啓蟄前日温暖中の贅沢 菊之助親子と中村鴈治郎

啓蟄と、名実ともに春。

この数日来夜間本堂に行けば白い蛾が舞い込むようになって「これは気の早い・・・」とは思っていましたが。

また寒い日が戻りはしましょうがこう暖かい日が続けばこっちのもの、ひときわ寒かった冬を乗り越えることができて上出来・満足・大丈夫・仕合わせ・・・の感溢れ出ます。

齢を重ねたということでもありましょう。危うい候を越したという奇特をも感じるようになりました。

 

昨日は「嵐」との予報の中、東京は青山通りのドン突き、三宅坂の芝居小屋(国立劇場)へ。昨年6月以来の新幹線。

と言っても私どもが滞留していた時間帯は終了後に小雨程度はありましたが不都合なし。気温も温かく外はトレーナー。館内は半袖シャツでOKでした。

有楽町から江戸城外周1/3程度をブラブラと徒歩で向かいましたがおかげさまで午前中は雨らしきものはありませんでしたね。

 

帰りは新幹線で静岡に到着してから在来線にて金谷まで行く予定。息子にお迎えしてもらう算段でした(行きはその逆)。

しかし強風のため「金谷-島田間は運転見合わせ」ということで静岡駅よりバスにて帰宅しました。一瞬間、焦りましたが・・・

 

芝居の方は前列三列目で花道の下という妙。

花道が近すぎて後ろを振り返るのがちょいと難儀な位置ではありますが、役者が立ち止まったり行ったり来たり、見上げれば目が合いそうな場所。

 

そして舞台での本日の一番は髪結新三の初役3日目の尾上菊之助のカッコよさもそうですが彼の長男の寺嶋和史(4さい)が私の5mもない目の前でセリフと見栄をきったというところ。

客席からは「カワイイ」の声も。

菊之助親子はまさに「オバさん殺し」の感。

歳を取ると厄介になるとは他人事ではありませんが、この日最大に「まいった!」と思ったのが私の真後ろの着物にて来場していた年配の方。お互いに着てきた着物を褒め合っていました。たしか生まれは「昭和12年」と聞こえました。

 

お元気でよろしいことではありますが、左右にその方のお友達が来ていておしゃべりがうるさいのなんの。

後ろの方からの「セリフ」が耳に入ってしまうことと「強烈 !」と閉口したのは私の背中に「ゴホゴホ」・・・だったこと。

芝居中、「咳」という雑音は困りものですが、その人はずっとわたしの耳元で・・・。持参したマスクを掛けたほどでした。

その雑音いろいろは舞台のセリフが聞こえなくなるほどでつい前かがみになってしまうほど。隣の奥方に「それはマナー違反」と諫められる始末。

 

一番イラついてしまったのは、「大判焼きまだ温かいよ」と言いながら周囲に配ろうと紙袋をゴソゴソ。

挙句芝居も終盤になったときにはイビキさえ聞こえてきました。

ちなみに「新三」のクライマックスの見どころと言えば家主長兵衛の幕ですがアレを見落として居眠りじゃあやれやれですね。

 

どうやってキレイに齢をとろうか・・・ここでもテーマを与えられてしまいました。

 

お上りさんはついこういう画像⑥を撮りたくなってしまいます。京浜東北線からの図。

夜間のその地は風雨激しい様子を伝えていました。

 

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コメント: 2
  • #1

    小山昭治 (火曜日, 06 3月 2018 09:13)

    私は好きですね。こんなおばちゃん。
    歌舞伎もよく知らないのについつい誘いに乗ってきてしまった。
    窮屈な席に座らせられて、来なきゃあいいのにね。
    つきあいが大事な人ですね。
    まあ許してやって下さい。

  • #2

    今井 一光 (火曜日, 06 3月 2018 19:40)

    ありがとうございます。
    この方はちゃきちゃきの菊五郎ファンのよう。
    「つぶやき」も舞台に聞こえるように吐く確信的なもの。
    「うるさい」などと指摘しようものなら私のような小僧っ子は蹴散らかされますね。
    非常識の数々・・・といえばそうですが、それを言っちゃあおしまいというもので
    その「おばさん」からすれば古くからの観劇スタイル。
    しょうがないですね。
    自分はそうならないよう歳をとるというお勉強。