米大統領予備選

世界で一番盛り上がる選挙が米大統領選。前回の予備選でクリントン氏のオバマ氏に言った言葉「shame on you 直訳-恥を知れ!」は印象的でした。

 

オバマ大統領のお相手を決める共和党予備選では大金持ちのロムニー氏が

一歩リードとのこと。

ここのところのアメリカ経済の沈滞・・・失業率の高止まりによってオバマ大統領の再選は「もう無くなったか」とも思わせた共和党強しへの風向きが変わったのは昨年暮れあたりでしょうか?

そもそもロムニー氏の失言と現状アメリカ自動車業界の復調があります。

日本の震災等競争相手の不振もありましたがGMが販売台数世界一を奪回しました。それはオバマ大統領が3年前に行ったデトロイト(自動車業界)への

公的資金投入がうまくハマった結果と誰もがそう確信しています。失業率は改善し景気浮揚のきっかけとなった施策でした。(公的資金-国民の税金-投入が無意味になった「エルピーダ」とは逆でした)

その公的資金投入を当初から反対していたのがロムニー氏をはじめとした共和党です。

ロムニー氏は「GM,フォード、クライスラーが政府に救済を求めるならデトロイトを倒産させろ」とまで言ってのけました。

強いアメリカの復活を見たアメリカ人、共和党支持者の多いデトロイトで民主党支持への鞍替えが増えているとのこと。

 さて「ぼくらのヒーロー」C・イーストウッド出演のTVCMがアメリカで喝采(物議をかもす?)を受けています。まさにアメリカ人の心を掴んだものに仕上がっているようです。(アメリカ人釘づけのスーパーボウルのハーフタイムに流されたものです)ただし共和党員(特に「茶会」は・・・)反発しているようですが・・・。

OFFICIAL Chrysler Super Bowl 2012 Commercial

 

「米国もハーフタイムだ。人々は休職中で、傷ついている。彼らは皆、カムバックするために何をしようか考えている。

私たちは皆、恐れている。なぜなら、これは試合ではないからだ。

デトロイトの人々は、そのことについて少しは理解している。

彼らはほとんど全てを失った。しかし、私たちは皆、一つになった。

今、モーターシティーは再び戦っている」

 

C・イーストウッドのナレーションも渋いですが先に読んだ五木寛之氏の

「下山の思想」にも似ています。ハーフタイムを下山に置き換えればまさにその通りかも。

「マディソン郡・・・」でも記した「グラン・トリノ」はフォードのマニアックな看板車の名前です。主演のイーストウッドは朝鮮戦争帰還後フォード工場に50年勤続したという「強い父親」(強いアメリカ)役でした。

家族との違和と孤独が終始映画をじんわりと包んでいました。

彼の長男がトヨタのセールスとして成功(乗っていた車はランクル)しているというところが今のアメリカを表しているかのような皮肉でもありました。

(友人はマディソン60点、トリノ85点と言いましたが・・・。私は両方とも90点です)

本選はどうなるのでしょう。そして我らの下山後は。