六二三、八六八九八一五、五三・・   悲しみをもって

牧之原市仏教会を通じ各寺院あてに『「平和の鐘」を撞かせて欲しい』という依頼がありました。

戦後70年という節目ということもあり、標記数字の羅列真中の

「八六八九八一五」(8/6 8/9 8/15)にお寺の鐘を撞いて「平和の有り難さ」について、反省と感謝をこめて今一度広く伝えたいという趣旨とのこと。

勿論快諾しました。

お寺としてもただぶら下がっているだけの梵鐘を少しでも「活用」していただきたいということで問題なく提供。昨年末から「除昼の鐘」を始めたところでしたしね。

 

国会では憲法学者が異口同音に「違憲」と言っているにも関わらず、これまでの日本の方向性と矛盾するあの「戦争ができる法案」を衆院通過させていますが、そのことが将来の日本国民へ降りかかる危惧への警鐘として響いていただければありがたいことです。

 

今の政治は経済界と民意を天秤にかけるとすれば経済偏重となっていることは言うまでもないことですね。武器輸出を解禁して儲けの窓口を増やしたり、金利を低く維持し為替を円安方向にして輸出産業を大儲けさせれば日本経済は右肩上がりになって給料が上がって国民は黙るだろうという算段のようですが、ここへ来て物凄い「不思議」を味わってきたというのが日本国民でしょう。

円安は国民にとってそうイイ事ばかりではありゃしないのですね。輸入品物価は上がることになり、食品系は値上げラッシュ。だいたい給料が上がっているなどという人はごくわずかの人たちのようです。消費税の8%もかなり効いていますね。

 

そしてまた原油価格がべらぼうに下がっているにも関わらず、スタンドのガソリン代は下がらない。さんざん「原油価格高騰のため、値上げします」と言っていたクセに今度は原油が下がってきても消費価格は一向に下がらない。素人目に見てもオカシイでしょう。まぁ国が目標にしている2%インフレ率の目標の達成という点から見て大いに足を引っ張ることになりますからね。

 

また3.11以来原発がおかしくなってから、特に「原発屋」としてお馴染みの東芝の業績がおかしくなっていることはだいたいわかりますが、あの会社ぐるみの殆ど「詐欺」ともいえる「粉飾決算紛い」(「粉飾」とは呼ばないらしい)事件や取引所の罰則・罰金のペナルティとは一歩離れた「不適切な会計処理」という意味不明の扱いによる日本風「なぁなぁ」の幕引きをしようとする見え見えの手口というのもまったく理解不能ですね。

あの会社の経営者が「社のブランドを毀損・・・」と言っていましたが私はあの会社の真摯な反省と周囲の厳しい目が無いことは日本という国そのものの信頼性を毀損することだと思っています。しっかりしてもらいたいですね、まったく。

あの方々は清志郎の敵でもありました。

それでいてあまり追いつめると「スグ死んでお詫び―禊は済んだ」と手打ちにするというのもこの国の慣例。

お上が絡んでいるところは何やっても許されちゃうという図式はスジが通りません。

 

東芝さんは、政界が一番に気を使っているアメリカから今度、民事訴訟(損害賠償請求)を起こされて「なぁなぁ」では収まらない展開もありうることの示唆に私は喜んでいるところです。

集団訴訟に発展するでしょうか。

民事のお白洲に引きづり出して裁判所の「お達し」その切り口というのが力の無い私たちとしては微かな楽しみですね。

大岡裁きを期待してやみません。

庶民感情としては詐欺師御一行様に一泡ふかしてもらいたいというところでしょうかね。勧善懲悪の裁きの精神は残っているでしょうか。

ここにきて一応は東京地検も動き出したようです。ポーズに終わるのか?・・・。1500億円の虚偽が「不適切」という表現のみで扱われ責任無しというのは5万10万の詐欺・ペテンの類で捕まった人たちは怒りきれないでしょうね。

 

だいたいオカシイことばかり、「小ズルい」のは子供の教育によくありませんし悪いことをした人はしっかり反省してくださらねばね。あなたたちの孫だって見てますよ。

彼らの腹の中は「経団連の名士、東芝」は潰せやしないだろうという汚らしい気持ちが淀んでいるでしょうし、その世界のお仲間達も何とか守ってやりたいという気持ちがその「なぁなぁ」感を生み出しているのでしょう。

 

そしてあの国立競技場の件、途中から工事費の高騰があったのは受注工事会社ゼネコンが政治家らへのリベート(成功報酬)をはじめからブチ上げた大失敗にあったのだろうと勘繰りたくなります。

天下大義のオリンピック事業とあってバブル期に横行した「どんぶり勘定」のクセがついうっかり出てしまったのでしょうね。

素人はあの手の数字にはとことん弱い。

根回し(都知事にとか・・・)しっかりやって国民など事後報告的に完成後の数字というものが出されていれば「そんなものか」とコロっと騙されてしまうのが私たちというもの。

明らかになったところで「さぁ大変、でも終わったこと」というのがせきのやま。

人口減少が見えている中、維持費も莫大な競技場の「有り?無し?」私は「知らない」「関係ない」。

私も含め、決定権のある連中も、政治屋も土建屋もみんなオサラバです。

みなさん「知ったこっちゃぁねえ」というのが本音でしょう。

将来日本を背負って立つ皆様、まぁ頼んますよ。

 

「国民はバカ」という政治(反対意見があっても法案さえ通しちまえば時間が経てばみんな忘れる 「なぁなぁ」「うやむや」になる)という状況を実感させられていますが、庶民はやはり無能なのでしょうか。

 

さて、標記は西野防人氏の一首。

   六二三  八六八九八一五 

           五三に繋げ 我ら今生く 

                       です。

 

中の8/6 8/9 8/15はカンタンですね。

8/6が広島 8/9は長崎 8/15は玉音放送敗戦記念日

 

頭の「六二三」 6/23は殆どの人は分からないでしょうが、コレは沖縄に住んでいれば当たり前の数字、沖縄戦の終戦です。

私は沖縄の平均的梅雨明け日の辺りであると承知しています。

今回の依頼も沖縄の人たちから見て大切な数字6/23を見落としていることは大いに矛盾。そして東京大空襲であってもいいかも知れません。たくさんの市民が無常に迫られて意思に反して死ななくてはならなかったその日々は忘れてはなりませんね。

ちなみに「五三に繋げ」は5/3「憲法記念日」ですね。

 

鐘を撞く時間

8/6  広島原爆投下時間 8時15分

8/9  長崎原爆投下時間 11時02分

8/15  正午 

 

 

平和が一番。

ひきだしを取り出すとそこの場は取り合い。ネコ世界では喧嘩をして取り合いになっても「こだわらない」のですね。しばらく経てば譲ります。クールなアッサリ感に惚れますね。

 

先日7/15日に本山宗務総長談話が出ましたのでコピー添付します。

 

『7月15日、衆議院平和安全法制特別委員会において、安保関連法案が採決されたことを受けて、同日付で宗務総長コメントを発表しました。

 

安全保障関連法案の衆議院平和安全法制特別委員会における

                      採決を受けて

 

このたびの安全保障関連法案の採決は、未来を踏みにじり、

人のいのちを奪い取っていくことに直結する行為です。

このことは同時に、戦時下に生きた人々の声、無数の死者を背景に制定された日本国憲法の平和の誓いを空文化させるものです。

過去の歴史に学び、未来を開くことに逆行する安全保障関連法案の即時撤回を、「悲しみ」をもって強く求めます。』

                 2015年7月15日

            真宗大谷派宗務総長 里雄康意