やっぱり山科といえば蓮如さん 蓮如上人御指図の井

お参りの御門徒さんがこのほど「依頼していた見積の件」金額がわかったと。

都内在住の方ですが、当局よりご自宅ブロック塀への「ご指導」があったということでその撤去と新規フェンス増築の金額が50万円の支出となるようです。

1m1万円程度の期間限定の補助金が出るようですが、突発的支出は痛いものがありますね。

 

実は現在拙寺で工事をお願いしている大工さん(檀家さんです)もその手の依頼が増えていることを言っていました。

その人は大工ですからおそらく木質のフェンスの新規工事で業者違いのブロック塀撤去工事(その場合はいわゆる土建業)の見積依頼をして顧客に提示するそうです。

 

要は通学路に面した住宅地を主に各自治体によってその「御指図」は違ってきますが、倒壊のリスクから学生たちを守ろうという意図です。

これら方向性は以前からあるにはありましたが本格的にその動きになったのは大阪府北部地震で高槻の小学校プールのブロック塀が倒壊して女の子が犠牲になるという痛ましい報道が大々的に報じられた事がきっかけです。

 

それまでといえば「わかっちゃいるがまぁいいか・・・」程度のいい加減でどちらでも真剣に考えていなかったような感がありましたが、あの事案から一気に流れは変わりましたね。

 

考えてみればかつて拙寺には2m以上の大型ブロックを使用した塀、それも鉄筋無しという古いものが建っていましたが2009年8.11震度6弱の「駿河湾沖地震」発生直前に取り壊して新しい築地塀に改めていました。おそらくあの地震で倒壊していたことはまず間違いないところでその幸運とみなさんのご支援に感謝していました。

自身の住まいの一部が他者の命を奪うという可能性があればたとえ微小な確率であっても見逃すわけにはいきませんね。

その手の可能性を考えているとキリがないというのも本音ですが・・・。あれこれ考えると眠れなくなりそうです。

特に境内水屋の裏の井戸は子供が落ちやしないか冷や冷やしています。

蓋で覆っていますが・・・最近は近くの保育園のお散歩で「境内で遊ばせて」などという声も上がっていますので。

 

蓮如さんの耳慣れ雀(「蓮如上人御一代記聞書」の174)の示唆がありますよう、「なぁなぁ」状態に陥ってしまう自分があるからです。「大丈夫だろう」ほど怖いスタンスはないことを自分が一番わかっている筈なのですが・・・

 

さて山科の駅北側の疎水から毘沙門堂通について記しましたがやはり私ども宗旨からいって「山科」といえば山科本願寺、そして蓮如さんです。

ブログでは蓮如さんの居た「南殿」に山科本願寺蓮如さんの廟

そして城塞化した土塁について記しています。

 

その南殿のスグ近くに「蓮如上人御指図の井戸」があります(場所はこちら)。

伝承としてはこの地「音羽の里」にできた初の井戸。

それまではここでは「水が出ない」ということが「あたりまえ」だったとのことですが、蓮如さんが「ここを掘ろう」と杖で指した場所を掘ったら水が湧き出たというもの。

 

どちらの偉人さんもその「水が出た」の不思議な伝承の一つや二つはありますね。

それだけ当時は水の手配に難儀し時に水のために命を懸けた時代が長く続きました。

今は「湯水の如く・・・」じゃぶじゃぶ使用があたり前になり、その「命の代償」を使いまくっている私たちがありました。

 

今、境内井戸の維持、安全は勿論の事、水利を生かせるよう検討しているところです。

覆堂形式にしてしっかりとワイヤーメッシュで口を覆えばOKですね。

私の姓は「今井」。それだけに井戸の有難さを認識しなくてはなりません。