もてはやされた「悪」 江戸で「佐野」といえば

中央にある政治家と役人というものについて「いかがわしい」職業であることはかねてより感じていましたが昨晩のニュースを見てやはり「そうなんだ」と合点して苦笑させられました。

 

2017年に文科省官房長だった佐野太氏なる人物が同省の私立大学支援事業の対象校に東京医科大学を選定したその見返りに「賄賂」をもらっていたという嫌疑、尤も東京地検に逮捕されていますので、完全に立件明白とされているのでしょう。

「へ~え」ですね。

 

その賄賂(受託収賄)というのが泣かせます。

その便宜を図った東京医科大学に彼の息子を裏口入学(入試点数のかさあげ)させたというもので現金の収受ではなかったこと。それは我が子を医者にさせるために敷いたレールでした。

親が子の将来についてその道筋をつけてあげることは自然であり子を持つ親として同情できますね。

 

しかしそれって卑怯。

お仕事(お給金を貰って)として国民の税金をバラまいてその大学からの返礼をその人個人のみが享受するなんてオカシな話。

大学の方も弱みがあったとはいえ、フェアではありませんね。

役人も学校もこの間の獣医学部(カケ)と同様まともなお頭(道義)は持ち合わせていないのでしょうと今更ながらの野暮を言わせていただきます。

 

であるから汚職と言う言葉があるのですが、まさかその時代劇中の台詞「お前も悪よのお・・・」的露骨な悪役が今も居てその挙句「成敗」(まだ先の事は不明です)されてしまうなどはあまりにも三文芝居、漫画の如くです。

 

気の毒なのはその息子、大学1年生の佐野クン。

親の敷いたレールでその本意は如何と思う所ありますが、もはや退学は必至でしょうね。しかしながら他の人たちは真面目に自分の道として勉学に励んでの入学ですから。

先生も医者もお役人も・・・ひょっとして坊さんも?・・・ロクなものじゃありません。世が乱れるワケですね。

 

さて江戸の佐野さんといいますと私のイメージとしては佐野善左衛門政言。上記佐野さんとの関わりは知りません。勝手な連想です。まぁ「栃木県出身です」などといえば話はかわりましょうが。

 

私が想う佐野さんとくれば相良の敵(かたき)でした。

江戸城中の刃傷事件でお馴染み、若年寄田沼意知を惨殺した人ですね。

当然にしてそのご乱心は切腹、御家断絶の御沙汰と相成りますが、田沼政治を一掃したというその「栄誉」から「世直し大明神」などと囃された人でした。

刃傷に至った理由がハッキリしないうえ、後先考えない無謀は何か後ろ盾や洗脳があったのかも知れません。

 

この件、相良人の私から言わせていただければ今風に言えば松平定信のフェイクニュース(「世直し大明神」)でしょう。

彼がどれだけネガティブキャンペーンを行ったか推察できますね。それが「相良海老」という書物でした。

 

画像は先日行った国立博物館の真裏の伝統芸能情報館。

本館では中村時蔵の「日本振袖始」が。私の時蔵といえば舞鶴殿(当家のクロネコの名)ですが今回は寝不足につきお芝居観劇はパスして「裏」へ廻りました。

「悪」がテーマです。

その「心」(テーマの)は一言で「人の心」でしょう(亜+心)。

当流一流の指針でもあります(悪人正機)。

各所でその字が躍っていますね。

 

お国中央でその体たらくですから末端庶民に向かってとやかく言えません。勿論私も文句なし(とはいえグダグタと)。

ただし責任の方はしっかりとお取りになってくださいまし。

子供が見ています。