病魔の不運もみんな一所懸命  先入観いけません

駿府城のソメイヨシノが満開! との報せがある中、静岡市内へ。

といっても花見ではなく法務でした。

先方のお宅ではお勤めのあとのお話に「花が咲く」わけですが、ご主人は60代で脳いっ血で倒れていたことを知らされました。

 

現在は介護施設に入療しているとのことですが、前回1年前に訪問した際はそのようなお話はされていませんでしたのであの時は発病後で2階の寝室にいらしたのでしょうね。

その方は飲酒の習慣がなかったといいます。

 

階段の隅に目をやると1階⇔2階を椅子に座って往来できる「エスカレーター」が設置されていました。

壁に固定されたレールを上下するシステムのようでしたが、その発症によって家の中の改装などかなりの出費があったようです。

この移動の道具を設置することは2階の寝室との往復と記しましたがそちらは1階が店舗になっていますのでそれは致し方なかったとのこと。

当初は外側にエレベーターを設置することも考えたそうですがコストの差が歴然、この「移動式椅子」で手を打ったと。

ちなみに150万円弱とのことですが、その他1階用と2階用そして外用の車椅子を3台購入、家の中は手すりやら何やら改装を重ねたそう。

 

「全部でいくら?」などと野暮な事は聞けませんでしたが、この病気への家族の対応とコストの重圧は半端なものではなさそうです。

 

帰り際、「住職も載って試してみろ」と。

ジェットコースターの如くの空間移動は苦手ですのでお断りするも「是非に」ということでしたので試しに初体験させていただきました。ハッキリいって安全重視は当たり前、のんびりゆったり「するする」と移動しますので、健常者レベルでは遅すぎに感じました。

しかしこれは「これから重宝になる」と仰っていました。

 

60代での脳いっ血の発症は決して珍しいことではありません。

相良から帰宅した際、たまたま偶然、見かけた檀家さんに声を掛けて自宅まで送りましたが、その方は30代です。

さすが若いこともあってリハビリの効果が出ています。

発症当寺は口がきけなかったようですが、昨日は結構おしゃべりさせていただきました。

 

その方の父上からは「運が悪かった」と。

ある程度の「症状」(ろれつがまわらない)が出たのがある金曜日。

医師は若年ということでその症状に重篤を疑わず「様子見」ということで帰宅させたそう。

そして土日と症状が進んだ挙句ついに昏倒して救急車を呼んだとのことです。

「若いから」とその先入観で医者が病気を判断してしまったという例ですが命に係わる重大事案の見逃しでした。

私はこの件「運が悪かった」では済まない事例と思いますが・・・

ちなみにその方は私の知っている限り、飲酒も喫煙もなかったように思います。

 

喫煙も飲酒もその疾患の重大な要素となることは事実ですが、その要素がなくとも発症することが「ある」ということですね。

 

脳いっ血・心疾患にアルツハイマーと日々「若き人」の発症の事案が舞い込んできます。