「ご理解いただく」

最近の流行り言葉の一つです。

かつて私もその言葉を発した覚えがございますが、今考えると、それはそれは何と無礼な言葉なのでしょうか。強く反省しています。

 「理解」は「経験と学習」によって構成される、内容は複雑なれど言い放つには単純な言葉です。それも私など「無理解」なことばかりの人間としてその言葉には一種「いい言葉」のイメージがあります。かつて親が子に、

教師が生徒に投げかけた言葉でもあります。

そういう意味でほとんど「理解」していない自分が「理解」という言葉にそうあるべきと思いあがって発っしたことは恥ずべきことです。

「ご」という丁寧な接頭辞を付けてより慇懃にしそれでいて「いただく」と半ば強制の意。不思議な語です。

考えれば上から目線で相手(大衆)を小バカにした無礼極まりない言葉です。言葉の受け手となる人たちは「生徒」でも、発言者の子供でもありません。

きっと大意は

「経験浅はかなキミたちはしっかり勉強し、゛正しく゛判断して私の言う

通りにしなさい」という意味でしょうか。

発言者の恣意的な思いを他者に遂行させたいという意志が含まれている と

(最近ではその発言者に「オメーらアホ共は俺様の言うことを聞いてさっさと動きやがれ!!」と三文役者の台詞ぐらいの意に)解釈してしまうのは少々穿っていますでしょうか。

 

 

 

 

 

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コメント: 2
  • #1

    小山昭治 (金曜日, 09 3月 2012 11:51)

    まーまー、そんなに怒らなくても・・・
    たまには、怒ることも大事ですが。
    私も商店街の会合で時々怒ることがあります。
    今の政治やいろいろなことの状況を考えると
    怒るけど行動しない。怒るけど投票所へ行かない。
    投票は、それなりの人物が立候補していないこともありますがね。
    昔は・・・(私も年寄の仲間かな?)
    政治に関して行動した。デモもあった。
    今の若者は限界まで怒らない。そして キレル。
    一気にキレル。
    我慢、我慢、そして爆発。その間があるはずです。
    「ご理解いただく」に対して「わかりません」
    「納得できません」「困ります」
    そんな返事をしたいものです。

  • #2

    今井一光 (金曜日, 09 3月 2012 21:38)

    ありがとうございます。
    私もその「わかりません」という言葉が妙に気に入っている
    ところだったのです。チャックベリーの「You never can tell」(さきのことなんてわからない)という曲について友人と話したのはつい数日前でした。わからなくていいのだと思います。また私の好きな時代の武将たちは目上の人でそのことが命がけであっても「不承知」はハッキリと意思表示したものですね。