損料物の振袖で そらごとたわごと 真逆の皮肉 

大晦日以来の雨で「イイお湿り」といった一日でした。

インフルエンザの連鎖の声も聞こえて、油断のならない季節にはこういう天気も必要でした。

ついつい私の本音としては晴れの日が一番は言うまでもないというところですが・・・

 

まぁ昨日の天気は雨でしたが実はハレの日、いわゆる成人の日ということで色々な場所で式典があったようです。

一昔前、私どもが首都圏に生活を置いていた頃を思い出しますがその日にはここやかしこに振袖姿のお嬢さんを見たものですが昨日は一人も目に入らず。

午後からは焼津あたりでブラついていたのですが。

 

ニュースで報じられていましたが少子化を因とするのか新成人は外国人が増えているということ。新宿区などは約半分が外国人だったといいます。

その中で驚いたニュースといえば「ハレの振袖」がおじゃんになったという件。その名も「はれのひ」といわれる着物のレンタルや販売をする業者(一昔前の呉服屋)が「打っ手繰り」(ぶったくり)をやらかしたといいます。

「ひでぇ事をしやがる」と思わず口に出してしまいましたが「ハレ」は天気とは違ってそうはないものですからね。

気の毒なのはお嬢さん方でしたが、それを察した無関係の人たちがボランティアで何とかしようと奔走している姿はせめてものすくいでした。

 

「時代も変わったものだ」と感じたのは昔から「強請(ゆすり)かたり」や「夜働き」で金を奪われるのは「呉服屋」というのが定番でしたからね。時代劇では必ずといって出て来る商い。

「青砥稿花紅彩画」(白浪五人男)の浜松屋も呉服屋でした。

損料もの(レンタルもの)の振袖を着込んだ女に化けた弁天小僧と南郷がかたりで百両稼ごうと店先でゴロつく場面を思います。それがどうです?呉服屋が語って素人衆からカネを奪う。

呆れたというか苦笑すべきこと。まったくその逆転に唸らさせられました。

内実はこれから解明されていくでしょう。

 

①画像は以前の小田原正恩寺の掲示板から。

有名な歎異鈔の一文。

 「火宅無常の世界は よろずのこと みなもって

      そらごと たわごと まことあること無きに

             ただ念仏のみぞ まことにておはします」

 

釈迦のいう「諸行無常」をわかりやすく尻に火が付くほどの危急ということを訴えたものでしょうが(火宅とは住まい、軒先に火がかかっている様子)それでいても私たちはその一大事を「わかっちゃいないもの」。

呉服屋が素人を騙す事とは少々違いますがその「よろず そらごと たわごと」の箇所がどうしても「なるほど」と思ってしまいます。

 

②以降は外にいるチビ黒。人に抱かれるほどに慣れました。

里親募集しています。

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コメント: 2
  • #1

    小山昭治 (火曜日, 09 1月 2018 09:39)

    今では晴れの日に和服を着て成人式を祝うのは当然になりました。
    そんな中 私が成人式であった子は、お母さんのお下がりを着ていました。
    正式には履いていました。
    歩き方がおかしい子が車を降りて歩いていたので「どうしたの・」と聞くと
    草履の底が剥がれていました。そこで式場の事務所で粘着テープを借りて
    応急にくっつけました。「お母さんのお古だから・・」と言って明るく答えました。
    お古を気にする様子もなく「すいませんでした。ありがとうございます。」と言って式場へ入っていきました。車で送ってきた父親も「大丈夫か}と言って帰りました。

    いい子に会いました。

    成人式は昨年と違っておとなしく整然と行われました。
    騒がしかった去年の式が嘘のようでした。

  • #2

    今井 一光 (火曜日, 09 1月 2018 11:06)

    ありがとうございます。
    当地でも華やかな場所があったということですね。
    私の現在は少々特殊ですがその「窮屈袋」はすべておさがりです。
    さすがに履物だけは更新していますが。
    それにしても昨年の成人式が荒れていたとは。