所在不明児童  全国2900人はやはり異常

「今時・・・?」という言葉は、まず時代錯誤的感覚に遭遇した際に呟かれる語ですが、厚労省が今年5月1日時点の調査結果を発表しました。

 まさに現在の話ですね。

これは住民票があるにもかかわらず、①乳幼児健診を受けていない②小中学校に通っていない③自治体が家庭訪問などをしても連絡の取れないなどの18歳以下の子どもの数。


 国は「児童虐待防止対策」として今年中に対策を立ち上げると言っています。

この数字を見て即「虐待」と判定するのはやはりどう考えてもそうであって、そして消息不明になるまでの「虐待」とは「いったい何なのか」と考えてしまいますね。

 そのような「看板」を示すには実は根拠があります。

「児童虐待防止法」という昭和8年に制定された法律でした。

 

 ということはそれ以前はそのような人権が無かったというワケで子供の「命」やその後の「人生」のことなどは親や大人の思考内で決定されていたということになります。

ということで現代において標記の数字を見て、「今時!?」と驚かずにはいられないということになるのです。

 

 昨日はお檀家さんの招待で日本舞踊の観賞というご縁をいただきました。華やかな伝統的な衣装に纏った演者の舞いと三味線、太鼓、笛、小鼓、大鼓にボーカル(長唄・・)のライブ演奏に酔いしれ至極の時を過ごさせていただきました。

 

 その日のお目当ての演目は「越後獅子」でした。

特にこちらは三味線と張り合う「変化」と「躍動」の踊りでしょうから、踊り手の熟練とパワーを目の当たりにします。

そもそも「越後獅子」は子供の獅子舞が大元ですから本来は7歳~15歳以下が主ですね。それが後世になって踊りの演目となって普及したものです。

 

 発祥は江戸期、新潟の信濃川沿岸地区で洪水・凶作、飢饉で村の経営が破たんすることを守るために始まったもので、主に江戸や上方で行われた大道芸です。

子供が演ずる芸は流行りものになりますが、この越後獅子は大正時代まであったそうですね。

 

 笛や太鼓が「親方」でそれらに合わせて子供らを踊らせる形となりますので、大きい意味では猿回しの人間版。

親方が貧しい家の子供を僅かなカネで買い集めて稽古させて芸を叩き込んだという歴史がありました。

 

 その日も初舞台という子供の踊りを拝見しましたが、客は子供の初々しい拙さと一所懸命の姿に温かい眼差しを送ります。