広大院着物 プロの高精細高画質撮影 ただし重い

先日出版された「相良海老」の価格について、その格安設定の太っ腹は驚きを越して「唖然」という喜びの声が吉祥寺の叔父周辺から上がっています。

それでいて紙の質を落としているワケでもなくしっかりした装丁、なによりも中身の充実そして原文と解読が上下に出て「見やすい」とそのスジの方たちから好評だといいます。

 

こういう場合他にどのような物があるかの比較ということになりますが、しっかりした原文があってなお、このように見やすい作りのものといえば叔父はかつて購入したという冨士講の行者「食行身禄」(じきぎょうみろく)の解読文付き解説書「富士講中興の祖・食行身禄伝」をあげていました。

いくら研究資料としてでもその金額を見てドン引きしますよ。

税抜きで6900円ですからね。

発行部数が少なくて、そうは売り上げを予想できない学術書の金額といえばこんなもので、「高い」などいうのは野暮な話。

ただ、「相良海老」は最初から利益を考えずむしろ大損を覚悟で出した書物でした。

 

その相良海老の巻末には小澤氏のはからいで大奥に上がった拙寺10代祐賢の娘、波が広大院→専行院経由で頂戴した着物2枚についてスペースをいただきましたが、これは相良と田沼には切っても切れない一橋家(・・・当家出身の徳川将軍11代家斉の正室が広大院、側室が専行院)との関わりを推測してのものでした。

 

前回、「相良海老」の各ページを撮影したカメラマンがこの着物(実際は波さんたちが自宅で尊前を飾る打ち敷に仕立てています)を撮影してくださいました。

その各部分についてこのほど精細画像データを提供いただきましたので一部紹介させていただきます。

これでも中には70%程度に縮小しているもの③④がありますが、相当重たくなっているのではないでしょうか。他のものは30%~20%程度に小さくしてます。

 

刺繍といっても遠目で見れば型染めの如くに見えますが、こうして拡大してみると、その仕事の細かさにため息が出るというものです。

尚、波さんと広大院関係のブログはこちらにまとめてあります。

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コメント: 2
  • #1

    お祭り大好き (土曜日, 27 6月 2020 06:47)

    2週間前に購入した「相良海老」も素晴らしく難解な文章を拝読中であり、本日の「広大院拝領着物」の写真も高精細で素晴らしい。
    実物を運良く2019/12/8日に拝観させていただいたが、本写真により錦糸の刺繍など当日の感動が蘇った。
    願わくば、牧之原市にて市民にも公開の機会があることを期待している。

  • #2

    今井一光 (土曜日, 27 6月 2020 11:51)

    ありがとうございます。
    古い着物ということもあってその展示方法に頭を悩ませています。
    出し入れすれば必ず「痛む」し光に曝せば退色してしまうようで。
    かといって展示もしたし。
    うまいことやるには大変のようです。