忠臣蔵メンバー勢ぞろい 遺髪塚 山科瑞光院

悪だくみに加担した一同のうち誰かが、「実は本当にあくどいのはあの人です」とすべてを当局に協力、すべてを白状して「私の罪は軽くしてキツイお咎めは無しに」・・・というのが司法取引というものでしょうか。告発大歓迎の風潮。

今回のゴーン容疑者の会社を食い物にした放蕩三昧など、そういった内部からの「ハイ私も関わっていました」の挙手がなげればこれはあまりにも特殊な場所でのこと、まずは表沙汰にはならなかったことでしょうね。

 

「悪いこと」に加担して潮時と思って反省、「やりました」と名乗り出ていただければ「赦し」の果実を享受できるということですね。

それにしてもリストラされ苦渋を飲まされた日産の社員が数多あったことを考えると会社のカネを私的流用するなど彼の王様の振る舞いは元神奈川県人の私としてはあの方の存在はこれまでとは掌を反すが如く嫌悪の人となりましたね。

まぁ今回の件で日産がフランスの企業となる道筋がおそらく絶たれたのではないかということで、胸を撫で下ろしている人もいるでしょうね。

 

どちらにしろ彼の経営手腕の向いた一番はコストカット。まず人件費の削減という大ナタを振るった事は有名でした。

結果的に日本のたくさんの労働者をクビにしたわけですが、結局は自身が会社のカネで豪快な贅沢をしていたということ。

「他者はダメだが自分はイイ」の典型的人間でとんでもない「ふてえ奴」でした。

 

さて、昨日の山科瑞光院のつづき。

司法取引は身の振り方の選択肢として悪くない今風の解決方法ですが、以前ブログで大野九郎兵衛の出奔について記しましたが彼は告発ではなく出奔というカタチで問題を解消させました。まぁあの状況の中致し方なかったかも知れませんね。

 

出奔という意思表示はやはりネガティブ。

その人独りだけの解決方法ですから。かといって大石が皆をそそのかし、「無茶しようとしています」とはお上に告発することは憚られます。

 

かといって後世の演劇等では大評判となる「敵討ち」は成功したものの実行犯にはキツいお咎めがありますからね。

「死んでどうする」の冷静判断もあっていいところ。

 

その瑞光院は浅野稲荷所在の通り忠臣蔵御縁の寺です。

大石良雄が建てた赤穂の浅野長矩の墓に、大石をはじめとする赤穂四十六士の遺髪を埋めた塚が並んでいます。

 

烈婦と称された小野寺十内(京都留守役)の妻、丹(「小野寺十内の妻」吉川英治   青空文庫)の名も。