日本茶創世記  日本最古の茶園  そして蹴球所感

昨日のサッカー(W杯アジア2次予選初戦)、凄いの一言のサッカーを見させていただきました。といっても凄かったのはシンガポールの守備に徹したサッカー。

超ド級、ホーム有利の状況に0-0という殆ど負けに等しいというべき日本サッカーのお粗末ぶりも同時に。

予選は5か国全8試合でその1位がステップアップできるという仕組み、長丁場ですので大勢はまだまだですが大いに修正していく必要がありますね。

 

戦前は3点~5点の得点はまず間違いないだろうというのは殆どの日本のサッカーファンが心の中に抱いていた中でのこの引き分けでしたのでまったくサプライズでした。

なめてかかったということはないでしょうが、それを推測できるのは、集団で守ろうとするシンガポールゴール前でのこと。

 

V.S.O.P(ベリースペシャルワンパターン)、昔の言葉で失礼します、中盤でボールを持つと混雑したそちらに放り込むというやり方を延々と続けていたことですね。

ガラガラのサイドに誰か走り込みマイナスでセンタリングするという基本を忘れていました。次はもっとクレバーなサッカーをお願いしますよ。

たとえば料理を途中で切り上げて出されているような気がしますね。

なんでもかんでも超効率のゴール前(基本縦パス1本)のサッカーほどつまらないものはありません。

あと、フィールドの皆さん、「自分がゴール」(特にホンダさん)の意識が強かったようで・・・

 

後半に相手の反則を取らんがため?に転んで、それを見た解説がファールであるが如くテレビで絶叫している姿は滑稽でした。

サッカーの醍醐味は相手の守備を崩して点を取る事にありますので、ファウルを貰って勝つというのはいかにも姑息です。

口の悪いファンに「お嬢さんサッカー」と揶揄されかねませんね。

 

さて、かつての静岡ご自慢のサッカーはいよいよ衰退気味で寂しい限りですが、これは全国各地にサッカーが普及して、誰でもが気軽にできるスポーツとなったということなので、本当は喜ばしいことです。

それと同時に日本全体のレベルが上がって国内のサッカー人口も増え、今は特定的に強いといわれる地域がわからなくなっているということでしょう。

 

ということはですよ、最近になってから日本のサッカーは世界にデビューをさせていただいたわけですが、これから色々な国たちもサッカーに力を入れてレベルは上がって行き、どこの国もがこれまでの有力国を追いつけ追い越せで頑張りだしたとしたら(特にアジア予選地域内で)、いつまでも「地区予選での君臨」すら難しくなるでしょうね。

まあ、あの試合のみで将来を断定することはできませんが、昨日の試合は「あのままではね・・・」という警鐘を鳴らした事は事実です。まぁ修正を期待したいところですが、選手自身がどこがいけなかったのか真摯に検証することが必要です。

90分の中、チャレンジの選択肢が少なすぎたの感あり。

 

ところでサッカーと同様に静岡で「昔は凄かった」といわれるものはやはり「緑茶」。全国各地農家でも昔から手掛けている場所は多々ある中、これほど地域の特色を生かして大規模に耕作し、地元の需要があるという静岡の茶産業はそれでも未だその世界では著名な産地として見劣りすることはありません。

しかし現場の危機感は半端無いものがあります。

 

先日も某所茶農家の後継ぎが高額器材更新の借入と現状の茶の価格(生産者価格の低空飛行)の現実から将来を悲観して自ら命を絶ったなどという話も聞こえています。

この件は昔から言われていますがペットボトル飲料の普及と茶の価格がそれら大口生産業者、彼らにその主導権を握られてしまっているということでしょうか。

 

確実に余すところなく大量に2~3流茶を買い取ってくれることから、農家はそちらの方にその命ともいえる、価格決定権を売り渡してしまいました。

価格が見込める1番茶のみで勝負をかけ、あとは「叩き売り」的価格を丸のみして捌いていくしかないのです。

製茶が現状国内需要90%代というところから、国外に目を向けていくことが最大の打開策でしょう。そこまで静岡茶農家の体力が続くかどうかというのもポイントです。

 

そもそも静岡茶というのは今でこそその「本場」を標していますが、その歴史から見ればもともとの始まりは御存知「京都」ですね。

 

静岡は茶栽培のポイントである

①日当たりの良さ②水はけのいい土壌③風通しがいい開けた地としてベストコンディションであったのですが、大政奉還時に慶喜に付いてきた旧幕臣たちと大井川の失業川越人足を喰わせるための大量動員の苦肉の策が茶園開拓だったのでした。

歴史的に先輩格の茶所はたくさんあったのですが、開拓と改良が大いに成功しこれが本格的な牧之原大茶園のデビューとなったのでした。

 

日本のお茶の起源といえばやはり栄西さんですね(喫茶養生記)。栄西さんが中国からその種子を持ち込んだことから始まったというのが定説です。

そしてあの「茶の十徳」を著したのが明恵上人と言われています(昨日ブログ)。

高山寺には「日本最古」の茶畑があります。

前述の「土壌の水はけ、陽当たり、風通し」には現状まったく適していないような場所でしたが、「発祥の地」に触れて少々感動。当地にある刈り込まれた茶畑のイメージとは違いました。

 

どんな味がするのか・・ちょっと試してみたいような気も。