災難に逢う時節には災難に逢うがよく候 入院即退院

 

最近奥方と「人はどこで死ぬか」「死にたいか」について話したことがあり

ます。

「病院」というのが当たり前、戦場に駆り出されているのではありません

からね。

先日も記した通り、介護施設入所して「その時」を迎えるにあたり余計

な延命処置をとらないと誓約書にサインしたとしてもまず、急変には救

急車がお迎えに来ます。

 

奥方の親族の場合は首都圏にたくさんの病院があって病状等その流

れで終末を迎えるというもので病院もまちまちです。

しかし当家の場合は祖父母父母とも榛原病院での臨終、私もきっと

そちらにてお世話になることになります。

中には当地より浜松や静岡あたりの病院に通院している方もおられま

すが私が思うに榛原病院の近くて便利は素晴らしいことだと思います。

家族の対応も早くて、負担も少ない事請け合い。

 

ただし死に場所は選べませんが希望としては「自宅です~っと」でしょう

ね。

診断書は渥美先生に来ていただいて一筆書いてもらえば落着。

まぁそれがベストなのでしょうがそれほどうまくいきません。

最近ベッドに繋がれることの恐怖(脳溢血・心筋梗塞・・・)を記してい

ますが意識が無ければそれはそれで空しく家族の心痛はいかばかりか

と思うところですが意識があればあったでまた当人にとって辛いことです。

 

昨日はあっという間に時間が経過しました。

それはいつものことではありますが昨日は特に・・・

ちょいとしたヘマをやらかしたことによるゴタゴタでみっともないやら恥ずか

しいやら呆れられるやらでホントは他人様にそれを知られることも憚れ

ることですが、反省を兼ねて記すことにします。

もっとも何故かその連絡網は色々なところに伝わっていました。

 

痛い思いをしましたが色々と体験させていただいた御礼も含めて。

反省点は各ありますが、昨日も普段通りの無茶をしたことが原因です。

その無茶はいつもなら大抵の場合、何とかお許しを頂いて笑って済ま

すことができていましたが昨日のそれはいつもの倍掛けで尚、私の思い

もしない方向に向かってしまいました。

 

私の無茶は周囲からは常軌を逸していると指摘されることが多いので

すが、昨日はいつもと違うテキトーさ加減であきらかなアホ。

それも「ド」がつくほどのものをやらかしました。

リスク承知でその手の仕事をするのでいつも「チャレンジしてくる」と一言

吐いてそれらに対するのですが、なにぶん昨日は降雨を気にして時間

に追われる作業でした。

朝方に雨が降り出したため、一旦は中止ということで庫裏に入りました

が雨はやんで「これならイケる」と一旦片付けた部材を取り出して作業

を再開したのでした。

天気予報では降りだしは夜間だったはずでただのにわか雨だろうとの

楽観です。

 

昨日は本堂の裏から西側裏手に設置した物置に電源を引き込むた

めのケーブル敷設作業をしていました。

墓地裏手にゴミを捨てる不届き者をモニターしようとカメラ用のケーブル

も同時に配線するという算段です。

ケーブルの位置は通行車両を考慮して高めに設定、4m近くあると思

いますがその距離分のケーブルと被覆管の重さはかなりあって途中で

下にたるんでしまいます。

中間地点のたるみをなおそうにも丁度各所にハシゴや植栽用の脚立

を配置していて、上がる術がないことがわかりました。

 

雨が降りだして、一応天に向かって文句を言ったことを覚えています。

「雨は集中力を奪う」でした。

雨の日は作業をしないというのはいつもの決まりですが昨日に限って

「まぁいいか・・・」と続行。

1.5mの脚立をハシゴ状に開いてトップに立ってケーブルを何とかしよう

という策でした。

支えは近くの墓石に失礼して立てさせていただくことにしますが脚立を

直接墓石に掛けられませんので毛布で養生しようと思いました。

しかし雨も降りだしているため近くに転がっている酒ケースをその間に

ハメ込んで積み重ね、墓石を保護することにしました。

「絶対ヤバい」と思いつつです。

ケースを積み重ねてそれに乗るというのも考えましたが結果としてはそち

らの方がまだマシだったかも。

晴れた日ならのんびり鉄管パイプで足場を作るところから始めるのです

がつい「いい加減」をやらかしましたね。またいつもならそちら周辺がパイ

プ置き場になっていてお気軽でしたが、手頃の物が会館前にまだ置き

っ放しになっていましたので。

 

ということで達磨落としの如く酒ケースは崩れ落ち、私は3m下に落下

したのでした。左足を墓石に打ち付けながら。

こういうバカ経験は以前ならよくあることでかつての会社の同僚の場合

も私の場合も「メシ喰やぁ治る」と笑って放置されたものですが、知らな

いうちに奥方は救急車を呼び付けていました。

コロナ禍で大変な時に医療従事者の手を煩わせるなんて・・・叱りつけ

ましたが「仕方ないだろ、死んだかと思った」でした。

記憶にありませんがきっとハデな落ち方をしたのでしょう。

「記憶にありません」と政治屋の皆さんの使用頻度の高い言葉は本来

こういう時に使うのだと合点もしました。

ガラガラガッシャンのあと数分間記憶がそうなんです。

ちなみに下で脚立を押さえていたのは奥方でした。

 

いつもの榛原病院救急外来に運び込まれてスグ点滴と痛み止め。

島田か榛原と言っていましたが車の中で榛原が決まって一安心しまし

た。

痛み止めに関しては左足の大腿部の痛みについて救急車の中での

質問に応えたからでしょう。

点滴用の針を射された際のそれは初めての経験だった私はその射し

こみの痛みでクラクラしてきました。注射とは明らかに違う痛み。

それも看護師の言葉「失敗しちゃった ごめんね」それが何よりキツイ。

「その失敗」については致し方なし。誰にもあることですから。

ただしそれは知らせないでヨシ。知らぬが仏なのに。

気が付けば余計に1か所絆創膏が貼ってありました。なるほどね。

 

そしてまた初めての経験はPCR検査。

鼻からでした。それが聞きしに勝る不快さ。あっという間ではありますが。

入院患者はまず個室に入りますが3日後にもう一度PCRをして安心

を確定させるそうです。

そうしたら大部屋に入れるシステム。鼻づまりを起こしています。

 

私のスグあとに救急車で搬送された方は交通事故が原因でした。

青信号で交差点に入ったら左から車に衝突されてその弾みで対向車

にも衝突したとのこと(カーテンで仕切られていますが聞こえてきます)。

その方は大概の処置をされてレッカー移動に立ち会ったと言われるご主

人とさっさと帰宅していましたが何という幸運だと思わされました。

その状況を聞いていて場合によっては死に至ることは承知しています

から。

私はといえばずっと処置室に寝かされ、奥方は待合室での時間でした

のでそのご夫婦の「さっさと帰宅」には「いいなぁ・・・」。

レントゲン、CT、そして最後に念のためのMRI

経過観察入院とあいなりました。

骨折もなくおかげさまでしたが打撲のためか全身筋肉痛の症状。

寝返りがしんどいのはありますが・・・

 

尚、私の右側面には縦に30㎝ほどの切り傷がありますが(当家では

刀傷と言っています)、それは20年近く前に木から落ちて肋骨を折った

際の枝による外傷。救急車の中でも治療室でも「コレどうしたの?」と。

手術経験の有無についての問診に対して「ありません」の応答をしてい

ましたがそれを訝しく思ったのでしょう。

 

「入院」というのも初めての経験ですが、ハッキリ言って夜が長すぎます。

もはや限界、苦痛以外の何物でもありません。

時折響くアラームにナースコールが静けさの中、聞こえてきますが一番に

気になるのはベッドを自動調節するエアコントロール器?の稼働音。

うるさすぎて止めてしまいました。

 

「落ちたくなければ高い所に上がるな・・・」と友人に言われましたが高

い所に上がれば落ちることは私の方も百も承知。

バカとでも何とも言ってくだされ。私の与えられた仕事です。

境内作業中にそれも如来さんのバックで命を落とすとなればそれはめで

たきこと。

葬式は息子がヤルでしょうし今後の法務は任せてあります。

 

それでも一番恥ずかし・・・と思ったのは「あら住職さん・・・」と病室で看

護師(檀家さんの娘さん)にご挨拶されてしまったこと。

マスクを着けていても「スグにわかった」といいます。

それが「色が黒いから」・・・

いい歳をして恥ずかしい事ばかり。外仕事をしているから「黒い」のであ

ってありがちなゴルフ焼けではないのですが。

今は墓場や山城も歩けていませんし。

 

しかし如来さんの真後ろの出来事で如来さんはじめ諸仏に「お騒がせ」

を切にお詫びしたところです。

まぁ奥方には家と病院の往復をしてもらって頭があがりません。

しかしどうして脚立を支えきれなかったのかまた「突然」だったのかひょっと

して箱を蹴り飛ばしたのかまだ問い詰めていません。

 

 

まぁいろいろある(デニーロのアル・カポネ)です。

とにもかくにもこういう時は「良寛さんの災難」について。

 

「災難に遭う時節には災難に遭うがよく候

        死ぬ時節には死ぬがよく候

               是はこれ災難をのがるる妙法にて候」

 

①救急外来処置室にて。②夕食③朝食④うるさい器械。

 

昨日お調子にのって御前崎市のプレミアム商品券(金額の2倍)を

ゲットした件記しましたがその2万円✖2+αの治療費として飛びました。

愚かでした。

 

 

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コメント: 4
  • #1

    野村庄右衞門幸正 (木曜日, 06 5月 2021 06:42)

    ここは読んでいなかったのでビックリです。大事に至らず良かったです。安全第一で!

    ちなみに僕の妻の従姉妹の旦那さん、つい1週間少し前になりますが、仕事中のフォークリフト作業での事故で死にかけ出血が酷すぎ命を守るための処置として左脚を大腿部から切断という事になりました。

  • #2

    今井一光 (木曜日, 06 5月 2021 10:22)

    ありがとうございます。
    むしろ御親類の件、大変なことです。私のことなど笑って済ませるようなことでした。

  • #3

    野村庄右衞門幸正 (木曜日, 06 5月 2021 12:02)

    いやいや、今井さんのケガも少しのズレで大惨事だと思います。軽症ですんで何よりです。

  • #4

    今井一光 (木曜日, 06 5月 2021 19:29)

    ありがとうございます。
    幸運でした。