たかが焼芋、されど焼芋 江戸から流布

以前は子供たちが集まれば、「蒸かしイモ」というのがおやつの定番で母親はよくそれを皆に振舞まっていました。

それはどちらの家でも同じでしょうね。

そもそもサツマイモはぜいたくな品でなく安価、庶民の手軽な食べ物でした。


江戸時代初期に琉球から入って九州経由で日本中に流布しました。特に江戸周辺で爆発的に食された食べ物です。

産地としては今も埼玉・千葉周辺が多いようですね。当初は非常食としての栽培を進めたそうですが、米高騰時やもともとコメを主食とすることができない封建社会の底辺にいる人々の主食としても重宝された食品となりました。


当山寺楽市の出し物で「焼き芋屋さん」がありますが、実を言いますと今回、反省点が何点か出てきました。

前回、春の300個完売に気をよくして400個に増やしたことによる大失敗です。売れた数は約250個、終盤は投げ売りでしたし結局売れ残った生のイモはお手伝いの方々に配ってしまいました。ドラム缶も新調していましたのでかなりの損失が出てしまいました。読みが外れましたね。天候に恵まれ気温も下がらなかったということもありましたが・・・


サツマイモは品種改良も日々進んでそのおいしさも進化しています。当山ではこれまで通り、千葉産の「ベニアズマ」を使用していましたが、私も他の品種を試して当初から納得づくでそのイモのみしか頭の中にはありませんでした。


そんな中、今回の焼き芋の売れ行き不調についてのご指摘を受けました。イモの世界は新しいものが出ているようです。

『お客さんは味覚が肥えている。今時「ベニアズマ」では甘い(難しい)。少々値は張るが今は焼き芋といえばコレやアレでしょ。より甘い(まさに)。』と御門徒さんの「イモのエキスパート」にご提供いただいたのが画像②です。
「焼き芋はイモの種類で変わる」というのが持論でした。


左が「安納芋」で右が「クイックスイート」という品種です。

とにかく「喰ってみろ」というので出したばかりの石油ストーブの上にホイルに包んだそれらを載せてみました。

「安納芋」は焼いて真中から切ったその姿は既に「菓子」。「スイートポテト」と言っても過言ではないでしょうね。

値はかなりになるでしょうから100円では販売できませんね。


予算的には検討課題として「クイックスイート」でしょうか。

こちらも甘さは十分です。火の通りが早いので加減が大事になりそうですね。


この世界の進化もすさまじいものがあります。何事もアンテナを張ってご指摘を真摯に受けて改善しないと置いて行かれますね。


私たちのいる社会は後手を踏むとなぜか後ろ指を指されますのでさらに生きにくい。

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コメント: 2
  • #1

    小山昭治 (金曜日, 21 11月 2014 09:43)

    私の芋は、「千葉県 多古」の芋です。
    この時期はガスでの焼き芋専用鍋?で40分かけて
    2個の芋を焼きます。
    私はネッチョリ系の安納芋は苦手で、ホコホコして
    水分がないのが好きです。
    毎日1個の半分ずつを食べています。
    おいしいねー。

  • #2

    今井一光 (金曜日, 21 11月 2014 20:51)

    ありがとうございます。
    私も外チョイ焦げ、中ホクホクのヤツが好きですね。
    バターをつけて食せば最高です。
    安納芋を焼いても洋菓子系の味で昔の味わいがありませんね。
    イモ自体も当たり外れがありそうでまた、人それぞれですね。