中古ドラム缶仕入れて 加工の蘊蓄

境内テラス前での作業中、お参りに来られた御門徒様としばし雑談。

久しぶりに近くでお話をさせていただいたのでしたが、手に震えがあったことはスグに気づきました。

その旨おうかがいした方がいいかと思っていればその方から「今度入院する」と。

どういうことかその理由を聞けば、パーキンソン病での処術だとのこと。その病の名を頻度高く聞くようになりましたから、同じ悩みを持つ方がたくさんいらっしゃるということですね。

 

3年ほど前にその診断が出たそうで原因不明「一生治癒しない」といわれるその病気の進行を遅らせるための入院処置だそうです。現状歩行に支障はなさそうですしお参りには自家用車で来られていますがいずれ車椅子・・・というのでは困ります。

 

ご主人が亡くなってからパートタイマーで家計を維持している方です。復帰に時間がかかることもそうですが、病気の進行については特に辛いことです。

 

そのご主人が亡くなってかなりの時間が経ちましたが、私が寺に入ったばかりの頃、境内作業をしいてる私に、気軽に「いつでも手伝いをするから声を掛けて・・・」と気にかけてくださいました。

親戚の葬儀でその家の菩提寺の住職が火葬場に来ないことを憂いて「ちょっとタノム」と拙寺に連絡してくるほど他者への面倒見のいい方でした。

その奥さんの他のいろいろな事情と難題を思うと、声を掛けずにいられません。

「病院から解放されたらまた元気にお会いしましょう・・・」と別れました。

 

その火葬場の件ですが、同じ宗派でよく存じ上げる寺の大御所住職ですからちょっぴり困惑しながらおどおどしつつ向かったことを覚えています。

要は越権行為ということで。

 

当流でも「火葬場に同行しない」という申し合わせが一部の寺の間で広がっているようですが・・・まぁ、私は私のやり方で。

昔ながらの葬場勤行、葬列の名残すら消えていく・・・

坊さんの手抜きの如く見られても仕方ないか・・・

 

扨、数日前、中古のドラム缶を購入しました。

長尺の木材等を整理するためですが、お炊き上げ用のドラム缶が錆びて朽ちつつあることと、「その時用にあった方がイイかも」と思われるドラム缶風呂に転用・・・ということでしょうか。

 

中古ドラム缶は多様な場所に出回っているのですが、その大きさから配送料金はかなりの金額になることは必定。

よって近場の出物を待つわけですがこのほど150号線沿線の自動車パーツ屋さんにそれを見つけました。

勿論、軽トラで取りに行くことになりますが、価格は2500円。

相手からすれば、処理料がかかる廃棄物をお金を貰って「処分」してくれるのですから悪い話ではないでしょう。

 

一般の家庭には大きくて無骨なそれは不要、あり得ない代物でしょうが、拙寺では焼き芋の窯の製作などドラム缶の用途はまだありますし置き場所も工夫すればもっとイケそう。

 

しかし一工夫は不可欠です。

大抵のドラム缶というものは上蓋の取り外しはできませんので、用途にもよりますがそれを取り除かなくてはなりません。

そしてその外し方は各あって、要はカンタンとはいうものの地道な手作業となります。

トータルの時間も要し、結構に準備と思案をしなくてはなりません。

 

私の外し方は大概世間で行われている①上蓋の外周の縁部分上部をグラインダーで削っていく、のではなく②上蓋の外周部分の内側の上蓋の天の外周をドリルで穴をあけていくもの。

 

①のグラインダーで上部を削っていく方法はあとあとの使用に(天の縁が残らないため)少々のバリ取りだけで済みます。

ハナからのグラインダー作業は微細な粉塵との戦いになるためそれはパスしました。

よって②を選択しましたが、それはそれで縁部分が残りその処理にグラインダー作業とひと手間かけなくてはなりませんでした。

尚、ドリルでの穴あけはハンドドリルでは数が多すぎておはなしになりませんので、卓上ボール盤のベース部分を取り外し、ドラム缶の高さに合わせて作業台に固定し適宜ドラム缶を廻しながらボーリングしていきます。

 

無数の穴が開いたあと、穴と穴の間にタガネとハンマーで開口部を繋いでいきます。

尚、ドリル切削は刃先の冷却のためにこまめにCRCを噴霧します。

 

また前述したように外周内側に「天の縁」が残ります。

グラインダーでの処理は行ったもののドラム缶風呂として利用するのは少々技が必要かも。

 

次回製作する際は①でやってみようか・・・。

蓋部分③も廃棄せず、縁部分を均して保存しておこうと思います。

焼き芋の窯に加工するにはそれは必要です。