先日のETV特集「僧侶たちの原発事故」を視聴しました。
福島の原発事故にて自らの寺と檀家さんたちが被災し故郷を捨てての避難、結局は先祖伝来の墓をも放棄しなくてはならなくなるような状況や避難解除となっても1割しか戻らないという「人がいない」現実に向かっていった3つのお寺と3人の住職の苦悩と彼らの前向きな方向性についてのドキュメント。
当然に「オマエだったらどうだ」のメッセージが伴いますが、私のそれへの回答は「わからない」です。もしかすると「逃げる」のかも知れません。寺としての躰が継続できなくなるのですから。
墓地が核廃棄物の集積所と指定された例。
墓地からの遺骨の移動が焦点になりますが、放射線量が基準限度の3倍もあって放棄せざるを得ないという悔しさと今後その遺骨たちはどういう扱いとなるかという心配について取り上げられていました。古くて土に馴染んだ遺骨ほど線量が多いとの事。
その中で一番に印象に残ったのが浪江町の大聖寺(真言宗古刹)のご住職。
法要に於いて諷誦文(ふじゅもん)と呼ばれる追善のための導師が拝読表明する文書があります。
ちなみに真宗では「表白」でしょう。カンタンにいえば導師の弔辞のようなものかと。
そこにはこれまでは公言するに躊躇していた「口に出せない思い」を絶対にハッキリと記すこととしたといいます。
それを聞いた方たちからも「スッキリした」の声も。
坊さんは忖度などしてはいけないのですね。
その諷誦文について私が聞いた通りに記してみます。
「平成23年3月11日 人類未曽有たる東日本大震災発生
さらに悪しきことには 東京電力株式会社 福島第一原子力発電所 大事故発生 人々の身も心も 生業も傷つけ
縁(えにし)を分断したる悪行は その救助捜索を阻害し
我々を悲憤の流浪避難の民とせしめる
核の炎が寂滅 永久の眠りにつきたまわんことを
生きとし生きる者の命の尊厳 我らが生きる理をもって
重ねて強く こい願うものなり」
でした。
財務大臣殿がかつて「未曽有」をミゾウユウと仰ったことを思い出しました。前日には財務大臣の前財務次官の破廉恥を守らんとする発言に対しての「無知振りの露呈」を海外から指摘されたことを笑っていればそのお辞めになったあの人に突然の何がしかの「処分」との判断返し。
ご当人は「裁判だ」と息巻いているようですが徐々にトーンダウンしてくることは必定。
騒いでいるだけみっともない。「処分」と言っても金額的に微々たるものでしたが。おしるし程度。
さて、國冠酒造の小林庄平氏が法蔵寺の「有徳なる人」として記しましたが昨日の正覚寺の岡村氏もまた酒造蔵元として地元では名のある「岡村本家」です。
先週初めて「菊之助」が出演していると聞いてどれどれという具合にチャンネルを大河ドラマに合わせましたがドラマの中身はやれやれでした。
酷すぎる・・・完全に井伊直弼が悪役になっていました。
これから番組で扱われるテロ・・・「桜田門外の変」を正当化しようとする伏線演出が見え見えで彦根辺りの人たちからみればカンカンでしょうに。
西郷は明治政府に干されたところなど好感が持てますがあのストーリー展開では今後は遠慮させていただきます。
遠州―彦根ラインにある私には井伊大悪人の展開にはクサクサします。やはりパターン化していますね。
嘘と誇張、これだから幕末物はつまらない。
その彦根の城の別名といえば金亀城(こんきじょう)。
なるほど彦根市金亀町の地、金亀山の金亀城ですね。周辺その「金亀」名称多いです。
その「金亀」を酒の銘として生業としたのがこの岡村本家です。ちなみにその読みは「コンキ」とはせずすんなり「キンカメ」と読みます。
岡村家の「7代岡村太内が安政元年(1854)彦根藩主井伊大老より酒造りを命じられ8代岡村多内が創業」といいますので彦根なくしては語れませんね。
「金亀」に並んで「大星」なる銘柄もあります。
これは近江商人の勤勉を表す語で「早朝、星がまたたく頃から日が沈んで星が輝き出す頃まで働く」を訓としたものです。
なぜにしてこの下戸が、のこのこ酒蔵の暖簾を潜ってしまうのか自分でもよくわかりません。
かつて岩村でも「女城主」の蔵に飛び込んで甘酒を試飲してフラフラになった思い出がありましたが私はこちらでも甘酒を購入して帰りました。
川向うの目加田の名を称する酒もありました。
「金亀」「目賀田」の城の名を記した酒、酒好き城好きであればたまらない銘柄です。
「亀遊」なる岡村家直営の居酒屋が京都の祇園にありますが、そちらでもその「金亀」が飲めるようですね。
岡村本家の蔵の中には亀グッズがいっぱい(場所はこちら)。ファンがそれらを持ち寄るとの事。
愛知神社に「金亀」の樽酒が奉納されていましたがお隣の正覚寺と同様、神仏に厚い畏敬の念を感じるのが近江の地。
愛知神社祭礼の「御旅所」がまさに岡村本家前スペースに設けられています。
「御旅所」は蚊野にも見えましたが祭礼用の休憩地あるいは御輿を担ぐ場所。
伊藤忠の若衆もこちらで興じるようです。
蔵の2階はコンサート会場に変身。
また御当主は彦根城周りでの活動にも傾注しているようで「彦根左近の会」にも顔を出しているよう。
⑦⑧の銅像は10代目のものでしょうか・・・敷地内許可を得て撮影させていただきました。
4/28・29日は金亀酒造祭り。
今度はお天気が良さそうです。
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