よみがえる文化財―文化財の保存と技術の伝承

少々大袈裟な表現ですが、この秋の長雨、次から次に発生する台風+秋雨前線の連携による地理的偶然でしょうが、「前代未聞」と思います。

梅雨の2倍を思わせるその「雨期」の長さと何より高温湿潤による不快さを伴います。

朝晩は気温が低い時もありますので油断は禁物で体調管理には余計に気を使いますね。

私は寝ている間に口を開けず鼻呼吸を強制するよう絆創膏を口に貼って休む習慣に戻しています。勿論喉にはタオルを巻いて寝るよう心がけますが、時にいつもの季節と違って無茶苦茶暑いのです。冬場にある程度の温かさを分散して欲しいのですが・・・

自然というものは人の思いとは裏腹になりますね。

 

昨日は晴れたり雨だったり猫の目のようにコロコロ変わる天気でした。

檀家さんからイチジク畑に今年の残りを取りに行くからとお誘いを受けて同行させていただきました。

脱サラしてイチジク農家になったそうですが、色々と愚痴をお聞きしました。そちらの農家ではイチジクの出荷と成長を期待するために温室にて育てていますが、昨日の小雨交じりであっても温室内は高温多湿、真夏はいったいどうなるのだろうと興味本位に聞けば「常時40℃超えで繁忙期は体力的限界に達する」とのこと。

 

「摘果、チェック、詰め合わせ、出荷納品」の段取となるそうですがイチジクは熟れると夏だけにより傷みやすいためすべての行程が「スピードが命」だそうです。よって果実をつける夏季は早朝から深夜までの過酷な仕事となるとのこと。

ご主人は当初、イチゴをやるかイチジクにするかを相当悩んだそうですが、今思えば「イチゴ」の方が断然よかったと。

何よりもイチゴなら季節が冬場でのんびり、好環境で栽培ができ利益率も高かったと仰っていました。

「耐力・体力、もってあと5年」という言葉にその労力と困難の程が表れていて、精魂込めて育てられたイチジクを「季節終了の摘果処分」とはいえ「タダで戴ける」という言葉にのこのことついて行った自身の躰を恥じ入りました。

 

さて、伊殿財団(伊豆屋伝八文化振興財団)より特別展開催の案内が届きました。伊殿財団からはかつて拙寺丸尾月嶂」(襖裏側)の襖絵8枚の修理費用の助成をいただきました。

静岡県内の文化財の維持修復に尽力いただいている組織ですが、このほど表記の如く「よみがえる文化財」と題して、これまで財団が手掛けた文化財を集めた展示会開催のお報せでした。

 

場所は清水港の「フェルケール博物館」です。

 

前期:10月8日  (土)~11月13日(日)

後期:11月17日 (木)~12月11日(日)

 

拙寺の障壁画の展示はありませんがご興味のある方は博物館サイト参考の上清水湊へGO!

 

私の興味ある講座は・・・

「福田行誡(ふくだ ぎょうかい)と廃仏毀釈

          ~仏教福祉、文化財に関連して~」

  鈴木基之氏   11月26日(土)13時30分~15時00分

 

午前中に法事が入っていますが当日お斉のお誘いがなく11時30分くらいまでに終了すれば清水まで東名高速をぶっ飛ばします。

 

私の「維新」嫌いの理由、その最たる愚策「廃仏毀釈」に抵抗した浄土宗のお坊さんが福田行誡という人でした。