晴天も

強烈な寒の戻りというか油断するには気が早すぎます。

また強風につき12日は外仕事は中止。

そこで経済音痴の坊さんの勝手放言です。

さて、先日「強い父親」(強いアメリカ)役のC・イーストウッドについて記させていただきました。そしてアメリカ再生には、フラッグシップであるのは自動車産業でありその復活こそが大筋のシナリオであると感じたものです。

ただし私のイーストウッドへの思いはあくまでも芸術、特に映画の中での彼のキャラクターと彼の映画への関わり方に共感を得られるからです。

まぁ「強いアメリカ」もそうあって欲しいとは思っています。

しかし今この日本国のお偉い人々が異口同音に口にするTPP(環太平洋経済連携協定)加盟~簡単に言えば非関税障壁の撤廃、大坂の陣でいえば内堀の埋たて~に関して、今の指導者の相当の短慮軽率を鵜呑みにしていたら国民はきっと酷い目にあうのではないかと思量しています。 勿論攻め手はアメリカであり籠城方は日本です。

(政治経済のお話について私は特に無知蒙昧で表現がお子様染みていて恐縮です・・・) これはワンちゃんみたいなお顔をして(他人様の顔を云々言える立場でもありませんが)キャンキャン吠えている日本経済界のドン氏が大きく旗を振っていることもあって協定の加盟賛成者多数にのぼることは人口に膾炙しています。そちら側の世界にいる方々の意見が色濃く反映された財界お墨付きの「政治スクール」御出身という「ドジョウ氏」がそのお犬さまに逆に尻尾を振って「不退転」なんぞ言う宗教用語まで持ち出し~特に当宗派で不退とは西方浄土=仏の意です。昔の墓碑銘、法名の下に記されました~さも「重大責任の上にやり遂げる」という勇ましい言葉でもって強行しようという姿が見えています。だいたいこの条約は外交条約で(外交機密という大義もあり)衆院だけで国会審議殆どなし(国民が理解する時間なし)の詐欺的可決の見えたものとも聞きます。「重大責任」のもとと記しましたが「ドジョウ氏」の任期終了以降にその効果が出てきますのでその時は勇ましさは消えて何食わぬ顔の「ドジョウ氏」は何らの責任を取る立場には無いわけでして・・・(消費税上げも原発再開もまた同じ)。「責任」はもともと無いに等しいのですから言葉は使いようです。

 アメリカは自国の自動車を日本で売るために我が国で一番売れている「軽」の規格を廃止させようとしていますね。軽自動車への優遇税制を取っ払って普通車と同じ土俵で戦わせろというのが趣旨ですがトヨタ系のスバル(富士重工)が先日、軽自動車からの撤退を発表しました。軽自動車の売れ行きが伸長している今、「なぜ」と思わせましたがもっと先を見ているのでしょうか? しかし軽が無くなったからといってアメ車に乗るかどうかはわかりませんね。

自動車だけでは無いです。農業は勿論アメリカは以前破綻し国営化したお荷物の保険会社を息をつかせるために日本の金融、保険業界にも力を加えて参入する気構えの様です。アメリカはこういう時はかなり強烈に迫ります。日本の「システム」を変えてやろうと虎視眈々でしょうね。これは関ヶ原以降の家康の考え方とまったく同じと思います。強いアメリカとは再度世界に゛征夷大将軍゛の如くの名のりをあげて君臨することなのでしょう。これがみんなが大好きで容認してきた「グローバル」(堀と壁を撤去する)でした。アメリカの中央集権世界を確立していこうというのならそれも結構でしょう。なぜならそのシステム-中央集権体制-こそが究極の安定世界だからです。そのかわり日本はアメリカと完全な運命共同体の一部となってこれまで以上にすべてが対岸の火事では済まないことになりましょう。まあその安定世界への道のりは遠いでしょう。先日もイランやシリアの制裁に関してそっぽを向いた国がありましたように・・・。

 中央集権に対して地方分権はこれも流行り言葉であります。幕末期の幕藩体制が「維新」という言葉で明治政府という集権国家を作りあげたのに対して昨今その逆(中央から地方)を「維新」と言いだしている人も今の流行りのようです。外圧期待のシステム変化を羨望とする人たちが多くいるのならやはり「関ヶ原以降」というより「1867年以降」という考えが当てはまるのでしょうか。

よもやTPP賛成が「開国」で堀を深くすれば「鎖国」であるとの感覚があるようですがこれも違和感があります。ポジティブとネガティブのイメージがそこで判定されてしまいます。

言葉の妙について考えると今のような沈滞ムードの時節だからこそ勇ましくもトリッキーで良く考えれば意味不明な言葉の羅列であっても短絡的な頭しか持ち合わせていないわれら大衆はコロっと騙されてしまうのでしょうか。

 輸出企業は縮小する日本国内にもはや着眼しておりませんね。それは商売相手の主体は国外であるからです。よってむしろデフレとTPPは大歓迎なのでしょう。空洞化しようが人口が減ろうがなりふり構わず低賃金を求めてアジア友好と称して工場を海外に建てつづけているのはその証拠です。

お寺であってもデフレ、失業率大、空洞化、少子化は「今そこにある危機」なのです(輸出企業にはそれは構わぬことかもしれませんが)。

世界人類が人間として一つであるべきということ、建前はそうありたいと思いますが現実問題としてここは国家間の僅かな内堀は埋めずに残しておきたいところです。というかまず堀の埋戻しありき(加盟賛成)ではなく一つ一つの事例を吟味して公開し私たちがせめて理解する時間をいただきたいものです。地震後の壊滅的被害を受けた地域は農業人口の多い場所でもありますからこのタイミングもかなりの無茶であるといわれています。あのマイナス状況からどう競争力をつけろというのでしょうか。ドジョウ閣下が在任中に何か「名前を残したい」といったところでしょうか。

これで地震に津波の脅しに原発のストレスが重なるならまさにその時は

「城を枕に・・・」です。

そしてデフレ下の増税で(相対の法人税の減があるようです・・・)

さらに、「日本がぶっ壊れるに1票」です。