特別な法縁 蓮如さんのお立ち寄り 四十九院唯念寺

暗いご時世となりました。

毎日更新されるオミクロンの新規感染者の数もそうですが、やはり先般大阪で起こったクリニックの放火道連れ自殺の件が不安な世の中にいて一層の気味の悪さを感じさせます。

報道によればその犯行に至った人は2度役所に訪れて生活保護申請について問い合わせたそうですが最後に「もう、いいよ」という捨て台詞を吐いて去ったとのこと。

 

ということは他にも色々な(家族?)問題もあったようですがあの自暴自棄に至った直接の原因を考えると「生活困窮」が大いにその心情を探るに一番近いところかと。

その人の通帳も貯蓄は底をついていたといいますからね。

よく「お役所仕事」とは言いますが、紋切り型の対応で「難しい、できない」の門前払い風を想像してしまいます。

恣意的道徳観念まで振りかざして「まだ若いのだから仕事を探して・・・」「まず働け」の親身ではない対応だったことがその「もう、いいよ」の弁から窺えます。

 

住民税の支払い猶予などもそうですが、不動産を所有していたとしても生活保護申請の方法はあるようです。

多少の遠回りと手続きの煩雑もあるとは思いますが、「まず拒絶」ではなくその人の窮状を聞いていかなくてはね

 

その報道では彼の話をよく聞いて対応ができていたら・・・あの事件は起きなかったかも・・・と。

 

お役所仕事というものがあるのなら、まず直接窓口に申請するのではなく相談すべきは「生活困窮者自立支援制度」というものがあるようです。そちらでの対応について私は知りませんが。とにかく一人で悶々と悩んで沈み込むのではなく相談していただきたいものです。

 

おカネの悩みは何よりも辛いことですからね。

 

さて、四十九院唯念寺の続き。

このお寺が長く続いた天台宗(その前は法相宗)から真宗に改宗したのが實如さんのとき(本願寺9代)となりますが、實如さんも父の蓮如さんにならって諸国行脚し門信徒育成教化に励みますが、湖東のこのお寺には東海方向への往復に逗留しています。

真宗改宗の際(永正三年)にはお寺に宗祖の木造を下附しています。

 

そのような別格的流れなのでしょう、当流には「蓮如上人御影道中」(真宗大谷派吉崎別院にて毎年4月23日から5月2日まで勤められる蓮如上人御忌法要に際して本山東本願寺にある上人御影を御櫃に収め、さらに御輿に載せて、吉崎別院までの間を往復徒歩でお運びする仏事)があります。その行程にこちらの四十九院にも立ち寄っているようです。

そもそもその永正三年といえば当流は越前朝倉と泥沼の戦闘状態にあって吉崎御坊は破壊されていますので江戸期に入ってから再興後の仏事ではありますが。

江戸時代になってから東西二つの御坊が設立されてからのことでその行列の開始については諸説あるようです。

 

ちなみに4月17日に本山出立、往路は湖西経路で23日に吉崎到着5月2日までの十昼夜にわたって法要。そして復路は湖東の通過、9日に本願寺に帰着するというもの。

途中、ゆかりの寺院や民家に立ち寄っての法縁が催されるのですが唯念寺には5月7日の夕刻に「お立ち寄り」があるそうです。

 

画像は唯念寺門前の恵林寺(やはり真宗大谷派)の掲示板。

そして先日記した聖武天皇と後光厳天皇の寿牌。