人文嫌い 宙に浮いた国立劇場解体工事 AI糞喰らえ2

 雨予想もあって一日中曇天。しかも蒸し暑く堂内法縁には再び大型扇風機の稼働がありました。

お取り越しが始まる10月ですが以前と言えば「北風が吹いてガラス戸を鳴らし、火鉢が欲しくなる季節」というイメージ、それが、今は「扇風機とエアコンかよ・・・」です。

昨夕の庫裏の温度は30℃になりましたからね。

一言で自然界は「異常」。その二文字以外考えられません。

 

扨、異常であると思うのは人間世界もまた。それが世間やお国の単純な方向性でしょうか・・・

私は「理か文か」といえば言わずもがな「文」の方。

よってずっと理系の方たちの算術はじめ勉強熱心さには畏れ多いものがありました。

社会の要望も理系です。よって将来の就労先やサラリーの面でも文系よりも優位性があるのでしょうね。

 

文科相が先日発表した「科学技術指標2025」にはその理系でさえ引用・注目度が高い自然科学の論文数はイランに抜かれ世界で13位といいます。

因みに1番は中国。それからアメリカ、イギリス、インド、ドイツ、イタリア、オーストラリア、カナダ、韓国、スペイン、フランス、イラン~の順ですね。

 

これから今年のノーベル賞の発表がありますが、今後その論文数の多寡がその受賞に関わってくるやも知れず。

いずれにしろ私にはまったく関係のないところですの、、傍観しているほかはありませんが。

 

そして最も異常であると感じるのは日本の歴史文化に対する人々の考え方。

挙げていればキリがないくらいその傾向が窺えます。

女子大が次々と共学化したり閉鎖されているようです。人口減もあるにはありますが・・・

それら女子大と言えば国文学・英文学・日本史・世界史・宗教・哲学など主に学ぶ場でしょうか。

世の流れはオール理系に・・・の風。そういう私も「りけじょ」なる女子たちに一瞬の憧れのようなものもありましたが・・・

 

ある日本史の教師かボヤいていた話を耳にしました。

「歴史・文化」のコマ数が減少しその中でも「日本史よりも世界史」に重きを置く傾向が強くなっていると。変てこな「グローバル」?

文科相の方向性がそこに出ているのでしょうが、お上というものは「歴史」というものを嫌いますね。

国民にいじられたくない、知られたくない歴史事実は幕末以降の近代史に溢れかえっていますからね。都合が悪いのでしょう。

 

私は歴史の中にこそ我ら日本人の生き方や、「人」そのものの実態に迫る事が出来て、それが将来の人生や行動規範の処方になると捉えていますのでその方向性は呆れ果てるのみですね。要は日本人の劣化です。

 

画像は先日皇居を半周した際に歩いた国立劇場の外観。

老朽化のために2023年10月に閉場したことはブログでも記していたかと思いますが「資材高騰」などを理由に入札が不調に終わって再開場の時期がまったく見通せない状況だといいます。

 

文化庁は2025年に整備計画を見直して2033年度の再開場を目指す方針を発表していますが今後どうなるかなどまったくわかりません。

よって現状放置状態で手つかずなのでした。

これまで手入れされていた植栽たちの姿は虚しさを醸し出しています。

 

資材高騰となったのは大いに理解できますが(業者からは「そんな金額じゃあ、やってられない~」)それならそれでお国の方でしっかりとそれに見合う予算を提示し対応していかなくてはね。そのできないとは、やる気がないことに他なりません。

くだらないところには「湯水のごとく」の様。

要は歴史・文化・芸術に「カネは出さない」の表明でしょう。

国立劇場は観劇の場だけではなく修練の場でもあります。

特に歌舞伎等「家」とは関係ない外部の研修生を受け入れて鍛錬を積ませることでも知られています( →NHK ONE )。

それらの人たちを切り捨てて、将来の文化の育成の足を引っ張っている・・・そんなメッセージと受け取れます。

 

今お国がおカネを投入している方向は・・・半導体はじめハイテク、AI等への投資。直接お金儲けに繋がる産業ばかりです。

まぁそれら人文系の「人の育成」を軽く見ているようでは将来の日本のお先は真っ暗と思うのは私だけでしょうかねぇ? 

よって「AI糞喰らえ」(昨日)なのでした。