手出し無用の場所に突っ込んである2台の乗物

文句なしの遠州の青空。

風がなく、境内で一仕事すればジャンバー要らず。

こんな日が続いてくれれば有難いのですが・・・。

そうなると雨続きに悩まされますから・・・うまいこといきませんね。

 

私は昔から雨といえば嫌悪すべきものと思っていましたが、こちらで農業を営む皆さんといえば雨は期待するものという声をよく聞きます。

広い農地に水を撒くというのは大仕事となりますが、うまいこと雨が降ってくれればその大層な手間が省かれるということです。

 

その農家の皆さん「これで野良仕事はおしまい、子供たちに引き継がない」という声があっちこっちで上がっていますが、農家の仕事はきつくて収入は不安定、下手すればすべてが水の泡になる・・・と。そんな苦労をさせるより会社勤めの方が余程イイとのこと。

今年も大根が豊作で値が下がっているようですし、お茶の需要も下降に歯止めがかかりません。

日本はクルマをバンバン作って輸出しまくり、食料は輸入すればヨシ・・・などの「スバらしい我が国経済の在り方」を吹聴するエライ人の姿を見てきましたが、海外から食糧輸入が滞ったら・・・など考えると「農業やめる」の方向を許容していたら将来ヤバそうな感じ。

 

まぁコメに関してはおいしい国内産についてまだまだ心配はなさそうで、飽食指向になければ私の生きる時代くらいは食べ物がなくて困るといったことは無いような気がしますが、トンガの火山がありましたが気候の変動があったりすれば農作物の供給は一気に減りますからね。

前述した農業に不可欠な全世界的水不足もかなりシビアだと聞きます。アメリカのトウモロコシ農園が水不足につきその栽培をヤメて太陽光パネルを設置しまくっているという件、報道で知りました。

要は当たり前の事ですが「クルマは喰えない」ということ。

食の安定があってこそ・・・の便利品です。

 

さて、当家の「乗物 のりもの」、かなり古いものですが紹介いたします。

と言ってもこちらは車庫の中ではありません。

本堂後堂の高棚の上の2台です。

200年オチとでも言いましょうかその間、誰も触れない、いや触れられない場所に放置されています。

 

使わないから取りあえず「上にあげちゃえ」とでも思ったのでしょうが一体誰が、何人がかりでどうやって・・・と思うところです。

 

時代劇で駕籠を用意する場面がありますが、要はお寺の「My 駕籠」。「寺男」の存在があったことは聞いていますが駕籠を担いでもらうに最低2人は必要ですからね。それも屈強そうな男が。

歴代の住職がお城との往来等の移動手段に使ったものが手前の物で、最後にそれの乗ったのが当家12代目の曽祖父あたりかと。

祖父は自転車にも乗れないくらいの徒歩、下駄履きオンリーの人でしたが父以下、私、息子は4つの輪っかの機械式のものに変遷。

 

奥に押し込んである小さめの女性用、それも漆らしきフレームの残骸が見られるものは波さんが江戸から下ってきた時のものと考えています。彼女が振り回したであろう女性用の薙刀も伝わっていますので江戸からの下りに荷物持ちが付随したはず。

駕籠かきは徒歩で帰ったということでしょうが、その運賃は何処から出ていたのか・・・そしてその江戸-相良の相場は・・・1泊は確実でしょうし。

まずあの箱根を駕籠を担いで超えていくなど信じがたいことです。

その手の詳細史料が出てくれば面白いところなのでしょうが。

 

博物館、資料館にでもあるような代物ですが、何せ経年劣化、虫食い等酷い有様で見栄えをよくするには修復は不可欠。

人に見せたとしても「ふ~ん」で終わってしまうようなモノですし、とにかくあの堆積した埃を見ただけで尻ごみします。

以前土蔵の片づけで肺炎に罹ったことを思い出しますね。

そもそもこれらをどうやって引っ張り出すか、出したあとどちらに置くか・・・それを考えれば「このまま放置」が正しい選択でしょう。

梯子でここまで上がりますが、その時も梯子がズレ落ちそうになってかなりヤバい思いをしました。