二重国籍?  「岡田〇✖量美」 納骨旅行  in Japan

拙寺よりブラジルに渡った人は父親の弟のうち、次男と三男です。数日前の台風16号通過中に相良に参ったのが三男夫婦と娘二人でした。

実は軌を一にして次男の娘が単身訪日というか帰日というか日本に上陸していました。

 

今考えるともっと他に方法はあっただろうと思うのですが、祖父は二人のブラジル行きを推奨し、二人も進んで新天地に向かったのでした。

たとえばどこかの寺に養子に入る等動けたはずなのに・・・と祖父の冷たさも思います。

 

次男はかなり優秀な人で、父親が旧制榛原中学時代に素行不良で当家の悪評を広げたために入学を拒絶されて、祖父がそれを「不合理」と怒って談判に向かったという話をかねて聞かされていました。

入学拒絶は覆られず叔父は相良の学校に通ったそうですが、大学はどちらかの医学部を受験して合格を得たと聞いています。

 

ところが当時、寺には医学部に入れられる資金が全くなく、おカネがかからない普通大学に入ったとのこと。

今なら医学部に入ったなら借金をしてでも医者にすることを主眼に考えますが、叔母がいうには、当時は借金する基盤さえ無かったと。

 

その後アメリカに渡ったのちにブラジルのサンパウロ別院に収まって僧侶として過ごしました。

奥さんは日系2世というところは先日来られた三男の奥さんと同様です。

どこかのブログでも記しましたが次男は2006年に亡くなってそれ以来ずっと遺骨が故郷に戻っていなかったのでした。

それを姉弟の真ん中の彼女が3人を代表して納骨に訪れたというのが今回の彼女の行脚 in Japan。

私とは20年振りの再会でした。

 

3人の中でただ一人独身、母親と同居しているとのこと。

日本には独身の男がたくさんいるから来れば?と奨めれば「母親が心配で見捨てることはできない」と。

そういうパターンもよく耳にすることが多くなりました。ちょっと悲しい。先日来た三男の娘二人は日本(ブラジル領事館等)に居ますがやはり独身。「仕事」が面白くてその気にはならないといいます。そのパターンも多いですね。

 

彼女は「プビコ」と呼ばれる公立の「医療費無料」の病院で看護師をしています。

ブラジルには保険で診療を受けられる私設で ある程度の高度医療を期待できる病院と上記の「支払いの発生しない(タダ!)」の病院があるそう。

要は経済的貧者のための病院ということで、当然の如く給料はあまり期待はできないと。

彼女が言うにはそういう病院の方が本当の意味で「力を貸している」という雰囲気になれるそう。

 

画像①は当家の基本、最大限の笑顔です。画像のブログアップの件、承諾済です(あとから彼女の気が変わらない限り・・・)。

「金閣寺に行った」と喜んで見せびらかされてしまいました。私は行ったことがないのに・・・

 

彼女はポルトガル語と英語は堪能ですが、「日本語はギリ」で初見「YOUだったの?」という感じを与えますが、その「金閣寺」への行程を京都駅で聞いたそうです。

ところが案内の通りにそこへ行ってみれば「銀閣寺」だったというオチ。

その際、意味不明に陥ってサンパウロの母親に電話(時差12時間)確認すればやっと間違いに気づいて爆笑になったと。

案内する方も「金と銀」は紛らわしいので念押しするくらいの配慮は必要ですね。

 

②は東本願寺前で父親の遺骨と2ショットの図。

通行人をつかまえて撮ってもらったそう。

リュックと遺骨を持ってあちこち歩き回ったそうで、奈良の東大寺大仏の画像も拝見しました。

 

③④は初めて知ったJRの外国人への気配り。

1週間JR乗り放題29110円也のパスポート(2週間、3週間もあるそう)。バスは勿論JRバスを選択。

ということでこれまで京都方面へは東京板橋のゲストハウスからの日帰り新幹線往復行脚だったそう。

一昨日は奈良にて私に電話を入れ、一旦東京まで戻って宿泊しそしてあらためて東京から静岡へ来たというから驚きです。

その旨しっかり伝達できていれば関西から戻る便で私も対応できたのですが。

 

彼女は

時間がかかること、待つ事、遠回りする事、長距離歩く事、重い荷物を持ち歩く事、すべて「何でもない」とのこと。

それがブラジル育ちの日本人気質だったのでしょう。

今の私たちが忘れていることばかりでした。効率とラクばかり意図して動いています。

 

連れまわした「父親」を拙寺本堂に正信偈とともに納めました。後日累代墓地に納骨しますが、それで肩の荷が降りたよう。浜岡の叔母さんの家に一泊するというので連れていてきました。

 

尚、彼女の父親は「オカダ」姓。

先般亡くなった布施書店の岡田ていさんに養子に入ったからです。戦後は現総代当主の布施書店におんぶに抱っこの時代がありました。「人生いろいろ」があったようです。

 

よって彼女もオカダ姓。また、彼女の日本名の「量美」は「ますみ」と読むのですが、この「量美」の漢字は初めて知りました。

これは坊さんらしい銘々で凝ってます。

「量」は勿論「無量寿」(阿弥陀如来)でしょうが、そのことに触れるとその経緯とその意味について彼女は初めて知ったようです。

 

今「二重国籍」を揶揄する人の神経がわかりません。

日本中結構ある話ですし、こればかりは「親の動き」に結果左右されるもので子供当人にはまったく責任が無い事です。

 

ハッキリ言ってどうでもいいことですね。