元興寺塔跡の色々 住宅街の異空間 今はなき五重塔 

 

境内作業ののち山に行って砂利を積み込みに。

軽トラ一車の「一杯」とはいってもあのオンボロに積み込める量といえば0.3㎥もないくらいですが・・・(サスペンション、タイヤ、ブレーキが信用できません)。

 

「ついてないぜと苦笑い」したのは車をバックした際、岩にぶつけてウインカーを破損したこと。

妙にウィンカーの「点滅が早い」を感じて境内に帰ってチェック、気が付きました。

ランプが割れていたのでその交換に時間を取られることになります。

勿論カバーが割れていますので次の車検が面倒になりそう。

同系色の樹脂板でも買ってきて誤魔化せないものか・・・。

ボロはボロなりの使い方がありますので。

 

昨晩視聴して印象に残った番組が「沁みる夜汽車」で最初に登場した90歳のお婆さんの「手」。

40歳から新橋駅前で50年もの間、「靴磨き」を提供する人です。

駅前の隅っこに座り続けて半世紀、一言では言い表せないくらいの「超絶」を感じます。

隅っこに追いやられたのは当初は同業者だらけでイジメにあったからといいます。

現在も1コイン(500円)という格安料金でその仕事を請け負っていながら専ら「丁寧」という語が常連さんの口から。

 

丁寧の理由はきっと指で靴の感触を得て、クリームも指で塗るというところかも知れませんが、その方の手は黒く、シワだらけでまた各所の関節が曲がっていました。

仕上げの磨き等の際、指に力を入れ続けるのでそのように硬直してしまったのでしょう。

その仕事1本で5人の子供たちを育て上げたといいますが、そういった私には想像もできないような過酷な環境(都会の雑踏の中にいて尚風雨に曝され、座り続ける)の中に50年は偉大すぎます。

「90歳現役」のところ、その健康維持についても真似ができないことですが、一つ心掛けなくてはならない言葉といえば「丁寧な仕事」。

「丁寧」は身の心底から出てくるものですが、外からは容易く見えているのですね。形だけなのか真のものなのかも・・・

 

新橋に行ったらその方とのひと時もいいかとは思うものの私の足元は毎度アディダスのフットサルシューズ。

お呼びで無いと追い払われそう。

 

さて、元興寺塔跡には御堂に鐘楼、仏足石に十三重塔、五輪塔たちに稲荷と決して広いとは言えない空間にそれぞれが凝縮して詰まっています。

四季折々境内の花たちが迎えてくれるというのがウリとなっていますが、私が立ち入った際は私一人だけ、その空間を独り占めにしたのでした。

こちらに五重塔があったとしたら・・・観光客のたくさんで華やかな往来があったのでしょうね。