真邦の歌と法海の返歌二首 拙寺の掛け軸 

おかげさまで今年の春の法要は多くの皆様方のボランティアとご支援のもと、無事に終了しました。

 

冬に逆戻りしたかの如くの低温で御一同、「寒いね・・・」。

本堂内も大型石油ストーブを点火したくらいでした。

ただ贅沢を言っちゃあイケません。

風もなく何より雨が降らなかったことだけでも最高のご縁でありました。

 

参拝者数の件、それは例年より少ないことは頭にありましたが、コロナ禍「もしや第7波の立ち上がり」が警戒されるご時節がら、致し方ないといえば致し方なし。

まずまずと言わなくてはならないでしょう。

 

私のご挨拶の締めは医学的な話に転じて「70代すぎたら・・・意欲を維持しよう」ということで概略①肉を喰え②動け(筋肉を失うな)について触れさせていただきました。

特に先般神戸大学から発せられた「使わなければ筋肉は消滅する」の件を紹介し毎度の如く「外に出る」という意欲の維持を勧めました。

 

その最後には拙ブログで紹介した岡崎西別院の掲示板の文言「面白がって~」を紹介し「与生」を生き抜きたいと終わりました。

「余生」ではなく「与生」と付け加えましたが、コレは息子に教わったシャレ。

いつもと違う2回の法縁開催の疲労度は「ざっと3倍くらい」あったかも。

 

さて、先日叔父に解読してもらったお軸の裏に記されていた和歌三点。

真邦の一歌と法海の返歌。そしてあと一歌です。短冊に記されていたものを同じお軸に表装したものかと。

 

①本州佐倉神主貢和歌一首

尋ねし 君かひかりに

草ふかき さとのちまたも 道まと飛せし      

真邦

 

②肥後国光徳寺易行院法海講師    和歌二首 

返し

草ふかき 里とはいへと  

神の在す みちの光に 誰かまとはむ

法海

 

武蔵野 月

あきらけき 光を四方の

かきりにて 月のうちなる むさし野の原   

法海

 

①は真邦が「道まと」・・・「道惑」しながら相良からの桜ケ池に辿り着いた法海一行を労う歌。きっと適当な地図のようなものを手渡すなどしたのでしょうか「案内」が無かったことが推測されます。

今、車を使っても迷うような場所ですね。

 

叔父は真邦の「万葉仮名」使いについて指摘していました。

その「光」をテーマに法海がお返しの歌二つ。

肥後の人からすればこの辺りの月を愛でて「武蔵野」としても変わりなかったか・・・とも。

 

真邦も法海もその歌たちはどちらかにまとめられているとは思いますがおそらくこれらはこれまで表に出ていないのでは・・・などと思った次第。

叔父の一言・・・「あっちの方のドンパチ好きの連中にはこの深い情緒と感性は無いだろう」と。

私にもムリなんですがね・・・

私から五、六代前の爺様方がそういう世界に日々楽しみを探していたことを考えるとあらためて偉大を思いつつ、手前の薄弱も感じます。

 

 

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コメント: 2
  • #1

    がつお (日曜日, 03 4月 2022 03:02)

    記事とは全く無関係な話で申し訳ないのですが、私の寛政譜のページのリンクについてできれば下のリンク先に変更頂けるとありがたいです
    http://kafuka.onmitsu.jp/index2.html
    寛政譜のページでリンクしている私のブログを見て頂いていると既知かもしれませんが実は他にもいろいろとやっておりましてそのまとめが上のページです
    「戻る」機能をつけていないので一方通行ですが寛政譜の基となったであろう略譜、その基となったであろう諸家系譜のページ、エクセルですが寛政譜とそれらの系譜の関係性を一覧表にしてまとめています
    また、同じく御紹介頂いている慶長年録を含む年録(「年録」)やCODHの武鑑(「清書済史料」から「武鑑」)をコツコツやっています
    なにか宣伝のようになってしまいましたがよろしくお願いします

  • #2

    今井一光 (日曜日, 03 4月 2022 08:41)

    いつもありがとうございます。
    圧巻のサイト、ご紹介させてください!!