国士無双十三面待ち 今風墓碑のご紹介

墓石に関する当流の墓石の形、銘、横書きの可否、可ならその方向についての統一性、または推奨のようなことを活字化すべきであるという提案が当教務所内で起こったことがありますが、その後御門徒様に「あーしろ・こーしろ」ととやかく指示する性質のものでは無いという趣旨からか、その手の声はトーンダウンしてきています。

 

 最近の傾向としてはやはり「地域性」・・・これは当地区でいわゆる「8.11」と呼ばれる駿河湾沖地震で墓石が殆ど倒れてしまったという経験からか、新規で墓碑を建てる場合、横置きの背の低い塔が好まれる様になっています。

また形に関しては、色々な墓所を拝見していますので、故人の趣向や生き方を墓石の形として現わしたものが多く造られていることを承知しています。

特にスポーツ系のグッズを模ったものが圧倒的に多いですね。

 

今回、納骨に立ち会ったのは当山檀家さんのM家分家で地代の山の上の墓地です。

事前に相談を受けたときは苦笑いというか、若干驚きましたが、『とにかく「名号か倶会一処」はどこかに入れて欲しい』というリクエストはしました。

 

 これは故人の遺言とのこと。

ひたすら麻雀を愛し、浄土に行っても麻雀三昧の生活を送りたいという切なる願いだそうです。

 

塔は麻雀牌の「索子」(そうず)の一、一索(いいそう・・・善い葬)です。

麻雀牌の表面の加工もそれらしく手が込んでいますね。

墓碑前面には「国士無双十三面待ち」の本物の牌が取り付けられてこの一索で、「ロン」(アガリ)を表しているそうです。

勿論サイコロ2個も装着。

焼香皿は点棒入れの如くの特注、本物の点棒が詰まっています。花立はシングル、で非対称。これだと生花も半分で済むワケですね。

墓参が楽しくなりそうです。

私は不謹慎ながら読経中に吹き出しそうになりました。