蜻蛉(とんぼ)の洲(くに)と書いて「蜻蛉洲」あきつしま

昨日も今日も殆ど小屋に張り付きっぱなし。

ユニックとチェーンブロックのヘルプが来て外梯子と内部の階段がついて足場が不要となりました。

足場は来週撤去されることになっていますが、それまでに塗装の剥げた箇所等のリペア作業をする予定です。

内部は鉄骨が露出していますのでそちらの補修も。

 

しかしあの重量物がよくもまぁスンナリと収まったものだと感心しています。寸分たがわない設計工作と設置の技術の妙ですね。

さすが依頼すべきはプロフェッショナル。

 

さて昨朝は相良史料館で催された史蹟研究会の会合に少しの時間、顔を出しました。来年の各イベント・講演会について確定的なものが共有されましたが、おカネの出ている場所が牧之原市ですので、来年度予算以降のものもあり正式発表には至りません。

 

別件である掛軸を紹介されましたがその冒頭の語について。

 

「あきつしま」ですね。

さすがに私のワープロでは「秋津洲」としか出てきませんが「蜻蛉の洲(しま くに)」と書く「蜻蛉洲」(あきつしま)もそう読みます。

意味は「大和の国」転じて「日本」ですが普通に生きていればまず判読不能文字ですね。

記紀の記述から始まった以降「日本」の文学的呼称の一つです。難解文字多々ある中、これくらいは覚えていて損はない語だと思います。

 

そもそも「秋津」はトンボの意で、秋の虫。

そこから「蜻蛉」と書いて「あきつ」と読むようになったかと。弥生期に稲作が起こってその田圃における守護となった虫がまさしくトンボですね。

たくさんの害虫を捕食してくれます。

 

私共婦人部が手掛ける「無量寿」茶ですが、パッケージの色は「お茶」のイメージの緑ではなく「勝色」。

最近になってサッカー日本代表のユニフォームの色として「勝色」の語を主張しだしましたがこれも古来日本の色の名で濃紺をいいます。

そしてトンボ。これを昔から「勝虫」と読んでいましたね。

要は「あきつくに」は「勝国」なのです。

 

誤解を招きますので記しますが「勝つ」対象は他人、他国、第三者ではなく「自分」であることは付け加えます。他を負かすことではないということはまずもって当然の事。

「恕と慈」の振る舞いを見て他は「おそれいる」のです。

 

③画像は某掛け軸の断片。赤丸が「蜻蛉洲」です。

①②は寒くなると布団の「裏」(うち)に入って来て朝起きると体がバキバキにさせられる元凶となるネコども。

 

ちなみに掛け軸「裏」は「うら」読みより「うち」、「中」のイメージでしょうか。③の「蜻蛉洲」に続く文字が「裏」ですが「おくつきのうち(なか)」ですね。

「神武」は日本書紀中の神武天皇によるその語の使用を示唆しているのでしょう。