意を払ってほしいものです。

4列で詰めて並ぶよう指示されますが、狭い空間の中、顔にガツガツあたって気分がいいものではありません。

 

「体温調節!」「水分補給!」の看板は出ていました。

この呼びかけは「警告済み」「自己責任」という責任回避の一種ですが、館の入口には一応給水所を用意していました。

ただし的を射ていないような気もしないではありません。

館の周りをぐるっと伸びきった行列に並ぶ人をケアしてあげなくては意味がないと思いますね。

 

私が美術館側主催者だったら業者などに販売を許可、協力依頼して冷えた飲料の販売をしてもらいますね。

リアカーにでも引いて売り歩けばおそらく飛ぶように売れるような夏の気温でした。儲け云々よりも脱水症と脳溢血、心筋梗塞防止には必要ですね。

この行列で昏倒した人が発生した場合はだれがどうケアするのかも、AEDの位置も不明でした。

 

聞くところによれば、日々行列の長さは増えていくそうで、その対応力の無さにも唖然ときます。

臨機応変という感覚の無さはお役人のなせる業でしょぅか、私が外に出た1330頃、あいかわらず短くならない列に並ぶ人たちに向かって「1630入館締め切り」とチケット代金の返金をしない旨の語りがとても冷たく感じました。

 

私は9時30分から3時間以上の行列+1時間弱の館内滞留でした(ゆったりとした拝観など絶対に無理)。1330過ぎに表に出た際見た最後尾だとおそらく「30分」以下の拝観となってしまいますね。

これほどの人気が出たのなら、開館時間を延長してあげればイイと思いますが・・・。

 

それにしても入館料、いわゆる儲けも半端な額ではなさそうな雰囲気です。

土産物屋のレジへの行列も信じられないような長さで手に取った品ものも諦めて元の場に返す始末。

現在私は「行列アレルギー」になっています。

 

実は横浜の「奥の墓道」氏に「貴殿の会社の方は年休でもとってご一緒しては」と打診して、彼から「たわごとを」との返答を得、一蹴されていたのですが、この状況を話すと「その行列の人々(私も含め)はイイ御身分なことで・・・」と大いなる皮肉。

 

しかしそもそも「イイ御身分」は都の美術館の最大オーナーである知事殿でしょう。

美術館の売り上げに貢献してその方の政治資金と名を変えた遊興費に結果的に一部協力してしまった私ども「行列の主役」を失笑するが如くでした。

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コメント: 2
  • #1

    小山昭治 (金曜日, 13 5月 2016 17:14)

    ご苦労様でした。
    こちとらは、店を閉めてまで仕事、仕事。最後の?追い込みです。
    少しくらい並んでもじっと我慢すべきでしょう。
    (わざわざ混雑を体験するために行ったんですから)
    いい勉強でしたね。

    私も見たかったけどこの時期は、当初から諦めていました。
    うらやましい気分と「そ~ら ごう」ですね。

  • #2

    今井一光 (金曜日, 13 5月 2016 19:53)

    ありがとうございます。
    通りを通過した際、シャッターがおりてるのを目にして
    「いいお天気」だからどちらかへ・・・と思いましたが
    それは大間違いでしたね。失礼しました。
    展覧会と行列は当分遠慮したいところですが、お寺の門(シャッター)を
    締めてまたいつもの人口密度の低い墓場歩きに出たいと思います。