台地上は初夏の雰囲気満載 戸塚坂から

昨日来られた檀家さんとの雑談も土地の話となりました。

つまるところ「土地は資産ではなくなった」という件。

吉祥寺の叔父(不動産業)によれば、公の発表する価格というものはトリックがあって年ごとの坪単価の上昇にしろ下降にしろそのラインは傾斜を「緩やかにしよう」という意図があるそうです。「操作手心」の介入ということで、その価格というものはまったくアテにならないといいます。

要は「急激」傾向の示唆はタブーなのですね。

場所によって「年間4.5%」の下落との数字は公称聞きますが、どうしても実態に即した数字とは言えません。

 

今、相良本通りに面した土地が1件「売地」となっています。

不動産屋が面積と価格を記した書面をその土地前に設置したポストに「どうぞ」という具合に配布していることを承知しています。

ぶっちやけ5万円/坪。

 

先日も競売物件で拙寺より北側の土地で15000円の最低競落価格の登場を驚いて記していましたが、では拙寺より「南側は?」ということになりました。

するとその地元事情に詳しい方は坪1万~1.5万が適正価格とのこと。

何故ならば・・「だれも欲しくない、買う人いない・・から」です。

 

相良「乃庄」さん脇の「根上り松」海側の道路沿いに住まい、国道150号線との間にある土地を所有している方が孫たちにその土地を「あげる」と言ったら「いらない」と一蹴されてしまったと嘆いていました。

その孫はわざわざ借金(30年ローン)してどこかに土地を工面してから家を建てたとのこと。

 

土地と言えば財産分与の中で現金に次ぐ筆頭ともいえる財物の一つでした。それが今このザマ、誰が悪いのでしょう?

前出の叔父の言葉では「人口減少と土地下落はリンク」していると・・・それはそうですね。

人が住まない場所に土地の需要はありませんから。

 

私は「人が少ない」ことを喜んでばかりいられません。

別件ですが「土地開発公社」の処理に「公金6千億円超」というニュースがありました。

「 塩漬けで借金膨張(昔の価格を基にした金利分)」といいますが、売るに売れないのはどちらの田舎でもあることでこの件、全国的に切迫しているようですね。

 

土地に夢を見たあの時(バブル)のツケはこれからの若い世代がまだまだ支払っていくことが決定しているようなニュースでした。どこまで未来にツケを背負わせていくのでしょうかねぇ

日本の政治。

 

私が死んじまえばそれで考えることはなくなりますが・・・将来の少ないながらの子供達が不憫でなりません。

下手をすれば戦争にまで駆り出されそうな風潮。

せめて憲法だけは大切にしていただきたい。切なる願いです。

 

まぁ、昔から寺は静かで人の生活感の無い場所にあったものです。当初この地は今のような「住宅地の中」であった筈がありませんし・・・。

 

皆さん今は「台地上」を狙っているのです。寺は引っ越せませんが・・・

ということでいずれ(それもスグ)ここいらの土地で1万円割れ(これは実際に浜岡で聞いた事があります・・・3000円也)の声を聞くことになるでしょうね。

 

勿論、固定資産税も当然に緩やかなカーブで低下しています。

土地を比較的多く所有している方が仰るにはそれでも「耐え切れない」とのこと(その年金生活の方は年間35万円)。

今はただ「資産」所有の感覚を捨ててそれから逃れることが主眼になっているようです。

ただし「誰も欲しくない」=「買わない」=「急激な価格下落」の構図。手放さなければついて回る固定資産税。

 

「さあ、どうする?」(「WHAT DO YOU DO ?)」はある映画の中の「詰み」の台詞。

「どうにもならない」ですね。

 

今、年配者が開き直って住み続けている土地柄ですがその方々が居なくなったころ、こちらはゴーストタウンと化すことは見えてきました。

ゴースト化したところで、人がいなくなったところで、台地から降りてきて墓参りしてくれれば・・・と私も開き直っています。

 

さて、遠州は2月と3月の思わぬ低温傾向によって茶の刈り入れが遅れていることは既報の通り。

榛原地区で今回のバス遠足に参加される檀家さんに新しい行程表と地図のコピーを配りに出向きましたが、帰り路は台地経由。途中車を停めてその景色を楽しみつつうまい空気を吸ってきました。

 

「京都駅は殺人的混雑」との情報を得る中、こちら台地上の人口密度は・・・というか昼時ということもあったのか360°見まわしてみて視界の中に人はゼロ。

昨日の長篠の件もありますが、この日だけはあまり動かないでいる方が賢明ですね。

 

画像は県道菊川榛原線戸塚坂付近、道筋と並行して走る農道からお茶の様子を拝見しました。

この坂からの景色は空港周辺の6市2町で構成する牧之原茶園・空港周辺地域景観協議会というものの「茶園景観30選」の1つに選ばれています。

10日頃あたりから新茶は出回りそう。

 

この「戸塚」の名称を聞いてピンときた方は歴史通。

時宗に帰依した勝間田氏と藤沢遊行寺(清浄光寺)そして戸塚姓との関わりを思います。