絶不調の中のうしろめたさ 蔵の漆喰の美しさを見て

今度の台風大停電に見舞われた静岡県内でかなりの人出があったのは、停電しなかったエリアのショッピングセンターと食堂について思いましたが、まだほかにもありました。

コインランドリーと日帰り温泉です。

相良の「子生まれ温泉」などは入場制限が出るほどごった返していたといいますね。

お湯さえ沸かせればちょっとした行水で済ます事ができますので、カセットコンロとガスボンベがあればその手の人混みの風呂に浸からなくて済みます。今の時期さすがに水だけは寒すぎます。

災害時の必需品として「是非に置いておけ」と横浜の友人に知らせておきました。

 

また、お寺のように人が集まる場所として今「あればいいなぁ」

と思っているのがカセットボンベ式の発電機。

物置が完成したらそちらに置きたいですね。

燃料保管についてあまり気を使わなくてもイイというところがベスト。

婦人部からこれまでテント3張りに大型ストーブを寄進いただいていますが「次は?」と聞かれたら勿論それをお頼みすることとなりましょう。

 

さて、昨日は土蔵取り壊しの重機が午前10時に来るということで、朝から最後の踏ん張りでまだ散らかっている土蔵内部を片付けました。昨日と同様の什物の箱や父親の榛原中学時代の教科書などの整理に追われました。勿論捨てるべきものは容赦なく処理場行きにしましたが、戦前の教科書についてざっとは見てみたいという欲望にかられて会館の1階にとりあえず残しました。

 

これまでの蔵との関わりでの気管支炎発病とあってこれ以上のあの場での仕事は心底忌避したいところでしたが、そうも言っていられませんので普通のマスクの上に活性炭フィルターのついた少々値の張るマスクを重ねた防御性アップ仕様でのチャレンジでした。

 

勿論症状は悪化。丁度薬も切れていたこともあって重機が動き出してから医師の元に。5回目の通院でした。

余りに治りが悪いために冗談で「もう来ないで」と医師から告げられていましたが、薬によって強烈な咳の連続の症状からは免れているため投薬が切れた場合の恐怖もあって4回目と同様のコンビネーションを処方してもらいました。

奥方も同様です。

 

今ある物、受け継いだ物を壊して中にある物もろとも廃棄するということに関してあの空の下に明らかとなった土蔵の漆喰と格子状にがっしり組まれた木の絶妙に「果たしてこれでよかったのか」と軽薄短慮の後ろめたさに襲われています。

何を想ったとしてもすべて手遅れですが・・・。床部分はシロアリによって完全に落ち込んでいましたのでこれほど側面がしっかりとしているとは思いもしませんでした。

蔵は「何てことをしてくれるんだ」と私を怨んでいるように思えました。

本堂に駆け込んでごめんなさいのお念仏をあげて勝手ながらの自己保全に走る始末。

 

時間の無い中、結構に重量物を出したため今度は腰痛が発生、今回ばかりは罰当たりな仕事をしたためだと諦めきっています。

蔵自体を生かしてリフォームしたら・・・のタラレバを今更語る愚かな自分もありました。

御開祖も自ら「愚禿」と名のったほどですから私が愚かでない理由はありませんが(昨日はNHK「日本人のお名前」で「愚禿」が登場しました)。

それにしても日々右往左往、後悔とぼやきの連続です。

 

シロアリたちへは二度と這い上がってこないようにこの工事が終わったら消毒剤と石灰を撒く予定です。