鉱物精製の公害 土呂久 他者の苦しみの歴史を知る

昨年、御門徒家の墓じまい法要で宮崎県から来られた方がいらっしゃいました。

それ以前、墓参に来られた時に何故か映画鑑賞について盛り上がってその際はサム・ペキンパーと大林宣彦の両監督の話となったことが思いだされます。

 

ペキンパー作品は拙ブログでも私のその傾倒ぶりについて記していますが(→私の死 あはははは)、その時大林宣彦監督につい

ては「ふたり」の主題曲「草の想い」の大林監督と久石譲のデュエットバージョンについて「なかなか聞かせる」と触れたのでした。そして墓じまい法要の際にその方が土産としてお持ちいただいたDVDが2枚。

1枚が映画作品ではなくペキンパー監督そのものを描いた実録もの、そして1枚が若い頃の久石譲作曲作品が挿入された「土呂久」というドキュメンタリー作品でした。

 

宮崎県の神話の町高千穂近くの田舎土呂久の大惨事、公害の歴史として漠然と頭にはありましたが、このDVDを視聴して人間の欲と「自分さえ良ければ」の身勝手というものをあらためて知らされました。

 

環境変化による住民、家畜の健康不良について行政も国も医療も当初は取りあわず、漫然と鉱山操業を継続しつづけ、その地の人々を傷つけ見捨てていたのでした。

要は「おかしい」の陳情に対して公害とは認定しないというもの。一家全滅した家の屋根からは環境基準の16万倍の亜ヒ酸が検出されたといいますが。

 

いわゆる鉱毒事案で、一昔前は日本全国いたるところでその手の害毒と健康保障問題の司法判断の例がありました。現在廃鉱山が日本には7000カ所以上あるといいます。

儲かりさえすれば他人の健康、命のことはどうでもいい・・・というパターンでしょうね。

 

土呂久の場合はひとくくりにヒ素(亜ヒ酸)による中毒、公害病とはいいますが、歴史的には幕府の直轄銀山として開発されたものですね。

当時から鉱山産出物の精錬のふいごを吹く煙によって「飛ぶ鳥も落ちる」などの環境汚染を示唆する伝承があり延岡有馬藩はそのために免税を行ったといいます。

明治になってから亜ヒ酸の製造(戦争用の毒ガス)を主たる生産に変わっていくわけですがそれだけでなく他にもアンチモン、ダンビュライト、黄銅鉱など産出したといいます。

 

俄かに最近はやされるようになった「レアアース」。

南鳥島沖深海から採掘チャレンジ、着手するニュースを聞きましたが、うまいことそれらを引き揚げることが出来たとしても採算が合うのかわかりません。

海だけでなく国内鉱山でもその埋蔵が伝えられていますが、大問題となるのはその精製です。

精製する工場はどちらに・・・ということになるのでしょうが、技術革新があったとしてもかなりのコストと周辺住民の健康被害再びの公害問題などが頭に浮かぶわけで。

 

海上にその手の工場を作るという案もあるようですが、廃液と粉塵、噴煙の海洋生物への影響についても疑問です。

 

世界的にレアアースの生産に力を入れている国とは・・・「国民の健康」より「国と為政者の利益」を重視しているようなお国柄、よくわかります。

そういいった国だからこそ、レアアースを好き勝手に差配できるわけで。

噴煙粉塵廃液放射性物質等一切環境に負荷をかけない精製プラントの製造、それもかなりのコストアップに繋がるでしょうからね。

レアアース不要、代替品掘り起こしを思考した方がいいのでは?

 

上記「土呂久」の公害認定と和解のお相手は住友金属工業でした。司法もかなりお国と会社よりの感。

この会社も今、金価格高騰により飛ぶ鳥を落す勢いですね。