地震に 津波に 地盤沈下に・・・・そして

東日本大震災を目の当たりにして古い文献に記されていたことに無かった事象について、これからの地震対策において絶対に加味していかなくてはならないことがあります。

 

 それは火災です。阪神大震災に起こった建物の倒壊に伴う地震火災(約7000棟が焼失、500名以上焼死)も十分に恐ろしいことですが、今回の地震で顕著に頻発したのは津波が運んだ火災です。

水が火を運ぶという新たな恐怖とその災害について新たに認識し対応していく必要があります。 

 

 私たちが伺った気仙沼のホテルの従業員の方も地震当日は高台のホテルから一部始終を目撃したそうですが火災の延焼があってさらにホテルから山づたいに避難したとのこと。

漁船燃料の重油タンクが破壊されて1万トン余の油が流れ出ています。

そして宮城県石巻市立門脇小学校(場所はここ)。

この周辺はその「地震+津波+火災」のトリプルで被災した場所です。

火災の延焼面積たるや5.6ヘクタールに及び55名が焼死体で見つかったとのこと。

門脇小学校では校舎に延焼し迫りくる火炎に対して教壇を校舎背後の裏山へ架橋として渡し、30名人以上の脱出に成功させたという話が残ります。

 

 水面に流れ出た油類には直接火が付くことは無いのだそうですが流木、瓦礫類の漂流物がそれらの油を染み込むと簡単に小さな種火で発火するそうです。

津波に耐えて残ったコンクリート製のしっかりした建物周囲には流されてきた瓦礫が堆積して火が付くのです。

 

着火の種火はほとんどが流された車両のバッテリーによるものです。

電気系統のショートによる発火は、クラクションが鳴ったりライトが点いている車両の地震画像を見れば想像がつきます。

 

バッテリー製造会社とそれを装着する自動車会社、沿岸のプロパンガス他大小のガスタンク会社、漁協、石油コンビナート等の石油タンク保有者はその製造、建造、維持のために新たに津波という災害への対応が迫られています。

 

経費の負担が増大する事はわかりますが、そこを改善しなくては今回の震災を生かすことはできません。

もはやこの災害(津波火災)は想定内となりました。

それら対応を怠ることは現代社会における人間の罪悪として俄かに指摘されている「黙過」であり、それが通用する社会を私たちは「看過」してはいけません。

 

①は門脇小学校と避難者が再脱出した裏の丘。

②は小学校近くの本願寺派の称法寺様。

津波で柱と屋根のみが辛うじて残っていました。

流された墓石の設営はボランティアの方々が集まったと聞きます。

④は近くに設営された斎壇。こちらで法要を厳修させていただきました。

⑤⑥は「札幌ラーメン味平」改(津波で流されてしまったため)「石巻やきそば味平」の尾形勝寿氏。店舗跡は④の道路を渡った向かい。がんばっぺ石巻」 に動画あります。

朝日新聞記事の尾形氏。 今、キッチンカーで活動開始。

 

 

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コメント: 2
  • #1

    小山昭治 (月曜日, 19 11月 2012 17:15)

    一体いつになったら復興するのか。
    ただただ政治の力にがっかりするばかり。
    国のカネも個人へはいかない。
    地盤沈下の盛り土も進まない。
    計画ができてないというが
    もうどれだけの時間が過ぎているのか。
    国に対して絶望する。
    この状態は東海地震が来ても同じでしょう。

    こんなことを打破してくれる政治家、政党が
    あるのでしょうか。
    日本の国はいつからこんな体たらくな国に
    なってしまったのか。

    よし 俺が・・・という気もないし。

  • #2

    今井 (月曜日, 19 11月 2012 22:28)

    ありがとうございます。
    仰る通りですね。
    被災者や弱者を食い物にして自らがあからさまに「勝ち組」となろうとする風潮の先頭に立って旗を振っている様を
    見ている気がしてなりません。
    震災の研修会や法要に当初は気が進みませんでしたが
    今は行って良かったと思っています。