現在の「おこん所」地蔵のある場所が平野館跡

昨日の法事のお斉に同席された方に当地で400年以上も続く豪農の御当主夫妻がいらっしゃいました。

御説は茶の盛況衰微の循環は60年周忌なので、これからは最悪期を脱して必ずや再び繁盛の時代が来るとの談。

また先般、この地区お茶の刈り入れの件を記しましたがアレは3番茶ではなく4番茶だろうとのこと。

 

私のそれまで聞いていたところでは3番以降の茶は無価値に近く、刈り入れの労力だけ無駄であるというものですが、どうやら茶葉の価格下落は止まって収穫が割に合うようになったからだと。

思うに跡継ぎサラリーマン化による継承者不在につき廃業農家が溢れて需給のバランスが均衡してきたことによるものだと思いますが・・・。いずれにせよ牧之原台地の南端は日照も安定し良好な植生が期待できる場所ですから地道にイイ茶葉を育てていれば復活のチャンスはあるように思えます。

その方はもはや引退していますが地形を見ただけでどのくらいの茶葉ができるか見分けられるとのこと。

ポイントとしては「陽当たり」も肝心ながら「風が流れやすい地形」とのこと。

 

降霜と氷結が製品の質を左右することから、風は茶農場に不可欠とのこと。

現在の茶畑についてはすべて貸し出しているとのことですが、収入はゼロだとのこと。

その際昔の田圃でいう比較をされていましたが、地主と小作の関係でいえば一町歩の田で30俵は確実だったと。ちなみにその一町歩で「60俵いくかいかないか」の収穫量といいますから小作農の過酷さがわかるような気がします。

 

疑問点としてはあのマッカーサーの農地改革をどうやって過ごしたかですね。山間部の土地所有が多かったのでしょうか。

拙寺も多くの先祖伝来の土地があったようですが、農地改革と祖父の代の売却によって殆ど無くなってイベント等開催時は駐車場の手配に走らなくてはいけなくなってしまいました。

 

さて、昨日記した「おこん所」。娘の名としてはちょっと首を傾げたくなるのが「所」ですね。それが無ければ「おこん」さんでスンナリなのですが。それでしたら本名は「こん」さんなのでしょうが、あくまでも地元では「おこん所」。

 

「所」の読みは「じょ」でしょうが~私は当初は「おこん」さんが住まわれていた屋敷を指すかと思っていました~きっと元は「女」だったと思います。

おそらく後世になって伝承が活字になったあたりに混同があって「所」に変化したのではないかと勝手に考えた次第です。

 

平野家菩提寺の大円寺南側にまさに一町歩程度の四角形の空き地があります。

100✖100の典型的国人領主の館を想像しますが、そちらが平野館推定地となります(場所はこちら)。

その区画南西片隅、道路際に祠が建っていますが、そちらに「おこん所」を祀った地蔵があります。大正十四年に平野家末のどなたかが建てたそう。

 

以前は区画の奥にあったようですが、整理されてこちらに移動しているようです。

地元ではいまだ「おこん」姉さんの伝承が残っていて、「女子」でいろいろ(家庭内、学校等)悩みがあった場合など「おこんさんにお参りしたか・・・」が合言葉になっていると聞きました。

 

祠の隅で見かけた石はかつてあった建物の礎石でしょうか。

こちらの地名は「豊田」といいますが東名高速スマートインター「遠州豊田」として名が通っています。

①画像段丘上に「ららぽーと」の塔が見えます。

 

昨日ニュースで安堵したのは、箱根駅伝予選会にて中央大学が通過したこと。

拙寺檀家さんで昨年末に亡くなった「姉さん」、伊藤敏子さんは中央大陸上部卒でした。

箱根の頃には大手町のゴールにすっ飛んでいくほどの箱根筋金入りの応援団で昨年の箱根落選にはさぞかし悔しい思いをしたことでしょう。

とにかく中央大の復活に「伊藤さん、よかったね!」と墓地に報告に行こうと思います。

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コメント: 2
  • #1

    小山昭治 (日曜日, 15 10月 2017 08:44)

    私もそう思いました。敏子さんおめでとう。
    自分の体を信用しすぎたのでしょう。
    「自分が頑張らねば」・・・周りの人は悪く言わず
    「しょうがないじゃん。やるしかないだよ。」
    思うまいと思っても思います。
    「馬鹿もん。」

    毎朝 小堤山から敏子さんの家を見て考えます。思い出されます。

  • #2

    今井一光 (日曜日, 15 10月 2017 11:54)

    ありがとうございます。
    数珠と線香を一本持って「もう知っているでしょうが・・・」と報告してきました。
    これまでは特に応援する学校はありませんでしたが、これから中央大学には注目していきます。
    それにしてもあの家は目立ちます。