相良の人も知っている浜松市野 は 市野惣太夫  

浜松の大企業といえばスズキやヤマハを思い浮かべるというのはちょい以前までのこと。いまやそれらの中、押しも押されもしない主役に躍り出た会社といえば御存知「浜松ホトニクス」です。

昨日も天体観測に絶好の雨上がりとなって小惑星リュウグウに向かって進行中の「はやぶさ2」が「地球スイングバイ」という何やら「凄い」 針路変更とパワーアップを計ったということが夜7時のニュースで放映されていました。

そのあとから放映された「クローズアップ・・・」では、「ノーベル賞秘話」というタイトルで「スーパーカミオカンデ」と「ニュートリノ」(幽霊粒子)のお話が。その粒子には質量があるという画期的大発見。まぁほとんど雲を掴むような話で・・・。

 

私は宇宙の神秘だの物理学だの世界にはまったくもって疎くてお話にはならないのですがその「スーパー・・・」なる施設の「光電子増倍管」というセンサーが世界唯一、トップクラスの技術であって、あのノーベル賞の受賞にはこの技術がなくしては語れないという代物であることくらいは知っていました。

それを作っているのが浜松に本社と周辺に多くの工場を抱える「浜松ホトニクス」です。

今や「浜松」を世界の表舞台に立たせてトップ舞台の「顔役」となった会社です。

 

さて、此処相良の直近には大きなショッピングセンターはありません。噂では東名牧之原インター近くにコストコが出店するなど囃されていましたが、どうやらこの地区への出店大本命の地は浜松に収まりそう。

最近、愛知県内のその系列のガススタンドが80円/Lでガソリンを売り出したという報道がありましたが、外資系の大量格安販売を旨とする会員制SCです。

以前、私が住んだ横浜市金沢区に登場した時は年会費まで支払ってそちらに行ったものです。

かなりの人気でその周辺道路の混雑を「コストコ渋滞」と呼んでいたほどです。

 

そのような大規模SCの出店は消費者にとっては嬉しい話ですが、地区に古くからある同業者から見ればその出店は戦々恐々でしょう。牧之原に出店すればその雇用と活性を期待できたとは思いますが、またも浜松に取られてしまったよう。

もっとも反対運動もあったようですが・・・。反対が実って浜松辺りに出来たとしてもきっと相良の人たちは通うでしょうね。

 

遠州豊田のスマートETCで出入りのできるあのSCにしろそこから10分ほど東名を走ってからの「浜松市野」の巨大SC、イオンモールでの買い物の話は小さい子供たちを持つ若夫婦家庭等から特によく聞こえてきます。

買い物という目的がなくても休みの日にブラブラとドライブがてらに赴くこともあるようです。

 

ということで「浜松の市野」という地名は藤吉郎(秀吉)の居た「頭陀寺の松下」よりも相良町民の耳には親しいものがあるようです。

私もその流れにまかせて「市野」方向に向かいますのでその地は比較的詳しくなりましたが、この市野の地名は標記「市野惣太夫」の名から。

 

この辺りで「市野」の名のりは一目を置かれていた歴史があります。市野氏は惣太夫真久の時、永禄十一年(1568)あたりから家康に仕えて代官としてこの市野村に屋敷を建てたといいます(1600頃)。その屋敷から見て北東方向(鬼門)に真久が建てた寺が宗安寺(場所はここ)、以後市野家の菩提寺となっています。

このお寺のスグ近くには上記広大な「浜松ホトニクス」の市野本社工場があります。

宗安寺には市野初代真久から代々代官職を継承し4代目の真防までとそれぞれの代から始まった分家の墓が並んでいます。(3列24基)

江戸時代形式ののっぽでスリム、「いかにも」と思わせる宝篋印塔が初代市野惣太夫真久と奥さんの石塔。 

彫りは  「惣太夫藤原朝臣真久(元和一 1615) 

                 室(寛永六 1629)」

 

驚愕は境内の三重塔。地方の末寺で本堂以外にこの建造物はあり得ないほど稀の中の稀。お庭の植栽も手が入っていてすごくキレイです。

 

ところで最後の画像、本堂正面の左右燈籠の文字にも驚き。

向かって右から

「普照無際土」

~際限のない世界をあまねく照らして~

「消除三垢冥」

~三つの垢(怒り・愚か・貪り)の闇を取り除く~の文言。

 

知ったかぶって記せば、この続き文字は無量寿経の一節、お東では「三誓偈」として抽出しよくお勤めします。「ほう」っと思って御本尊を拝見に本堂へお邪魔しました。これは浄土系(他力世界)の経典ですから・・・。

ありがちな本堂シャットアウトでなくて安堵しましたが、御本尊は厨子の中で拝見できませんでした。

そこで門前まで戻って宗旨を再確認に行ったほどでした(曹洞宗のお寺)。

 

というのは無量寿経の一節が続けて記されているということと、この文言は阿弥陀の力の素晴らしさをうたったところですので私的には阿弥陀様でなくてはと勝手に思って御本尊をこの目で確認したくなったのでした。

 

首を傾げつつ自宅に帰ってこのお寺さんの御本尊様を調べると薬師如来とありました。東方のお薬師さんが御本尊にあって西方の阿弥陀さんを讃える文言が本堂前に掲げられている・・・。

まぁ細かいことは気にしない、仏教の教えは鷹揚でなくてはなりません。