坊さんの「ありがとう」に違和感ある?

昨朝早くの雷雨に叩き起こされて、2度寝。

前線の通過は無かったようですがまさに「春雷」。あれだけの近隣落雷を思わせるような酷い雷だと家中のネコどももパニックを起こして、錯乱して無意味に走り回って、それらが発生する音でもまともに横になってはいられませんでした。

特に、背の高い本堂への落雷を想像すると気分がイイものではありませんね。

これは先日、私は初めてお目にかかったのですが、相良史料館にて大江方面から波津方向を撮影した大正時代の画像に拙寺本堂が映っていて、「当寺相良で一番高い建物」と付してありましたが、時代を経ても高い建物であることは違いなく、かなり雷は落ちやすいことは決まっています。

本堂にもし直撃したとすれば先ほど来の音は「まぁ、こんなものじゃあないな」などと勝手に推測し布団の中へ。

おかげさまで本堂等何事もありませんでした。

 

遅い起床になってしまいましたが、昼前から諏訪原城の御案内に。相良にお住まいの檀家さんご夫婦で諏訪原城は初めてと。事前に以前撮った「ニホンカモシカ」の画像を「運が良ければ・・・」のニュアンスを含めて見てもらっていました。

朝方の雷雨は嘘のように晴れ間が出ていい気分になって城址の説明をしながら本丸址へ。すると驚いたことにまたもあの影が・・・凝視すれば先日のものより二回り以上小振りの個体。

 

ということは・・・家族? 乳離れして単独行動をしだしたというところでしょうか。「解説」に夢中で撮影しなかったことを後悔していますが、皆さん感動してくれていました。

皆さんというのはたまたま近所の犬の散歩で訪れていた家族連れがその時、近くに。

「しょっちゅうここには来るがあんなの初めて見た」と。

今月、当地奥まで入ったのは2度目ですが、続けて違う個体に出くわしていますからすごい確率ですね。

 

違うご夫婦から「諏訪原城案内」を承っていますのでその時も是非に現れていただきたいものです。

彼らはそもそも山の斜面を好んで生息するものですが、本丸内堀を縦横無尽に駆けていました。それでも人を見かけて脱兎のごとく走り去るという姿ではありませんね。

 

諏訪原城は「ニホンカモシカのふる里」これは密かに断言したいですね。今一つ秘密を公表しましょう。この城の本丸入ってスグに立つ「孤高のヤマザクラ」昨日1分咲きでした。

一週間程度たったら晴れの日に弁当とシートを持ってここへ来る予定です。画像はそれまでお待ちください。

 

さて、画像①は拙寺カレンダーの3月の標語。いい言葉です。

先日法事の後で施主と参列者に向かって「御参集ありがとうございました」と頭を下げるとどこからか「ありがとうって・・・」と「え?」といわんばかりの小声ながらその反応を耳にしました。

 

私は、常々「ありがとうございます」は口癖のように出てきてしまうのですが、この癖は、沖縄時代に油谷氏から「うつされ」てから意識的から自然にと変わって身に付いたものです。

ご商売の方が店舗等で金品の交換に際しての形式的お礼の言葉と解釈されている方がまだまだ多いようでそちらの方は一般的ではあります。

特にご年配の方にその傾向が強いようですが「ああそうなのだな」と思ってはいるものの「言葉を間違って呆れられている」と思うと少々溜息も出るものです。

 

要は「独りよがり」との評価は致し方ないところですが、「ありがとう」についてはブログでも既出ですが、

枕草子72段「ありがたきもの」の方ですね。「なかなか滅多にはおめにかかれない」「なるほどそういうことあるね」といったことが羅列されていますが、基本「有り難し」=「有ることが難しいことだ」ということですね。

 

お布施というカタチはで承る金員はありますが、坊さんの「ありがとうございます」はその対価としての謝意ではなくて「このように仏縁にはお遇いすることが難しいのに」「今私や皆さんが稀にも生まれ出たこの世でそれぞれがこの場に同座し、仏縁法縁を遂げることができた」ことへの感謝を一言で「ありがとう」と締めているということとお思いになっていただきたいですね。

そういう誤解もありますが、私はその語から離れることはできません。

「ありがとう」の真逆は「あたりまえ」とよく言いますが、すべてのことに「ありがとう」の気持ちであたるというスタンスこそ社会規範だと思います。その逆「あたりまえ」は自己本位の社会崩壊の合言葉とも考えられますから。

 

「あたりまえ」は「当然」の語であり、それこそが「自然」と解釈できるのだと考える一方、「自然」とは偶然性希少性の連続であってそれに対して真摯に感謝する心も「ありがとう」です。私は「偶然性希少性」の方「有り難し」に特に感動します。

ということで昨日は「ありがとうカモシカさん」でした。

あとの3つの画像は三河別院御内陣。