亀ケ城 主郭近くの石垣と土塁痕跡 独仏の御縁

昨日の二つの信じられない話。

小雨交じりの午後、御門徒さんが現れて、次週「京都に行ってくる」と。ホテルの予約もしてあとは・・・という具合でした。

楽しそうな話題で、思わず身を乗り出さんとばかりに耳を傾けていると「祖廟に行って納骨をするがその遺骨を取りに来た」とのことでした。

私は唖然そして呆然。

何故なら遺骨をお預かりした覚えが無かったからですが、もしかして私がここでもまたやらかしたとのかと一瞬間固まってしまったのでした。

日頃私自身、信じられない事をやらかす身であることは承知していますので尚更です。

 

ということで本堂に上がっていただき、私はそのままお内陣後堂へ。記憶を紐解きながら、預かっていたとしてそれが在りそうな場所を探索。

実際長期にわたってご遺骨をお預かりしたことは何度かあります。しかしどちらを探してもそれは見つかりませんでした。

外陣で待っているその御門徒さんに当時の葬儀からの流れを一つ一つ検証していると、葬儀社が「小型の骨瓶を用意してなかった」ことが判明。要は四十九日の納骨の日にまとめて遺骨を納めてしまったことで話が落ち着きました。

ということで施主の勘違い。

京都には納骨ではなく単純に祖廟と本山にお参りに行かれるということで修まりました。

 

その件冷や汗はかかされましたが納得していただいたことで一息つくことができました。まぁそういうこともある・・・

その件一件落着を安心して雑談をしていると長身の、アングロサクソンかゲルマンか・・・を思わせる二人の男性が堂内に入ってきました。片言英語で伺えばドイツからだと。

それをあとから奥方に言うと「この前はフランス人の若い女が3人、今日はガタイのいいドイツ人が2人だ~」とけんもほろろ。私がまた与太話をしだしたくらいの躰でした。

 

片言英語と身振り手振りで対応させていただきましたが、どうやら箱根に一泊して奈良方面に向かっている最中の途中下車とのことでした。

寺の御堂は初めてということで焼香鉢前の正座と焼香の作法を実演、「Amidabuts」に向っての合掌を。

1名は正座ができない様子でした。デカすぎて足の関節が畳めないのかも・・・

まぁ今回は堂内設置のデジタルサイネージの大澤寺イングリッシュバージョンにて話を誤魔化すことができました。

すると丸尾月嶂の襖と阿弥陀如来を「撮影させて欲しい」と。

拙寺に撮影禁止の掟はありませんので、毎度の如く「OK OK」。

 

帰りに前回のフランス女子の時と同様、「意次せんべい」ジャパニーズクラッカーを提供。

「おカネは・・・? 」と問われましたが一つの希有な御縁として・・・両手を軽く広げて「ドーゾ」。

もっとも賞味期限が近かったこともあります。

 

先般の東京国立博物館館内は外国からのお客さんが目立ちましたがそちらは西洋系が多かったような。

京都は中国人でごった返しているようですが、拙寺においてはワールドワイドの感は少々醸し出しつつありますが、東洋系のお客さんは今のところ見えません。

このちっぽけな田舎町にふらっと立ち寄る欧州系の人々が実際にいらっしゃるということ。

やはり世間の有名観光地が半端ない状況になっていることがわかります。

 

扨、昨日の亀ケ城。神社社殿の裏山が城址になっていますので右側から廻りこんで登攀開始①②。

例によって「まさか」の事案(黒い獣の襲来)も頭に入れながら「独り言」を声大き目で。

 

大した比高もなく、あっという間に主郭まで到着。

その虎口らしき場所に石積みがありました。その下部の二郭には土塁の痕跡が見えました。

石垣を目視できただけでも良き巡りあわせ。

何事も御縁とタイミング。