天蓋とは日傘が発祥 日傘は高貴の称

昨日お会いした方に唐突でしたが「エアコンは使ってます ?」と聞いてしまいました。先日も記しましたが相良にはまだまだエアコン設置の無いお宅がありますのでその辺りのところ、興味があったワケです。

「勿論、朝からスイッチを入れてしまう」と半ば反省に近い言葉が返ってきました。しかし今、家に居続ければ24時間そのスイッチをONし続けていても不思議ではないですからね。

午前の早い段階で「30℃」など当たり前になりました。よってエアコン使用は恥ではありません。

 

夏のエアコンと言えば夏風邪罹患の恐怖が付きまといますが今となるとどちらでもその就寝時不快の対処法については「エアコンの点けっぱなし」を推奨しています。

私はタイマーにて管理していますがやはりそれが切れたあとというものは寝苦しくて目が覚めますね。

「2度寝できるからありがたい」程度でスグに寝付きますが世に

夜間「飲み物を枕元に置け」なる体調管理の方法がありますが

私はそれには及びません。

そこでの飲料摂取は逆に不眠のスイッチになりそうで・・・。

私は就寝前にがぶ飲みしていますのでそれで朝まで持たせているところです。

 

 

その方は「旧式で電気ばかり喰うポンコツ」ということで「今それが壊れたとしたら・・・」を想像するだけで恐ろしいことだと。

ちなみに「電気屋さんに今注文しても9月になるかも」と仰っていました。少々大袈裟かも知れませんが、在庫も少なくなっているうえに、施工技術者の手配が追い付かないようですね。

 

先日、町の電機屋さんが大手の家電ショップから出てきたところを見ましたが、相互補完というところでしょう、「手が足りない」現状が手に取るようにわかりました。

 

昨日午前は私が法事、息子が静波墓園剪定の続きでした。

特にこの頃の法事の施主となると参列者周囲へ恐縮度もUP UP、

「天気の事」ですから仕方ないのですが・・・しかし日本人の良さなのですが、そこのところ気配りしてしまうのでしょう。

 

墓地参拝の際、参拝者は木陰で待機しつつ・・・でしたがそれは当然です。施主さんは直射日光が当たる墓前にて私に申し訳なさそうに、「できれば傘を提供したい」と申していましたので、「男の日傘(今流行に仕立てようとしている・・・)ですね。それには及びません。」と(洒落臭いとは申さず丁重に)断りましたが読経が始まり出すと後方から傘が差しだされていました。

 

「本意ではないなぁ」と思いつつそのまま続けていれば意外に涼しいということがわかりました。

そのご厚意が有り難かったですが、私の頭に過ったのは「偉そうに・・・」の姿。

 

雨天の際に傘なしでうっかり墓前に参れば参列者当人の傘を差しだされてこちらが恐縮する場面がありますので、小雨でも傘を持参することは必至ですが、まさか日傘とは・・・

 

昨日も記しましたが私の顔が黒いので「気の毒」を醸し出していたのかもしれませんが、傘を出した方は日差しをその分引き受けたワケでこちらの方で申し訳なく思いました。

こういう日の「暑くてキツイ」というのは誰でもわかる事。

私の黒衣は暑苦しい出で立ちではありますが、できるだけ「その御時節柄―暑い」のフレーズは口に出さず、苦しい顔をしないというのが第一義となります。

「ニコニコして饒舌」を心がけますね。

 

その逆は「油断のならない奴」(自分ファースト)と思われがちです。傘を出されて、上等な椅子を用意されて、多種気をつかわせて、忖度される・・・そういう御身分にはなりたくないですね。

「うっちゃいといておくんなさい」と言いたいところでしたがその御親切のお礼はちゃんと申しあげました。

 

さて坊さんの「傘」といえば「天蓋」ですね。

大層な代物となりますと中尊寺金色堂のそれですがそもそもが仏教発祥国インドが大元でやはり「日傘」から発展したもの。

インドの日差しは暑そう・・・高級貴族が好んで作ったそうですが権威の象徴の部分が大いにあったよう。

そういう意味からも他者に傘を差しだされることを甘んじて受ければ「偉そうに・・・」と感じられてしまうでしょうね。

 

流れとしては虚無僧の笠がありますが、それは世間「隔絶」の証となったのでしょう。どちらにせよ真宗僧侶には必要のないものではあります。

特に阿弥陀仏など「座像」の場合でないと天蓋の存在はおかしいような、動体となる住立空中尊から発展した真宗的阿弥陀如来ご本尊に華美な傘は似合いませんね。

 

拙寺の御本尊は須弥壇上の厨子に納まっていますがその発祥はやはり「中空」風を表現していることを頭に入れておきたいものです。ただし立ち姿の阿弥陀さんであってもその敬尊の意から天蓋を設える事はよくありますね。

 

本日は天蓋のある仏を。

①が先日記した刺繍釈迦如来説法図のお釈迦さん。

②も先日記した二尊像。立ち姿でありますが天蓋付です。

ちなみに右(向かって左)が阿弥陀さん。

その上に色紙形があって文字が並びますがそれが

 

「其仏本願力 聞名欲往生 皆悉至彼国 自致不退転」

 

「無量寿経」(大経)からでその文字列からも阿弥陀さんと理解できます。

ちなみにお釈迦さんの方の色紙は「法華経」からだそうです。

 

③やはり阿弥陀さんの代表的働きを表現する「其仏本願力 聞名欲往生 皆悉至彼国 自致不退転」の語が使用されている檀王法林寺の「刺繍種子阿弥陀三尊図」を拝借。

文字に天蓋がありますが、「種子」=「仏」であることがわかります。

 

こちらは「種子」で阿弥陀三尊を描いていますので「浄土」系かつ真言密教の流れのところを示唆していますね。

この阿弥陀三尊と十二光仏そしてあの無量寿経の文字は「髪繍」とのこと。

独りの毛髪を使用したものか多人数かという点が気になります。施主に被供養者についても興味は尽きません・・・まぁDNA鑑定を・・・などという発想はイケないのでしょうかね。