「おつやの方」を忘ること勿れ  女城主岩村城

急激に暖かくなって一息ついた感の昨日でした。

しかしイイ加減あの大統領の言葉を聞くのも飽きたというか冷え冷えしてきます。

あの調子でうまくいくとは思えませんが。

 

先日も記しましたが、奇をてらったようなことを発することばかりで「聞く耳がない」愚の典型です。

言葉やネットでの書き込みでの大風呂敷~大抵は無根拠か荒唐無稽~は人の目を惹きますが、大衆はしばしばこういう人物を頂きに据えようという試みをしてきたというのも歴史でした。

 

TPPの破棄については「面白い」とは思いましたがその他排他的「自国一番主義」は辟易とします。

もっともこの国日本も一昔前は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」なる語や書籍がもてはやされていましたが。

真顔になってそれにおべっかを使って追随しようとする各国首脳の姿勢ももはや道化の如し。これから4年間が思いやられます。

 

国境に塀を作るとの断言について。

その経費についてもバカバカしくて失笑モノです。

20%の関税の皮算用を披露していましたが、その値上げ分は購入者側、すなわち米国民に跳ね返ってくることは私の弱いお頭でもわかること。それともインフレ目標の裏返し?

 

何よりそんなに跳ね上がった価格をそれまで通りに国民が購入し続けるかどうかも疑問です(税収の減少)。

また自国産業育成が狙いと言っても早々間に合うものは少ないかと。

 

遮蔽物の相手側対応としては密かに国境にトンネルを掘ってそれを商売にすることを考えるでしょうに。人の流れを止めることができないことは一番自身が承知しているはずですね(大衆の盲目的投票行動)。

 

昨日の三回忌の法事で「次の七回忌には・・・」などと軽口を叩いた事についてお詫びしたのではありますが、これはこれから4年間私が無事にいられる事を大前提にした高慢ちきな発言だったからです。

坊さんというものは軽々しく「明るい未来」についての希望を表するものではないという発想からです。

「朝には紅顔、夕には白骨」でお馴染みの御文さま「五帖-16」を拝読した直後だったということもあります。

 

今人騒がせにしている皆さん「4年間」自分の命があるだけで御の字であることをたまには感じてほしいものです。

「何が起こるかわからない」の一番はまず己の身からですね。

その身であっていったい何ができることやら。

 

大統領様の仰っている事を見ていると思い浮かぶはイソップ物語の「北風と太陽」。

日本風の4文字熟語で記せば「一張一弛」でしょうか・・・?

元は琴などの弦を張ったり弛めたりして音色を変化させることから・・・人への接し方の妙を表した言葉だそうです。「琴線」とは「人の心」を表す意にも使いましたね。

 

イソップ物語は西洋社会の根底に流れる道徳と教訓が詰まったお話ですが、「北風と太陽」はその中でも「一番」に知れ渡ったもの。私たち東洋の隅っこに住まう者でさえも存じ上げるところですから。

西欧人であるならひとしお心に響くお話だと思います。

 

私はその大切な教訓を生かしていただければと思うばかりです。「北風と締め付け」は大きなしっぺ返しをも予測できる昨今ですから。

怒りと憎しみを惹起する対外施策に明るい未来など考えられません。

 

さて、先日は檀家さんと「井伊谷大繁盛」の話になった際、「岩村は地団太?」の話が出ました。

大河ドラマのタイトルが「『女城主』直虎」ですからね。

思いがけない大河ドラマ採用で「棚からぼた餅」の遠州ですが、そもそもその「女城主」の言葉で売り出し中だったのは岩村城の「おつやさん」。

おそらくあの城下でその名を知らぬ人は居ないのでは・・・

 

それに対して先日見た地元放送局のインタビューでは地元浜松、それも井伊谷城の直下であっても、龍潭寺のお土産屋さんでも皆一同かつては「知ら~ん」でしたから。

どう転んでどうなるかなどは全く予想が付きません。世の流れは・・・

 

「こりゃあ結構恨まれてるね」という会話の閉めでしたが、遠州直虎ブームでお調子にのっている私たちはその本家「女城主」への思いをも深めていただきたいものです。

彼女を昔から応援してきた人々も。

直虎は苦労を重ねたうえのいわば成功者、おつやの方といえばだまし討ちの「逆さ磔」という結末でした。

 

この町をブラついて気が付くことは、商いをおこなっているだろう構えにはまず暖簾が掛かっています。

またそれには必ず女性の名が記されています。

この町の一つの気構えとアピールなのですが、売り物が「女城主」だけにその店の女将さんの名を記すという習いです。

 

ちなみに時折、酒造「女城主」から便りがきますが、お邪魔したときに住所氏名を記したからです。

奥の墓道氏接待用に時折仕入れさせていただいています。

また丁度この時期に岩村に行って冬の山城に懲りた事を思い出しますね。本日は盛夏の頃の岩村城の画像になります。

緑の温かみからホッとする思いがします。