二足の草鞋 本来はできないこと カネのため

「そりゃ反則でしょうよ」というようなニュースが日々報じられています。

反則がバレたら責任(ペナルティ)を取ることになるワケですが偉い人たちが数人出てきての謝罪会見は珍しくなくなりました。

エリート企業によるデータ改ざん、またぞろの躰はまさに日本の産業技術の凋落を感じますね。

それらを挙げていてはキリがありませんが、日本人そのものの気質、堅実で正確そして道義的・・・が時代の経過とともに劣化しているのかも知れません。

 

企業の不祥事とは違いますが、先日の静岡のニュースで「そこまでやるか」と驚かされたものがありました。

それはまた厳密に不祥事というカテゴリーではありませんし、犯罪でもありません。

形振り構わない確信的な強行であって他者の中傷も半ば覚悟のうえのものでした。

 

それが静岡県小山町の「ふるさと納税」返礼品のこと。

私の寺と婦人部でも牧之原市への納税の返礼品として「無量寿」なるお茶を用意していますが、返礼品といえば「地元産品」それは参加者一同が了解しているところです。

にもかかわらず小山町の「そりゃないぜ・・・」とインパクトあるその返礼品とはなんと「Amazonギフト」。

それも寄付額の「4割」という高変換率。

そのために頭のイイ寄付者が殺到。平成30年度の納税受け入れは約250億円と超絶ガッチリとのこと(現在については不詳です)。

 

いかにも安直な発想で言い出しっぺの担当者とそれを「GO!」させた役場全体のニヤニヤ度は手に取るようにわかりますが・・・。そして趣旨ルールの逸脱は見え見えの確信犯ですね。

その250億なる金員は本来ならば他の自治体に納められたはずのものですので、マイナスとなった自治体からは「酷すぎる」と文句が出てくることも承知の上でしょう。

ただしここまで問題視されることはわからなかったというのがお寒い。

 

私どもからすれば、わずかながらの金額ではありますが少しでも自治体に貢献できれば・・・とそのシステムを生かそうと頭を悩ましましたが、良からぬことをやらかしてこのシステムそのものにより規制をかけられるなど、つまらぬことになりかねませんので、この小山町のイケイケには閉口させられました。

「形振り構わぬ儲け話」を自治体が主導していた例でした。

日本人全体がその傾向にあるのでは・・・

 

そういった行政の逸脱行為には呆れるばかりでしたが、本来の仕事とは別に違った趣味なり、儲けを兼業画策することを「二足の草鞋」と言いましたが、まずはその語は否定する事が通常の使用方法。

「二足の草鞋は履かない」ですね。そもそも二足の草鞋を履くなどは実際に有り得ない事ですし一言でその否定語こそ「専念する」ということです。

「一向専念無量寿仏」の私たちも他の神仏に対してであっても「南無阿弥陀仏」です。

 

画像は山梨県山梨市牧丘町の字「隼」という地の巨大草鞋。

「はやぶさ」なる地名も興味を惹きますが、大わらじといえば湖東三山の一、東近江市の百済寺仁王門のそれを思い出します。

昨年、8年振りに更新されたというニュースもありましたね。

こちらの草鞋は毎年作り直されているそうで、毎年地元の人々が編み上げて毎年3月の中旬ごろに摩利支天を祀る石塔の前に架けられます(場所はこちら)。

甲州といえば「摩利支天」なのでしょうか。大河ドラマ「風林火山」でも頻出でした。

 

こちらの草鞋も百済寺のものも、その目的は「無病息災」の感謝御礼といいます。

ここでも古き日本人の健康が「足」にあったことが伝わってきますね。草鞋ならずとも歩かなくては・・・

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コメント: 2
  • #1

    小山昭治 (土曜日, 26 1月 2019 10:40)

    私にはふるさと納税が理解できません。
    ただ言えることは「世の中はお金持ちが多いなー」と言うことです。
    ふるさと納税で寄付をして、確定申告で控除できる、その上返礼品をもらえる。
    きっと皆さん申告する額が多いんでしょうね。
    貧乏人には理解不能です。
    先日菊川市のふるさと納税のチラシを見ていたら
    「菊川市以外の人でないと返礼品はもらえません」と書いてありました。
    ということは、菊川市民が菊川市にふるさと納税で納めても返礼品はもらえないと言うことですよね。じゃあ牧之原市も同じかな?
    市民が居住の地区へふるさと納税をすると自治体の納税額が減るんですね。
    控除されるとその分自治体への納税が減るのです。自治体もしっかりしています。
    だから売れない不動産(土地)を市へ寄付しようとしても断られるのは
    固定資産税をもらえなくなるから・・・それと同じですね。
    売れない土地でも、活用できない土地でも納税は義務です。
    恐ろしい世の中です。

  • #2

    今井一光 (土曜日, 26 1月 2019 17:57)

    ありがとうございます。
    牧之原市の如く人口減少に悩む自治体が、土地の寄進を受け入れていたら固定資産税の
    取りっぱぐれもそうですが、市の所有地ばかりになってしまいますね。
    散見する廃屋も何とかして欲しいところで貧乏自治体としては頭を働かせて都市部の裕福なところから税金を横取りするというこのシステムは悪くないと思います。
    ネット系商品券などいう地元にまったく関係のない返礼品や高変換率で「客」を呼び込むというのは了承できませんが。