蜂の巣をつついた如く  白紙撤回  「生々流転」 

エンブレムの件、傍から見ていると結構滑稽です。

世間様もそこのところ同様で、もっと「楽しもう」と思ったのかネットの中で不特定多数の人々がパクリ捜査に一斉に協力、取り組んだという結果が今の状況となったようです。ネットは本当に恐ろしい。

 

デザイナーというお仕事は私たちの思考の及ばない不思議な専門的職業?ですが、今回の事で、愚かな大衆をチョイと誤魔化す事くらい「お茶の子さいさい」(朝飯前)という調子で、コッソリ差し替えたり複数の画像を切り貼りしたり、合成したりして新たに「創造」するということが、いかにリスキーで、難しく棲みにくい社会になったかを思い知ったのではないでしょうか。

もはや他者より「イイ仕事だなぁ」と羨ましがられたり揶揄されるような職業ではなくなったようですね。

 

あの方はその世界ではその名が通っていたといい、ある程度の実績(検証によって他にもパクリが散見されているよう・・・)がある人でしたので、逆にあのデザインが表に出さえしなければ余計な事にならなかったというのも皮肉なことです。

目立つことが無ければ、それまで通り順風な仕事と生活がおくれていたことでしょうに。

 

ただし、あれだけ世の中を騒がすことをしでかしておいてネット上のコメントのみで人前から姿を消すというやり方もかなり疑問が残ります。

人としてもう少し真摯な「始末の仕方」があったのかな、と思う次第です。お騒がせの震源となった方ですからね。

 

まともな会社はもはやあの人の事務所にデザイン等を依頼はしないかも知れませんね。かなりの有名人(ネガティブな)になってしまいましたので・・・。

一部笑いのモノ種にまで担ぎ上げられてしまって、改めて人生の流転というものを垣間見たような気がします。

あの絶頂の満面笑顔のポーズと今の状況に時間の差は大してありませんから。

 

「始末」の仕方は大いに誤っていると思います。興味深いのはベルギーの大元は今回の訴訟問題について、「提訴は取下げない」と言っていますね。

実質的に「模倣」の評価が下ってしまった彼(か)のデザイナーさんが「模倣や盗作は断じてしていない」とコメントしたことがまだ尾を引いて終結には至らなかった理由。

 

しかし、このコメントには違和感がありました。

その御自身の見解は、あくまでも主観であり、客観性はまったく無いというか、他者がタッチできない領域の問題。ただの主張。

要は「ウソくさい」という他者の推測、主観が入り込む余地ある言葉で終わったこと。

「やった―やらない」の真実は別として発言が「スキだらけ」なのですね。やっていることすべてが杜撰と言わざるをえないのです。

その世界ではエクスパートかも知れませんが、華々しい世界に居すぎて常識というものが無くなってしまったのかも知れません。

 

コメントの冒頭に「人間として耐えられない限界状況」とも仰っているようですが、私などそれこそ「人間社会」に活動している人とは思えないような自分勝手な心境の吐露のように思えます。理由になっていませんね。

そもそも「限界状況」についてはご自身が演出したことです。あまりにも話がデカくなってしまって非難に翻弄される可哀そうな自分のみの弁明ですね。

世にいう「説明責任」の欠落です。ネットを大いに活用して「飯の種」にしていた方ですのでここに来てネットに追い詰められて泣きを入れるというのも皮肉なことです。

 

ということで元々の訴えは今も尚生きているのです。

もしや「クロ判定」が出たとすれば驚愕の額が提示されてもおかしくないですね。

 

都知事が、「製作したグッズは出来るだけ使用して資金回収したい」と、逸失の挽回を示唆していたようです。

持ち手の付いたロゴ入りの手提げを手にそんなお話をしていましたがこれはリップサービスというより言葉が走り過ぎ。

そもそもロゴ使用の差し止めの提訴が発端ですので、それをやってしまったら元の土俵に戻るということがお判りにならないのでしょうか。

 

それは都庁内で使用するゴミ袋程度にしか使用できないでしょう。「是非欲しい」などという奇特な方がいらしてもそれに価格をつけて販売することなどできるハズもありません。

ロゴの権利についてを問題にされているのですから。

それとも知事さんが言っていたようにネットオークションでさばくつもり?

「白紙撤回」の意味は差し止めの提訴を受けてのことであることは確定的でそれを認証したようなもの。

よって他人様所有のロゴの入った品物を販売したことになり、今度は東京都が訴えられることになります。他人の権利が付属している品物ですから「偽物(ぎぶつ)の販売」です 。

 

また、もし私がそのデザイナーの立場ならば、プライドは捨てて「ごめんなさい」をしますね。真にパクリが無かったとしてもです。

 

この場合、法的に敢えて言えば「商標権」を思い浮かびますが、この手のモノは言葉は悪いですが「早い者勝ち」の世界です。

客観的に見てあのデザインはかなり似ていますね。

提訴元は登録はしていなかったようですが、先に使用していたという実績とネットで公開(相手は世界ということ)されていたという事実が提訴の既成基準そして主張の根拠ですね。

 

ということで「クロ判定になりそう」ということで私が彼の立場で「弁解」するとしたら・・・

①迷惑をおかけしたことへの謝罪

②たまたま同様のデザインとなってしまった(よくあること)

③その後よく検証することなく発表した(事務所のミス)

④撤回を躊躇し長引かせた(周囲からのアドバイス含め)

⑤本当に申し訳なかった 重ねて謝罪     

                ですね。

どう考えても分が悪いのですから「ごめんなさい」なのですがね。パフォーマンスでもいいから私なら菓子折り持参で謝りに出かけますよ。

 

今の彼の立場、状況は客観的に見ても数多な証拠からも、今回の白紙の事実からも喧嘩(法廷)には耐えられないのではないでしょうか。

「意地を張り続けた結果」というものも見てみたいという気持ちもありますが・・・ほどほどに白旗を上げるのが賢明と思います。 

「やった―やらない」の主張は御自身の僅かなプライドの堅持。もう「勝負あり」のレベルだと私は思います。

 

もう一点の興味はスポンサー企業の損害賠償のこと。

「白紙」以降、「おカネが大層消えちゃった」というニュースがありました。よって「責任論」はそこのところに及ぶのです。

この件は良く言うゴロツキが「責任者だせ!」のレベルではないですね。

 

東京都はお金持ちで、納税者都民の皆さんも太っ腹、鷹揚でしょうがスポンサー企業の負債はネックになりましょう。

昨日も記しましたが委員会の度々の「問題ない」宣言によって踊らされたのですから。

 

国家行事なんだから「まぁまぁ」そのくらい「チャラにしてやれよ」とか逆に「つまらないことに目くじら立てるなよ」と怒られそうですが・・・。

そのような太っ腹な意見への期待もあると思いますが、これはムリなんですね。

おエライさんも賠償責任の発生についても触れていました。

 

100%問題になると思います。

スポンサー企業をざっと並べてみれば日本でも指折りの(株)大企業のオンパレード。

そのような会社たちにおいて損失の計上は当たり前のこと。

「販促費の一部」であるなどのドンブリ勘定なんてできません。うやむやになど絶対にならないのです。誰もが知っているからです。社内外での赤字責任の追及があるわけですね。

会社の「赤」の理由と責任(だいたいの方向)が確定的ですからそれを放置することはできず、損金を取り返す作業(請求あるいは訴訟の提起)に必ず着手しなくてはならないのです。「粛々と」でしょうか。

 

もし会社上層部で「いいよ、いいよ」にしてしまったら、「株主代表訴訟の恐怖」が役員たちを襲うことになりますね。

株主の皆さんにはそれをする権利があるのです。

要は「訴えないことを(咎められて)訴えられる」事で「訴えない」ことは「会社の損失を確定させた」こと。責を直接問われてしまうことになります。

 

よって今回の件も「責任者」を探す必要があるワケです。

ということで組織委員会等おエライさんたちは責任の所在をハッキリとはせずに有耶無耶(最初からベールの中に包んでおきたいという傾向)にしたいのです。

名誉と華々しさとおカネのことは大いに享受しますが責任となると逃げたくなるのです。

いずれにせよ毎度の通り「国民の責任」(税金)になることが見えています。

 

ボクたち無関係な傍観者としてはその責任のなすり合いバトルを興味本位に見ているだけですが・・・。

 

「白紙撤回」の宣言はいかにもカッコよくて、最初にそれを発する御当人は気持ちがイイことかも知れませんが、そのあとからかなりの混乱が待ち受けていることも考えてくださいね。

最初の「白紙」、競技場の方も最初に依頼していたデザイナーの方は今のところ静観していますが、ドタキャンの損害賠償請求をキチッとされたとしたらこれまで頭をひねって減額したくらいの額は吹っ飛んでいくと思いますよ。

 

何でもかんでも隠れたところでこっそりやろうとするケチな根性(ドンブリの中身が外から見えないようにして、おこぼれをいただく?という昔ながらの癒着馴れ合いの構図)がこうなるのです。

そして透明性の欠落はそう思われても仕方無いことですね。

以上ド素人の所感でした。

 

画像は掛川城西の麓に建つ「生生流転」の碑。

「逆川」氾濫の歴史を語る看板も建っています。

掛川在住の方々は全否定するでしょうが、掛川の名の大元となった逆川とも「『平将門の首』からに決まってる!!」(上記地図赤線)と信じてやまない私なのですが、この川は掛川城の堀に活用された由緒ある川でもあります。

その逆川が昭和57年9月10日の台風18号の際、氾濫して市内を水浸しにし、それに対応する改修工事がなされたことの顕彰碑です。

先日日曜朝の防災訓練の日のその時間帯のみを狙ったが如くの豪雨は相良本通りを「川」にしたそうです。

 

訓練から帰ってみたら店の中は水浸しと。

相良本通りは西の鉢形山系の丘陵からの雨水が怒涛の如く集結、土地の高さも相良城の堀を埋めた元城町街区の堀跡と並行して走る道になっていますのでもともと土地が低くなっています。そこへ車両が通過するたびに「波」が発生してシャッターの隙間から水が浸入してきたとのこと。

被害に関しては「水深が不足」していて保険の請求も不可だったと、昨日お会いした方は嘆いていました。

 

今回の豪雨に関してはまったくの無防備で土嚢の用意できなかったそう。

本通りの事情、以前からそんな話を耳にしていましたが大変だったよう。

道路を暗渠にして水を逃がすというような抜本的改善策が必要かもしれません。訓練を中止してくれれば対応も少しはできたという声も。

とにもかくにも人生というもの「流転」しまくりますね。