近江巡礼  静岡市美術館

近江(滋賀県)は当山開基今井権七を含めて多くの当山ご門徒さまにご縁のある地です。

さすが、京都を控える街道の要衝だけあって室町以降に爆発的に流布し信仰を集めた真宗寺院(近江門徒)が新規に創設されたり既存寺院を改宗させたりする以前からとても多くの寺社が存在していました。

 

よって近江の地は京都奈良ほどとは言いませんがそれに準ずるほどの仏教文化が繁盛しました。

文化財の件数でいえば国宝が55件で全国5位(①京都②東京③奈良④大坂)、重文が809件で同4位(①東京②京都③奈良)とのこと。

 

どこの自治体も財源不足でひーひー言っているご時世で文化財を保有するということはなかなか苦労がいることなのです。

「滋賀県立琵琶湖文化館」(HP)は滋賀県でも名だたる博物館です。

仏教美術と絵画を中心に1629件(7591点)、県指定以上の文化財は124件2308点で全国6位と豊富な至宝の数々。

 

  他の自治体でも博物館施設の「見直し」政策が取沙汰されている昨今、この琵琶湖文化館もやはりその存続が不可能という事態に陥っているようです。

そういうことで現在2010より閉館中の憂き目にあっているのが実情のようです。勿体無いですね。

 

 膨大な文化財を抱えながら身動きが出来なくなってしまったのは経済至上主義の弊害なのでしょうか。

 

その中で名だたる仏たちや掛軸、屏風が静岡駅前にある葵タワー静岡市美術館に「出稼ぎ」にやって参りました。

国宝が2件に重文25件のお出ましです。

前期と後期に分かれた公開で展示品の入れ替えがあります。

10日は前期(1月20日まで)展示を拝観(仏様ですので)させていただきました。入館料1000円。後期は1月22日~2月11日です。

画像は奈良時代の聖衆来迎寺蔵、重文「薬師如来立像」。

左手の薬壺はいつものポーズですが衣を握る右手に目が行ってしまいました。琵琶湖より出現した薬師との言い伝えがあります。