足利義晴の室町殿 築地基礎石敷き 同志社寒梅館

昨年の暮れに福島県の無住のお寺から計五体の仏像が盗難に遭っています。

恩乗寺というお寺からは阿弥陀如来立像と菩薩像2体。

円城寺の方は阿弥陀如来坐像と閻魔像といいます。

私が驚いたのは阿弥陀さんが被害にあったということ。

どちらかでも記していますが阿弥陀さんは泥棒社会の需要と供給の問題、希少価値という点では千手観音や十一面観音などよりずっとありふれた仏像ですから。

 

浄土宗では大抵が阿弥陀如来坐像、当真宗系では100%阿弥陀如来立像を本尊としていますからね。

その他宗旨であっても本尊が阿弥陀さんというお寺はたくさんあります。

よって今回の盗難の報せには度肝を抜かれたということです。

そのような理由から「拙寺は大丈夫」などと勝手に安堵していましたので。

 

そういえば以前遠州を席捲した仏像専の泥棒が逮捕されていましたがその人はS市の骨董屋さんだったことは驚きでした。

刀剣の研ぎ師で神主の中村氏が日頃から骨董商を揶揄する「骨董・窃盗・強盗」などと面白おかしく言っていましたので「なるほど」と手を打ったものでした。

その方は「おつとめ」が終了したということで社会復帰、あるスジから「気を付けろ」などいうおふれもありました。

 

前者のお寺でいうと阿弥陀三尊形式の1セット「イタダキ」で多少のプレミアムが付いたのでしょう。

おそらく2件の犯人は同一人物でしょう。阿弥陀さん好き?

ネットのオークションサイトと京都辺りの古美術・骨董オークション会場を目ざとく注視していれば彼らの手っ取り早く売りさばくという選択肢を阻むことができるかも知れません。

 

海外に搬出されることも考えられますので盗難品仏像・美術品としてサイト上にアップし、世界にも知らせる必要があります。

一部マニアの手に渡ると以後流出は困難となってしまいますが、できるだけ盗難者にとって「ブツを捌きにくく」してやることが肝要です。

 

そのためにはしっかりと画像を保管しておくこと。

その時メジャーなども対象の横に掛けて撮影したり、実測しておくことが何より大事ですね。

特に無住のお寺の場合はスグ、仏像など盗難にあいそうなものを画像として残しましょう。

 

さて、烏丸今出川の同志社大学の薩摩藩邸跡の碑の烏丸通を挟んだ場所に「法科大学院」があります。

大聖寺門跡のすぐ北隣。同志社大学では寒梅館と呼ぶ建物で気の利いたテラスがあります。

そちらの奥にある遺構が「室町殿石敷遺構」です(場所はこちら)。

相国寺側の構内敷地にあるような地下遺構が目視できる透明ケースに覆われた敷石遺構があります。

 

足利義晴が再建した室町殿の築地基礎石敷きとのこと。

画像は以前のもので失礼。