磐田の地名「白拍子」 千手の前の墓

水害そのものの発生は一言で「想定外」とカンタンに言われるものですがそこがハザードマップの「浸水想定区域」に指定されるなどしていれば予測が可能だったということで被害にあって初めて気づかされるものです。

 

最近はやたらとそのハザードマップが重宝に語られるようになりました。

そもそもその存在は以前から声高に言われてはいましたがその製作担当各自治体の「温度差」があってなかなかその地元の地形による危険性について公表を躊躇する傾向がありましたね。

また、その公表に「手心」が加えられていやしないか・・・なども気になるところでした。

 

というのはその「地元の地形の危険性」についてマジメに公表したら・・・色々と困る人がいらっしゃるということでしょう。

まずは危険レベルの高い地に今住居や職場を構えている人は不安を増長されるでしょう。

それから不動産屋さん。

投資物件を抱えて、さぁこれから売りまくるぞ !というところにその手のネガティブ状況を発せられたら商売はおじゃんになりかねません。投資金額の回収すらも期待できません。

現住居所有者にとってもそれを売りつけられた、知らなかった、資産価値が下がったと不満も噴出するでしょう。

自治体にとっても人口減少の憂き目に繋がりますしね・・・

 

住居定住の基本というものは安心・安全が専ら中心であってそのあとに快適や利便性などが付いてきますのでイキナリ「危険」ではお話しになりませんね。新規に住まいを求めようという人にとっては「誰が買うか」ということになります。

 

ところが今回の各地水害にあってこれこそが想定外なのだろうと思ったのが水害の死者が「浸水想定区域外」で被災していること。

その理由は各あるにしろハザードマップも結構にイイ加減な想定をしていたということですね。

 

2004~17年のデータでは国内の風水害で「死者・不明者7割が浸水想定区域外」で被災していたそう。「範囲内」は18%「範囲の近く」が16%とのこと。

山あいの中小河川が氾濫した九州北部豪雨の洪水では、「14人のうち12人が範囲外」ということでそうなればハザードマップって無意味? ということになりますね。

 

私が思うにあのハザードマップの主役は「大河中心」なのですね。その大河の支流、小河川流域に関しての浸水想定の指摘は見落としがち。

ところが今回台風の「氾濫」といえば中小河川が主役。そのメカニズムは地形、人為的堰の閉鎖による逆流等色々ですが、その件お上の方で「推定していませんでした」ではお寒いのでは・・・ですね。

 

基本は「フラットな地形」にいたら水害は想定の内。

フラットにない起伏のある地形では土砂崩落のリスクも想定の内。

ブログでも何度か記していますがヤバイと思ったら早めの避難が肝要です。

あと「浸水状況を見に行く」愚行だけはヤメにしなくてはね。コレ男性に多いのですが、嵐の中は家でテレビでも点けてひっくり返っているのが一番。人智を超えた自然の猛威に心配してもはじまりませんからね。私はそんな際、あとから愚痴を言っていましたが。生きていればの煩悩です。

 

さて、「フラットな地形」で大河川+中小河川に囲まれた地といえば先日記した磐田の千手堂周辺など思いつきます。

磐田は古い地名があってその千手堂関連、やはり近くに千手の前の墓がありますがそちらの地名が白拍子(場所はこちら)。

大河のほとりには渡し場と宿場が発達して遊女、白拍子の活躍の場。近くには熊野の長藤がありました。

 

墓石としては熊野のものと異なり笠塔婆。

花頭窓(火燈窓)風彫くぼめの中に文字らしきものはありますが何せ堂の中の格子越し。せめて建立年がわかればと思いますが。古そうには見えませんがどうでしょう。

 

天竜川と太田川の大河の間にある地域で今之浦川にぼう僧川という中小河川に囲まれています。

天竜川の下流部右岸左岸とも昔も今も静岡県内では一番に水害に弱い場所だという感じはありますね。