現JR奈良線「稲荷」は東海道線? ランプ小屋

私の小中学校時代は小田原で過ごしていたため、近隣には色々な電車が通っていました。新幹線はじめ東海道線が主。他に小田急線、箱根登山線に強羅に上がればケーブルカー。そして大雄山線、国府津に出れば御殿場線ですね。

最近では一心不乱に鉄道を追いかける人たちが増えていて、それを「てっちゃん」と呼ぶそうですが、当時でも周囲には暗記した各駅名を披露したり時刻表とカメラを片手にブルートレインを待つ子供はいました。

 

私といえばどんなに多様な車両が近くで見ることができても、「そちら」の方向へ興味は一切わきませんでした。

それよりもカンタンに軌道内に入ることができたことから、今では絶対に考えられないことですが、中一の時に「トンネル抜け勝負」をしたことを覚えています。要は電車が来ないうちにダッシュでトンネルを抜けるというものです。

 

高圧電線の「ブ―」という唸りをあげているのが気持ち悪かったことが印象的でした(電車が来たとしたら側壁に設置されている退避スペースに入るという算段)。

危険で論外、バカバカしいことはありますが、子供の頃はそういう遊びは周囲にゴロゴロ転がっていました。

誰かが何か言いだすとその止め役が不在のために過度に無茶な事をやったものでした。言い出しっぺのH君が枕木で転んでケガをしてからその遊びは影を潜めましたが・・・

 

そういう意味からすると、電車が走っていない駿遠地区の海側は「子供の遊び」という観点からすると親が安心していられる場所です。

 

何といっても「自動車に注意して遊びなさい」という忠告だけですみますから。

踏切や線路、そして「トンネルには入ってはいけません、線路に石は置いたり、電車に石を投げてはいけません。高圧電線に気をつけなさい・・・等々」余計な心配をしなくてもすみます。

 

私が小6の時に線路にニクロム線を垂らして誤って感電して亡くなった子供がいたことは以前記したと思います。

ちょっとしたイタズラもミスも他者や自分にとって致命的な事象に繋がる要因が地域に控えているということです。

 

電車が走っていないということを時として「田舎である」と卑下、嘆いたりしますがそれが無いことによって踏切事故や飛び込み自殺は「絶対に無い」と言い切れるのです。

都会での心神耗弱(時として同情同伴)による自殺者の多くは電車の往来を利用しますね。突発的にそれを連想してしまうのかもしれませんが。

 

先日も悲しい事案がありました。

アレを「利用」することで瞬時に回答が得られるということを期待するのかやはり病的状況に陥ってそれを実践する人は往々に電車をその道具として使用することが多いですね。

よってその「軌道」(線路)が無いということは彼らからその選択肢を奪うということになって、必然的に頭を冷やす時間を得られることになります。

電車は「無いなら無いでイイにはイイ」かも知れません。

 

これも私の持論ですが、電車の飛び込み自殺ほど他者を困惑させるものはありません。

もっともそういう冷静に考えるという状況にはないといえばそうかも知れませんが、「あなたの飛び込み」によってどれだけたくさんの人々の手を煩わして、人々の時間を奪うのかをあと少しだけ考えていただきたいですね。

 

大学時代に聞いた都市伝説ともなっていますが、確か祖師谷大蔵か千歳船橋あたり・・・立ち食いそば屋でそれをすすっていると電車の通過とともに肉片が「ちゃぽん」と飛び込んできたなどという話を聞いたものです。

そば一杯の代償もそうですが、誰が「バラバラになったあなた」を回収し、その間待たされる人々の遅延と各都合の数々をいかに弁済していこうというのでしょう。

 

坊主なのだから「生かされているいのちの重大意義」を説けと言われそうですが、それはもはや「当たり前」のこと。

今の世の人は頭の中が「合理性」を主に走る傾向がありますので「社会の不合理」に繋がる「あなたの死」という切り口から・・・の試行です。

その合理性は「ショートカット」と「瞬時の回答・解答」を得ようとし、結論を幸福指向蔓延の世にあって「私は不幸である」との即断をしてしまうというところにあると思います。

 

ハッキリ言って世に流布している「幸・不幸」の概念ほどデタラメなモノはありません。その手の文言や文字列を目にしたら、眉に唾して間を置く余裕というものが必要ですよ。

あなたの価値はそういう物差しの上に置くことができないほど、大きなものなのです。個々によってその活躍の土俵があるのにもかかわらず、なぜにして他者の土俵の上に上がってあなたが頭を悩ますのでしょう。

 

画像は伏見駅前の煉瓦造りのランプ小屋(場所はここ)。

ランプの燃料置き場ですから危険物保管場所ということ。

不燃で頑丈な煉瓦製になっていますが、この手の施設では日本で最古のものとのこと。

石峰寺に向かうには深草墓園入口の前を通りますがその付近には古い墓石が並んでいる場所がありました。