「親子共依存」から子供を解放自立させること

当ブログを記していて、たびたび愚息へのボヤキを記すにつけて、「ちょっと奴に過干渉じゃね?」と思うところがあります。

 

まあ、今はほとんどの時間をこちらから離れた遠い場所で「適当第一」に生活をしているようですので私の呪縛から解放されて、勝手気ままのお気楽気分でしょうが・・・。

歳を喰っただけで一向に大人になっていない私がとやかく子育てについて語ることもこれまたおこがましいことです。

大学生に向かって「子育て」などというのも可笑しいことと思われましょうが「子育て」には年齢の多少にかかわらないともいいますし。まず自分がいつまでたってもガキのままであることからそれは承知しています。

 

スマホのLINEで我が家のネコどもの画像を送ったり古都のお気に入りの風景を送らせたり、仕送り金額の増減を餌に授業や試験についてごちゃごちゃ指図したり、次の寮をこちらで決めたり・・・尾木先生に言わせたら私は「毒親」の部類かも知れません。

 

その点、私の父はまったくといっていいほど何も言わない人で、私を「野放し」にしていました。何も世間のことは知らない家族についても結構冷たい人間だとも思ったこともあります。

東京で野放し、好きにバイトして稼いで遊んで・・・次々に失敗して痛い思いをしたのも父親が何も教えてくれなかったせいだとも感じました。

しかし、最近になってある意味それこそが「本来の親の姿なのでは?・・・」と感ずるようになりました。

 

前述の尾木先生があのバス事故以来、いつもと違うコメンテイターとしてではなく悲痛の心境を語る一教師としての映像を拝見しています。事故によって教育者として一流の先生の生徒たちの命が失われていたことが分かりましたが、優秀な教師として将来活躍が期待される教育者の卵がいなくなるということは大きな損失で取り返しがつかないことになったと思うところがいっぱいです。

 

その尾木先生の著作は多数あるそうですが、その中で耳にしたものが標記の「親子共依存」です。先生の造語でしょうが、今の「家族」というものを端的に表しているようです。

 

一例として、今は大学の入学式に親がめかしこんで子とともに出席することなどは当然、両親連れて来るなどもあって会場が満杯になってしまい、複数回分けて入学式をしなくてはならないと先生は仰っています。ちなみに息子の場合、引っ越しの整理がありましたので母親が付いて行って、ついでに出席していましたが、私の時は私は「親に来られてたまるか」だし親は「そんなの行ってられねぇ」で勝手に入学、勝手に卒業という感じでした。

だいたい学校などハナから自分で選択して家(寺)のことなど無視。それで「入学費用と学費、勝手にアパートを借りて、生活費は出してくれ、あとは適当にやるから・・」で済んだものです。

ただし、1年生の時、真宗学院に1年間夜学に通うという遠回りが待っていましたが・・・。

 

ところが今の子供は基本「できるだけ自宅通学」だそうですね。少々遠くても自宅が主たるアジト。親の意見はよく聞き、友達付き合いもほどほどながら親子関係も良好とのこと。

それを尾木さんは「仲良し親子」という言葉で表していました。一見「仲良し」の語につられてこれは、ほほえましくまた、羨ましく、ベストな関係を連想しますが、これがまったく真逆だというのが尾木先生。

 

子供が成長するに必ず当たる「反抗期」無しの無風ステップが目に付くとのこと。

この「仲良し」は子離れしない親のスタンスが呼ぶ「親離れしない子」に起因するそうで、これは様々なマイナス症状を生み出す「ビョーキ」であるとも厳しく断言しています。

 

面倒くさい社会の人間関係と比較して「家族愛」というぬるま湯がひどく心地よく感じ「外へ出ない」「生身の人間関係が下手」「対話や交渉力の欠落」という方向が見えてくるといいます。面倒見のイイ親のおかげでこれといった障害にも当たらず、痛い思いもしたことがない、まずは親の敷いたレールに乗っていれば順風満帆な人生を歩めるという大いなる誤解の芽がもたげてしまうのです。

 

よってそういう「閉鎖社会」にて育て上げられた子供は、まずは大人になれない子供。ただ「歳を喰った子供」であるのみですね。

そうなれば世にいう最大の「自立」である、「自分の家庭を持つ」ということができなくなってしまうのです。

いわゆる結婚ということですが、こればっかりはどんなに親が張りきったとしても相手様がいることですし、なかな事を進めることは難しくなってしまうのです。

 

ただし最近は結婚に関しては子供がほとんんどそれに興味を持たない傾向があるため、少なからず、親が動くということは必要であるといわれています。これだけは期間限定(婚期)の人生の一大イベントですので、四の五の言っている暇は無いのです。

 

とにもかくにも尾木先生のアドバイスは子供の「自立」を第一に考えて接し、自分で決めたことが生んだ失敗も痛い思いも大いに味合わせることが大切であると。

ポイントは「ほったらかし」がいいようです。

私も少々の難は見逃したいところですが、アルバイトの件と学業不良の留年だけはかないませんからわかっていてもついつい尻を叩きます。

 

彼の友人でも「居酒屋でバイト」している者もいるようですが、どうしても「ブラックバイト」のあの「和○」を思い出してしまいますし、留年などされれば当家家計に絶大なる損失を生むことになりますのでつい口を出したくなってしまいます。

代々「酒を飲まない」家系でもありますし、そんな場所に出入りして、慣れさせられてもたまりませんし。余計な事ですが、「ブラックバイト」なる学生を食物にする悪辣な会社は許せませんね。今、どこでも人材不足ですので引く手数多はいいのですが、厳選しないと身を滅ぼすことになりますので、バイトというと不安になります。

 

友人で2回留年した(大学卒業に6年)超絶要領の悪い男がいますが、「もう少し親が指示したり怒ってくれたら・・・」とも言っていますので完全なる放置と許容はいけませんね。

何事もほどほど。

 

LINEでネコの面白い画像があればやはりネコ好きの彼につい送ってやったり、天気の事情を聞いてみたり、私も子離れしないバカ親ですね。

しっかりと大棟に威容を誇る瓦もいいですが、朽ちかけて転がされている瓦も悪くない味を出しています。